あの街この街

2019年05月13日 (月)

和歌山県 田辺市

 

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和歌山県田辺市は南方熊楠が人生の半分を過ごした町です。知人にあてた書簡には「物価易く静かにあり、風景気候はよし」と書いており、この地を気に入っていたようです。
JR紀伊田辺駅から徒歩で10分ほどの南方熊楠邸の隣にある「南方熊楠顕彰館」には、熊楠が残した資料や書物を管理されています。
熊楠の功績は民俗学や自然科学など幅広い分野の資料を収集し、そこからたどり着いた思想、例えば自然保護の思想などを世に広める努力をしたことです。
この春にリニューアルしたばかりの顕彰館ではこうした熊楠の功績を楽しみながら勉強することができます。
例えば熊楠が研究した変形菌(粘菌)の標本も好きなものを選んで顕微鏡で見ることができます。裸眼だとくすんだ色のホコリにしか見えないものが顕微鏡で見ると鮮やかな青やピンク色をしています。
顕彰館の方はこういったものに見て触れて熊楠に興味を持ってもらいたいと話していました。

 

さて熊楠は自分の研究だけでなく、田辺の名物なども沢山の人に知ってもらいたいと思っていたらしく、お世話になった人などによく贈っていました。そのひとつが「縄巻鮨」です。その名の通り縄でぐるぐる巻きにした棒ずし。なれ鮨の一種です。江戸時代に地元の寿司屋が考案した保存食で近年は作る人がいなくなっていたのですがこれを復元させた人がいました。地元で洋食屋を開いている赤堀展也さんです。

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縄巻鮨の作り方を記した書物を見つかったことで再現が可能になりました。作り方は塩締めにしたサゴシでマッシュポテトにした自然薯をはさみます。お鮨といってもお米は使いません。これをバランで包んでさらにそれをイグサの縄でぐるぐる巻きにしてお酢に四日間漬けます。仕込んで4日目のものを頂いたところ上品な魚の風味と生ハムのような食感がとても美味でした。

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この縄巻鮨は材料が手に入りにくいものばかりなので販売はしていません。田辺市を紹介する催しなどの際に提供することはあるかもしれないとのことでした。

 

 

 

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