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2021年02月24日 (水)

"ミスターびわ湖"の決意

 

びわ湖毎日マラソンに出場するのが今回で18回目という選手がいます。地元、滋賀県出身、46歳の下村悟選手です。大会は、2時間30分以内という出場資格が設けられているため、トップレベルの実力を維持し続けなければ、スタートラインに立つこともできません。下村選手は、住宅建材の工場で働いています。練習は、仕事を終えたあとの午後7時から午後9時までの2時間と限られる中でもふるさとで開かれるびわ湖毎日マラソンにこだわって、毎年、出場してきました。“ミスターびわ湖”とも言えるランナーは「堅実な走りと粘りでしっかり帰ってくる」がモットー、これまでの17回はすべて完走しています。18回目、びわ湖が舞台となる最後のレースへの思いを聞きました。

 

shimomura4.jpg下村悟選手(46)

Q.大会を前にした気持ちは?

やることは毎年変わりませんが、特にことしは、びわ湖のコースで行われるのが最後ということが決まり、自分のことを振り返るようなことがありました。自分の走ってきたことを思い出しながら最後集中して高めていきたいと思っています。マラソン自体は、全部で38回目になりますが、自分が一番よく出ているのがびわ湖毎日マラソンですし、特に地元で出場できることがすごく目標となりました。先輩方が出てて、そのうえで自分が走ることになって、継続して走っていることが自分で誇りに思えています。その中でいろんなことがあったなって思っているところです。

 

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Q.びわ湖毎日マラソンでの思い出は?

マラソンという面ではまだまだ経験不足の中、2003年に初めてびわ湖毎日マラソンに出場したときは2時間23分台でした。そこから20分切りを目指し、翌年、2004年には自己ベストの2時間19分39秒を出せました。さらにその上を目指して2時間15分台を目標にやっていたんですけど、自分の力不足や体の故障、仕事の環境がクラブチームという中で、納得いくような練習ができないことがだんだん増えてきて、難しさを感じていました。その中で、2007年に最高順位となる29位に入ることができたのが印象に残っています。自分としては堅実な走りでしっかり帰ってくるというのがモットーなんです。序盤踏ん張って、後半しっかり帰ってくるというレース運びを目指していました。上位陣が暑さでやられていく中で、自分自身はモチベーションを上げて、後半ペースを維持して順位を伸ばしていき、帰ってきたらびっくりするような順位だったんですけど、そういうことがよかったです。

【注目ポイント】2007年大会は、気温が23度5分まで上がる中、出場152人のうち62人が棄権する過酷なレースとなった!

 

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 Q.なぜ、びわ湖毎日マラソンに出続けるのか?

意識しだしたのは40歳くらいのときです。トラックレースでの低迷もあって、自分自身がモチベーションを失うような時もありました。その中でマラソンだけ別の感覚で走り続けられている感覚がありました。地元でこんなに大きい大会に出られなくなるのもさみしいという思いもあって、参加資格をずっと維持することが1つの目標になりました。エリート選手の大会に出られているということも自信や誇りになってきて、50歳や出場20回を目指すという目標を立てて、1年1年勝負してきました。

 

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Q.びわ湖が舞台となる最後のレースへの思いを聞かせてください。


陸上を始めてから初めて知った大きな大会で、今回最後になりますが、そこまで携われたというのはすごくうれしいですし、しっかりスタートラインに立って、みなさんに応援してもらえるように自分の走りを見せ、自分自身が納得できるように帰って来られたらなと思っています。若さや勢いはありませんが、経験とか、スタミナとか、自分の地の利を生かした走りで、とにかく粘って帰ってくるという自分の信条を表現できたらと思っています。

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下村選手は「目をつぶっていても走れるくらいコースが頭に浮かぶ」とも話してくれました。半世紀を越える歴史の中で、のべ8000人あまりが駆け抜けてきたびわ湖毎日マラソン。優勝して歴史に名を刻むのはただ1人ですが、それ以外のすべてのランナーも、それぞれの思いを刻みながら駆け抜けていきます。

(取材/大阪放送局報道部スポーツ 林 憲 ディレクター)

 

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      https://www.nhk.or.jp/rr/biwako/

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