スポーツ

2017年03月30日 (木)

三塁コーチャー

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野球の試合はグラウンドでプレーする9人だけでなく、それ以外の多くの選手が関わっています。

三塁コーチャーもその1人です。

 

高崎健康福祉大高崎高校と福井工大福井高校との2回戦は、

延長15回、7対7で決着がつかず、再試合になりました。

互いにチャンスは幾多も訪れたものの、どちらのチームも決めきれませんでした。

工大福井の最後の攻撃となった15回表2アウトの場面。

3番バッターの佐藤選手はセンターへの値千金のスリーベースヒットを打ちました。

ボールは外野から三塁へ送球されましたが、サードが後逸。

それを見た佐藤選手は、すかさずホームに向かいます。

しかし、そらしたボールの先にはカバーの選手がいました。

佐藤選手は3塁とホームの間でタッチアウト。勝ち越しのチャンスはついえました。

 

佐藤選手は試合後、この場面について

「カバーが入ることが頭に入っていなかったのと、

 三塁コーチャーが手を回しているのを見て、ホームに向かってしまった」

と振り返りました。

そして三塁コーチャーの近藤選手は

「止めておけばよかった。そらしたのを見て反射的に手を回してしまった」

と肩を落としました。

彼は北信越大会から三塁コーチャーを務めていたといいますが、

大一番でその役割の重要性を痛感する結果となりました。

 

翌日の再試合は前日の試合と打って変わり、

一時は10点離されてしまう一方的な展開になってしまいました。

9回表、1アウト一塁三塁の場面で近藤選手が代打で出ました。

きのうのミスを晴らすべく打席に向かいます。

結果はショートゴロでしたが、その間に三塁ランナーが生還し、

最低限の仕事は果たしました。

しかし、その直後。

アウトカウントを2アウトだと勘違いしていた近藤選手は

続くバッターのサードフライで飛び出してしまい、

アウトになってしまいました。

ここで試合終了となり、工大福井の春は終わりました。

引き分け再試合となる激戦を戦いぬき、どこか清々しい様子だった選手たちのなかで、

近藤選手は1人沈んでいました。

彼は「前の試合と同じように、自分のミスで終わらしてしまった」とうつむきながら話しました。

 

高校野球はレギュラーの力だけでは勝てません。

控えの選手の行動、プレーが時には勝敗を左右します。

近藤選手は下を向きながらも、声を振り絞るように

「夏までに基本に立ち返り、次はスタメンとして戻りたい」と語しました。

 

二度のミスをしてしまった近藤選手。野球は3アウトで交代です。

今後、「二度あることは三度ある」のか、

それとも「三度目の正直」でこのミスを乗り越えるのか、

その答えを夏に知りたいと思います。

 

(センバツ取材班・佐藤惠介)

 

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第89回選抜高校野球大会HP

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