旬の人・時の人

2019年06月04日 (火)

大阪大学教授 福永 伸哉さん

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  大阪府南部の「百舌鳥・古市古墳群」が、世界文化遺産に登録される見通しとなりました。「百舌鳥・古市古墳群」は、堺市と羽曳野市、藤井寺市にまたがる二つの古墳群で、宮内庁が「仁徳天皇陵」として管理する国内最大の前方後円墳など4世紀後半から5世紀後半ころに造られた49基で構成されています。大阪府からの登録は、これが初めてになります。

  ユネスコへの推薦書の原案作成に携わってこられた大阪大学教授の福永さんは、「4度目の挑戦でようやく決まったが、研究者や地元の人たちの協力、努力が報われた。古代王権を研究する者として長年注目されてきた古墳群が認められ本当に嬉しい」といいます。

 

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  古墳群を航空写真で見ると、住宅が密集する町のあちこちに、あたかも海に浮かぶ緑の島のように、古墳が点在しています。これほど生活圏と密接に存在する墳墓は、世界的にも珍しいそうです。登録の決め手となるポイントを伺うと①比類なき巨大性と②秩序ある多様性をキーワードとして挙げられました。比類なき巨大性というのは、仁徳天皇陵など巨大墳墓の存在。そして、その近くに前方後円墳や小さな方墳、円墳、ホタテ貝型古墳が点在し、それらが秩序ある多様性を形成している。形や大きさの多様性は大王を頂点とする王権の構造を示しているのではないかということです。
 世界遺産登録をきっかけに、訪れたいという人も増えると予想されます。福永さんにおすすめの古墳は、いたすけ古墳(百舌鳥古墳)と古室山古墳(古市古墳群)を教えていただきました。堺市にあるいたすけ古墳は、住宅地の中の池に浮かぶ小島のような前方後円墳です。
昭和30年代、住宅開発のため破壊されそうになりましたが、市民運動によって保存されることになりました。藤井寺市にある古室山古墳は、散策することができます。後円部の頂上が標高39メートルあり、上がると視界が広がり眺めがいいそうです。
 福永さんは、1600年もの長い時を経た古墳群を、次の1000年を見据えて維持し伝えていくことが何より大事だと考えています。

 

 

 

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