連続テレビ小説「スカーレット」

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十代田八郎役松下洸平さんインタビュー

2019年12月 7日(土)

"朝ドラ"ファンの母親によい孝行ができたと思います
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -『スカーレット』に出演が決まったときのお気持ちを教えてください。

「母が"朝ドラ"が大好きで、毎日楽しみに見ているんです。そんな母の影響もあって、ここ数年、"朝ドラ"のオーディションを受けていたのですが、なかなかご縁がなく。実家に帰るたびに『"朝ドラ"出ないの?』と聞かれていたので、今回、出演が決まったことを伝えたときの母親の喜びようといったら。いい親孝行できたなと思いました。

僕は今までテレビよりも舞台を中心に活動してきましたので、脚本の水橋先生はじめ、僕をこのような大きな作品にキャスティングしてくださった方々には感謝しかありません。出られただけでもうれしいのに、こんなにもたくさんの出番を作ってくださって、本当にありがたいです。

撮影初日は信楽ロケだったのですが、『今自分は"朝ドラ"に出ている!』と思うと、いつもの現場の2倍くらい緊張してしまいました。セットでの撮影の初日も、作品は違いますが、ずっと見てきた"朝ドラ"の、まるで自分がそこにいるかのように錯覚するほどリアルなセットを目の当たりにして、また、『今自分は"朝ドラ"に出ている!』と思って、緊張しました。

キャストのみなさんもスタッフのみなさんも優しい方ばかりなので、今はとても楽しく撮影させてもらっています」


まっすぐで真面目で人に対する愛情も人一倍ある人
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -十代田八郎という役をどのように捉えられていますか?

「8人兄弟の末っ子として生まれた八郎は、親を早くに亡くし、兄弟も2人、戦争で亡くしています。身近な人の死を経験する中で、人一倍、自分がどう生きるべきか考えた人だと思います。八郎は、祖父が大切にしていた深野心仙先生(イッセー尾形)の日本画を、戦争中やむをえず売ってしまい、白いごはんと卵に変えてしまったという過去がありますが、八郎の芸術に対する情熱というものは、ひょっとしたらその瞬間に火がついたのではないかと考えています。そんな経験があったからこそ、人の心を、時には人生までも動かすような物作りをしたいと強く思っているんでしょうね。このように、八郎という人間がこれまでどう生きてきたか、をよく考えるようにしています。

まっすぐで真面目で、何事にも誠意を持って一生懸命取り組む八郎は、人に対する愛情も誰よりもある人なんです。ひとたび、人を愛したときの八郎は、どうしてこんなにまでもまっすぐに立ち向かえるのか、僕もこういう人でありたいと日々思うほどの誠実さなので、ぜひ、これからの八郎にご期待ください。

商品開発室に鍵がないことを忘れて、鍵を探してしまうというような、抜けているところもありますが、多少のどんくささには、目をつぶっていただけたらと思います(笑)」


物作りに没頭してしまうところは自分と似ているかもしれません
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -ご自身と似ている部分はありますか?

「母が絵を描いている人だったので、子どもの頃から絵を描くのが好きでした。気づいたら、飲まず食わずで、4、5時間、作品づくりに没頭してしまうというところは、似ているのかもしれません。僕は高校が美術科で、油絵を専攻していたのですが、当時、何度か陶芸もやったことがありました。ですが、ここまで本格的に習ったのは初めてで、5月くらいからみっちりとお稽古させていただいています。やればやるほど、楽しくて、難しくて、自分の世界をひとつのものに込めていく作業にすっかり魅了されています。

そして、実際に陶芸をやってみて思ったのは、大変な力仕事だということ。とてもじゃないけど、女性が簡単にできるものではないなと感じました。だからこそ川原喜美子は、当時珍しかった女性陶芸家として名をはせていくわけですが、重い粘土を一日に何百回も練って、朝から晩まで造形していく陶芸というものは、本当に体力勝負の仕事なんだなとつくづく思いました」


こんなに頭のいい女優さんはいないと思うほどプロフェッショナル
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -ヒロイン喜美子役戸田恵梨香さんの印象を教えてください。

「あんなに頭のいい女優さんはいないと思います。理論立てて物事を整理する力をお持ちなうえに、最終的には感情で動く方。理想的な芝居への取り組み方だと思います。
僕はずっと舞台をやってきたので、1か月かけて戯曲を読み解くという脳みそなんですが、戸田さんは、前後もきちんと考えながら、今この瞬間をどう動くべきかをとっさに判断されるんです。そういう瞬発力は、第一線で映像のお仕事を長く続けてこられたからこそ、身につけられた技術なんだなと思いました。
でもたまに戸田さんが、『思ったとおりにできない』と思ってらっしゃるかな?と感じたときは、僕が感情優先で動きを変えてみるんです。するとすぐに感情で返してくださって。本当にプロフェッショナルですね。
一緒にお芝居させてもらって、とってもやりやすいですし、すごいなと思います」


絵を想像して描いてきてくれるなんて、そりゃ好きになるわ!(笑)
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -八郎は喜美子のどんなところを好きになったと思いますか?

「八郎の話を聞いて、深野先生の絵を想像して描いてきてくれるなんて、『そりゃ好きになるわ!』と思いました(笑)。 川原さんは絵付けをしていて、八郎は陶芸家を目指していて、職種は違うけれど、仕事への思いに共感してくれたり、夢を聞いてくれたり。そのうえに、陶芸に対しても興味を示してくれるわけですから、それはうれしいですよね。
それに喜美子は仕事に対する考え方がとても真面目。八郎がやかんを『ついでだから』を持って行ったとき、きちんとお礼を言ったあとで、『ほやけどもうしんといてください。仕事ゆうのは甘えが入ったらあきません』って言うんですよね。すごくかっこいいなと思いました。
松下洸平自身としては、すごくベタなんですけど、関西弁の女の子にキュンキュンしています(笑)。なかでも『ヤバイ、めっちゃかわいい!』と思ったのが...(次回インタビューに続きます!)」


喜美子と八郎の初々しい恋の行方にご期待ください。
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー -最後に視聴者にメッセージをお願いします。

「八郎が登場したのは第8週からですが、それ以前の台本も拝見していて、『なんておもしろいんだ!』と家でひとりで笑いながら読んでいました。関西独特のボケとツッコミの応酬をこれからもご堪能いただけたらと思います。もちろん、それだけではなく、喜美子と喜美子を取り巻く人々の懐の深い人情の部分も魅力です。『スカーレット』最高ですよね(笑)。
十代田八郎役松下洸平さんインタビュー 喜美子と八郎のシーンで言うと、男女が一緒に陶芸をする=彼氏が幽霊になって出てくるあの有名な映画を思い出される方も多いと思うのですが、そうならないように、とはいえ、この時代にふさわしいドキドキ感が出るように、と戸田さんと話し合いながら、微妙な距離感を大切に初々しく演じているつもりです。今後の喜美子と八郎の恋の展開にもぜひご注目ください」


【スカーレット(緋色/ひいろ)にちなんで、好きな色を教えてください】
「青です。曇りよりも晴れの方が好きなので。気持ちが晴れやかになります。僕は山ばかりの田舎出身なので、海への憧れがあるんです。青は海の色、水の色だからということもあるかもしれません」