連続テレビ小説「スカーレット」

今週のきみちゃん

今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」

2019年11月 9日(土)

ヒロイン・喜美子役の戸田恵梨香さんが、毎週の放送の中から印象に残ったシーンやエピソードについて語ります。


信作の変貌ぶりに衝撃を受けました
今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」 父・常治(北村一輝)から、母・マツ(富田靖子)が倒れたと連絡を受けた喜美子は、3年ぶりに信楽に帰郷。偶然、道で出くわした幼なじみの大野信作(林遣都)は、女子高生たちに取り囲まれ、ラブレターを渡されるほどのモテ男に変貌していました。

「信作の変わりぶりには衝撃を受けました。台本を読んだ時から、信作が女の子たちに向かって言う『このぉ~!』というセリフなどを、林さんがどんな風に言われるのか楽しみにしていたのですが、私の想像をはるかに超える、斜め上の表現でした(笑)。『スカーレット』のPR番組で林さんが『こういう役だと決めつけないで演じています』とおっしゃっていたのを見たのですが、『なるほど、そういうことか』と納得しました。信作がいるだけでみんなが笑顔になるんですよね。そんな信作を演じている林さんのことを、現場ではみんなで『天才』と呼んでいます(笑)。

これだけ衝撃的な変貌を遂げた信作に対して、喜美子はあまり違和感を抱くこともなく『ほな、今度聞くな』と受け流しているんです。それがまたこの2人の関係のおもしろさですよね。照子(大島優子)も含めて、絶妙な幼なじみ3人組だと思います」


自分を犠牲にしても家族を支える喜美子の姿勢に泣けてきました
今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」 病院代が払えないほどに、川原家の借金がかさんでいることを知った喜美子は、荒木荘で働きながら学校に通うという夢を諦め、信楽に帰って働くことを決意。その気持ちを、荒木さだ(羽野晶紀)、大久保のぶ子(三林京子)、田中雄太郎(木本武宏)に伝え、思い出いっぱいの荒木荘を去るのでした。

「自分の夢をあきらめて家族を支えるのか、家族をフォローしながらも自分の夢も見続けるのか。人生の大きな決断を突然迫られることになった喜美子は、信楽から大阪に帰る汽車に乗っている間、たった半日ほどで、その大きな選択をしたんだと思います。これまでの人生でもたくさんのことを犠牲にしてきた喜美子。子どものころからずっと、一番大切なのは家族を支えることなんだ、という喜美子の姿勢があまりにけなげで、泣けてきました。

新聞社から引き抜きの話を受けた時、お父ちゃんに相談しようとした喜美子に、ちや子さんは『自分の人生やで、自分で考え』って言ってくれました。その言葉にはっとした喜美子でしたが、現実は厳しくて。やっと夢を見つけた喜美子だっただけに、それはつらかっただろうなと思います。でもそんな悲しみも投げ飛ばしちゃうくらいに、信楽に帰って喜美子は笑顔を見せるので、この人の強さはいったいどこからくるんだろう、と不思議に思うくらいでした。本当にかっこいい人だなと思います。
今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」 荒木荘を離れる決意を、さださん、大久保さん、雄太郎さんの3人に伝えるシーンはとても印象に残っています。
ふと隣を見ると、演じている木本さんが、ぼろぼろ涙を流していたんです。カットがかかったあと、木本さんに尋ねたら、『恵梨香ちゃんがあんな芝居するからやん』っておっしゃって(笑)。私のお芝居がちゃんと届いたんだなと思ったのと同時に、荒木荘のメンバーがしっかりつながっていることを再確認できてうれしかったです。ちょうどこのシーンを撮っているとき、母が見学に来ていたんです。話の前後をまったく知らない母までもが泣いていて。荒木荘のメンバーとこれまで一緒に積み重ねてきた時間ってすごいんだなと思いました」


桜庭さんと直子は正反対なのかもしれません
今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」 3年ぶりに信楽に帰ってきた喜美子を迎える14歳になった川原直子を桜庭ななみさんが演じています。

「桜庭さんはとってもキラキラしているんです。私が桜庭さんと同じ27歳ぐらいのころなんて、健康や老後のことを考えていましたから(笑)。桜庭さんはそんな感じはまったくなく、すごくピュアなので、見ている私が清められるくらいです(笑)。そんなピュアな桜庭さんなので、ご本人は気が強くてお父ちゃんにもかみつく直子とは正反対なのではないかと思います。
直子の反抗心はただの思春期からくるものではなく、空襲の時にはぐれてしまったという子どものころのトラウマがあって、『自分のことをちゃんと見て欲しい』という自己主張ゆえの反抗なので、そこを表現するのは難しいだろうなと思います。ひょっとしたら川原家三姉妹の中で、一番演じるのが難しいキャラクターかもしれません。その直子を桜庭さんは楽しそうに演じられているので、すてきだなと思って見ています」


荒木荘の妹的存在から川原家のしっかりした長女へ
今週のきみちゃんVol.7「喜美子、大阪から信楽へ」 川原家の三姉妹、喜美子、直子、百合子(住田萌乃)は、久しぶりに枕を並べて寝ています。いまだ空襲の夢にうなされる直子の手をつなごうとする喜美子。結局、起きてきた百合子の3人で、楽しいことを語りながら手をつないで眠りにつきます。

「妹たちの面倒をずっと見てきた喜美子なので、どうしてもお母ちゃんのような気持ちになってしまうんです。その感覚が喜美子として正解なのか分からなくて、このシーンは特に距離感が難しいなと思いました。でも大阪で働いて、いろんなことを学んできた強い喜美子だから、お母ちゃんの気持ちになるぐらい達観している部分はあるんだろうな、とも思いました。

荒木荘にいるときと信楽に帰ってきてからの喜美子はキャラクターが真逆なんです。荒木荘で、いろんなことを教えてくれる大人の人たちに囲まれていた時は、妹的存在でいられた喜美子。でも信楽に帰ってくると、妹たちから頼りにされる長女なんです。その立場の違いを演じわける難しさと楽しさを感じていました」