連続テレビ小説「スカーレット」

特集記事

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2

2020年1月20日(月)

すごく幸せに満ちあふれた空間でした(大島)
いい意味で変わった部分と変わらない部分を感じました(林)

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 -喜美子と照子と信作。幼なじみ三人で飲み明かし、昔話に花を咲かせたシーンについて、収録時のエピソードやご感想を教えてください。

大島さん「場所が喜美子の部屋ということもあったと思うのですが、とても幸せに満ちあふれた空間だったなということを、撮影が終わったあとにすごく感じました。成長してもお互いに共有できる部分があって、大人になるのも悪くないなと思いました。私たち三人は実年齢が近いのですが、ちょうどこのシーンの三人が今の私たちの年齢に近いので、私自身の実生活にも響くものがありました」

林さん「三人での長いシーンは久しぶりでしたが、よい意味で変わった部分と変わっていない部分を感じながら楽しく撮影しました」

大島さん「三人のシーンは自然と同級生感が出て、お互いに呼吸を感じ取ることができるんです。毎回、三人それぞれが大事に演じているのが分かり合えるんです。何をやっても大丈夫という信頼感もあります。事前の打ち合わせは物理的なことを決めるぐらいで、感情や間など、そういったことは全く打ち合わせしないんですよ」


喜美子にとっての照子は妹。信作とは亡くなったお兄ちゃんがつなぐ仲(大島)
幼なじみであり、紛れもなく家族であると感じます(林)

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 前回のインタビューで、「信作は喜美子と照子の弟分的存在」とお二人ともおっしゃっていましたが、三人の関係性に変化はあったと思いますか?

大島さん「照子は亡くなったお兄ちゃんのことを思い続けているのですが、信作がそのことを一度、『つらい』と言ってくれたことがありました。それでもやっぱり信作の中にもお兄ちゃんの存在が残っているので、お兄ちゃんが照子と信作をつないでくれていると感じています。信作の心の中にもお兄ちゃんがいるから、"お兄ちゃんの弟"みたいな気持ちでいてくれているのかなと。
喜美子にとっての照子は"妹"なんだと思います。照子は喜美子に出会ったころから、喜美子のことが大好きだという思いは変わっていないと思います。ハートに矢が刺さったというか、照子のわがままに喜美子の包容力がパズルみたいに組み合わさったんだと思います。喜美子は最初、『なんやこいつ』と思っていたと思うのですが(笑)、照子のことをかまわずにはいられなくなったんでしょうね」

林さん「お互いがそれぞれの人生を歩み、年を重ね、いろんな変化がある中で、唯一変わらない関係性なんだと思います。幼なじみでもあり、紛れもなく家族であると感じます」


変わらない喜美子を核にして照子の変化を演じています(大島)
人生の中での変化を頭で考えず感覚で演じています(林)

-15歳から30代にかけて演じる中で、変わった部分、変わらない部分など、どのような思いで演じていらっしゃいますか?

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 大島さん「照子の変化が時代の移り変わりを反映している部分があると思っています。照子は京都の短大に行って信楽の外の世界を知り、結婚して、お父さんを亡くし、子どももたくさん産んで容貌も価値観も変わっていきます。喜美子も大阪に行き、結婚して子どもも産んでいますが、照子に比べて芯の部分は変わらないんですよね。そんな二人の対比を意識しながら演じています」

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 林さん「信作は、頭で考えず感覚で演じている部分が多いです。人との出会いや経験で考えや価値観が変わったり、突拍子もないことを言いだしたり、時にはその変化も一時的なものでしかなかったり(笑)。水橋文美江さんの脚本にはそういった人間の変化が丁寧に描かれているんです。それぞれの登場人物らしくないと思うような言動に、逆にリアルを感じることもあります。長い人生の中で人が変化していく様子が非常におもしろいと思うので、なるべく頭を柔らかくして、そういった部分を大切に演じています。特に信作は、いわゆる普通の人生を歩んでいる人間なので、信作の身の回りに起きているであろう出来事のイメージをめいっぱい膨らませて演じています」


猫をかぶった照子を見守ってくれる二人がすごく好き(大島)
照子に柔道で闘魂を注入してもらったシーンを想像していただければ(林)

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 -幼なじみ三人、または照子と信作二人のシーンで特に印象に残っているシーンはどこですか?

大島さん「結婚して間もない照子が敏春さん(本田大輔)の前で『おすいか、おぶどう』と言って猫をかぶっているシーンですね。あの時の喜美子と信作の二人の表情、たたずまいがすばらしかったです(笑)。幼なじみだから、ことばにしないで見守っている感じがすごく好きでした。そのあと、三人で食堂に行って話すシーンも、会っていない時間さえもお互いのことを思っていたし、分かり合えているということがにじみ出ていて、好きです」

林さん「珍しく八郎(松下洸平)と照子といたシーンが印象深いです。柔道で喜美子を投げ飛ばすくらい強い男なら百合子(福田麻由子)との結婚を許すという話を聞きつけた信作が、照子に柔道で闘魂を注入してもらい、そのあと、ボロボロになって「SUNNY」に帰って来るのですが、そのシーンは、楽しかったです。八郎との変わらない関係性や「SUNNY」でのみんなのコミカルなやりとり、そして描かれていない柔道シーンを視聴者の皆さんが想像して楽しんでいただけたのなら、うれしいです」


初めて「喜美子を頼んだね」という気持ちになりました(大島)
信作は我慢をしない喜美子のことがきっと好きなんだと思います(林)

-照子と喜美子、信作と喜美子の関係性が表れたシーンはどこだと思いますか?

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 大島さん「照子が常治さん(北村一輝)の病気を知ったとき、喜美子ではなく八郎さんに言ったのが意外でした。照子だったらそのまま喜美子に言いそうだなと思ったのですが、やっぱり喜美子を大事に思うがゆえに言えなかったんでしょうね。照子はためることができない性格なのに、ためて、ためて、ひとりで苦しんで。あの時、初めて八郎さんに『喜美子を頼んだね』という気持ちになりました。それまでは八郎さんのことを『ええ男やん』と言いながらも、喜美子のことを託す、という気持ちにまではなっていなかったんです。でもあの局面で照子は、喜美子を思うあまり、八郎さんに伝えたんだと思います」

喜美子の幼なじみ 熊谷照子役 大島優子さん・大野信作役 林遣都さんインタビュー2 林さん「『今の喜美子は喜美子やない』と言ったシーンについてですが、信作も喜美子と同じく感覚で動く人間だと解釈しています。なので、セリフに込められた思いを深く整理するというよりは、誰より、昔から喜美子という女性を見てきた信作だからこそ言えることばなんだと思い、大事にしたいと考えました」