旬の人・時の人

2019年03月01日 (金)

能楽観世流シテ方 大槻 文藏さん

 

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 戦後日本を代表する哲学者、梅原猛さんが亡くなりました。梅原さんは幅広い分野で独創的な探求を続けました。文学や芸能にも造詣が深く狂言や能の執筆にも取り組みました。
能楽観世流シテ方で人間国宝の大槻さんは、梅原さんの環境破壊をテーマにした作品・スーパー狂言「ムツゴロウ」で、シオマネキの怨霊の役で出演しました。その縁で、能の作品も書いてほしいと依頼したところ、梅原さんは「能は難しくて書けないよ」と言われたそうです。
その後しばらくすると「世阿弥が僕に乗り移ってきた。これから能の研究をする」と言われたので、大槻さんは能の舞台映像を300本を送りました。
その後完成した作品が、「河勝(かわかつ)」です。河勝とは、推古天皇の時代に聖徳太子の側近として活躍した秦河勝のことで、聖徳太子亡き後、播磨に流され亡くなったと伝えられています。あらすじは、「平成の京都に、怨霊に強い関心を持つ男がいた。男は赤穂に向かい、河勝が祀られている神社を訪ねる。すると神主と名乗る老人が聖徳太子亡き後、流罪となった河勝が怨霊となって恐れられていると話します。しばらくすると本物の神主が現れ先ほど男が会った老人は、河勝の亡霊だと言いました。それを知った男は怨霊の怒りを鎮めようと聖徳太子の霊を呼び出してくれと神主に頼む…」というストーリーです。

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大槻さんは渡された作品を見て驚いたそうです。時代は平成の現代、セリフもト書きも今の言葉。男が赤穂に向かうときは新幹線に乗ります。発車ベルも舞台で出してくれと言われました。大槻さんは発車ベルを笛で表現したりセリフを七五調に直したりと、全体に演出を加えて作品を完成させ、大阪城西の丸庭園の「大阪城薪能」で「河勝」を初演しました。
物語では、聖徳太子の霊が「和を以て貴しとなす」と諭すと河勝の怨霊は鎮まり人々を守る神となります。大槻さんは「怒りや怨みを募らせるよりも、それらを飲み込み”和”を目指すべきだ」という梅原さんの思いを感じたそうです。

 

 

 

 

 

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