旬の人・時の人

2019年10月07日 (月)

給水塔愛好家 小山 祐之さん

 

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 小山さんは、全国の団地に設置された給水塔の姿に魅せられ、訪ね歩いています。今年で11年目、北海道から沖縄までおよそ700基を確認しました。その中から厳選したものを選び「団地の給水塔大図鑑」を出版しました。

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給水塔の形は様々です。細長く伸びた四角い箱型のもの、とっくりのような形、円錐型の塔の頂上に丸い水槽が乗っているものなど実に多様です。団地の給水塔は、戦後、各地の団地建設に伴い次々につくられました。ピークは昭和40年代の高度成長期だということです。
観光名所でもない給水塔の場所を探すのは容易ではありません。小山さんは図書館などで「公団団地一覧」をもとに住所を調べたり、航空写真で探したりします。団地の中に細長い影があると、給水塔ではないかと目星を付けるそうです。普段は会社に勤めながら休日になると撮影に出かけます。
小山さん一押しの沖縄市の県営古謝団地の給水塔は、とてもユニークな形です。設計事務所のHPで見つけたそうですが、箱を重ねたトーテムポールのようにも見えます。遊び心を感じさせるデザインですね。

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住民の人たちにとっては、日常的な風景に過ぎない給水塔ですが、中にはとても愛着を持たれている給水塔もあります。千葉県舟橋市の若松2丁目団地」の給水塔には、壁面に宇宙遊泳をする宇宙飛行士や地球、ロボットのイラストが描かれています。ベルギーの壁画家を住民が招き、団地内に住居も提供して描いてもらった作品です。タイトルは「空の征服者」。制作のため夏祭りの日程をずらすなど、住民も協力し完成を楽しみにしたそうです。壁画には子供たちの名前も書かれているそうです。

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小山さんによると、これまで撮影した給水塔も、少なくとも200基は取り壊されたそうです。次は会えないかもしれないから、しっかり記録に残したい。小山さんは、給水塔のある風景を記録することは、「時代の風景」を残すことだと考えています。

 

 

 

 

 

 

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