旬の人・時の人

2019年04月16日 (火)

能楽師 松野 浩行さん

 

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「高砂や この浦舟に 帆を上げて~」の一節は、かつては結婚披露宴の定番とも言われ、多くの人が耳にされたことがあると思います。ところが最近では、披露されることも減り若い世代では知らない人も増えているということです。
そこで、「高砂」を謡うことで能の魅力を広く知ってもらおうと、能楽師の松野浩行さんは、「高砂」を大勢で合唱する「大連吟」に取り組んでいます。なぜ大連吟を思いついたのか伺うと、年末に各地で行われる交響曲「第九」がヒントになったそうです。
一人や少人数で、謡をするとなると敷居が高く感じますが、多くの人が集まって謡えばプレッシャーもなく気軽に挑戦してもらえると考えたのです。

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取り組みを始めたのは2008年、4人の仲間と実行委員会を立ち上げテキスト等を準備しました。地元の新聞が紹介したこともあって、初回は小学生から80代の人まで120人が集まりました。稽古を重ねた参加者たちはその年の12月、京都のホールで大連吟を披露しました。西洋音楽のように指揮者がいないなか、出だしは緊張したそうですが、結果は大成功に終わりました。
その後、寺院や能楽堂で開催を続け、多いときには200人もの大連吟になりました。
参加者の感想は、「ストレス解消になった」「散歩をしながら練習を続けている」「娘の結婚式で謡った」など様々。中には本格的に謡を習い始めたひともいます。
姿勢を正し、挨拶の後、腹から大きく声を出した「高砂」を謡うと、とても気持ちがよいものです。
京都市では体験学習の一つにもなり、松野さんは、150人を対象に稽古をつけて、大連吟を行う予定です。大連吟の取り組みを通して能の魅力を伝える活動はこれからも広がりを見せていきそうです。

 

 

 

 

 

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