2019年02月27日 (水)
奈良県立橿原考古学研究所 主任研究員 鈴木一議さん
奈良県明日香村にある小山田古墳が、飛鳥時代の国内最大規模の大きさだったことが奈良県立橿原考古学研究所の調査で分かりました。
明日香村の石舞台古墳から北西におよそ1,5キロ。今は特別支援学校が立つ場所にある小山田古墳は四角い形が特徴の方墳で、大きいところでは、幅が80メートル以上ありました。これまでは幅がおよそ78メートルある千葉県の龍角寺岩屋古墳が最大の方墳とされてきましたが、今回の調査で小山田古墳が龍角寺岩屋古墳を越えて最大の規模があったと見られるということです。
小山田古墳の調査が始まったのは昭和47年。それから何度か調査が重ねられました。平成28年に横穴式石室が発見されました。そして今回、国内最大規模の大きさであることが分かったのです。
この大きな古墳には誰が葬られているのでしょうか。発掘調査を続けてきた橿原考古学研究所主任研究員の鈴木一議さんに伺いました。
一つは、天智天皇や天武天皇の父親、舒明天皇だとする説です。舒明天皇は百済大寺を作るなど天皇としての権威を高める政治を行い強大な権力を持っていた。そうした政治的背景や日本書紀の記述から、最初に小山田古墳に葬られ、後に別の場所に改葬されたと考えます。
もう一つは蘇我蝦夷だとする説です。日本書紀には、蝦夷は生前大小二つの墓を造った。蝦夷の墓を大陵、入鹿の墓を小陵と記されています。小山田古墳は、その大陵ではないかと考えます。墓の巨大さも大きな力を持っていた蝦夷が生前に築いたとされる墓と一致するとしています。
最近行われた現地説明会にも多くの人が訪れました。これまで発掘した場所は保護のため埋め戻されており、学校の敷地内であることから現在は見学できません。マナーを守っていただき、今後の研究や調査を待っていただければということです。
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