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『おちょやん』の料理の舞台裏に迫る!料理指導・広里貴子さんインタビュー #1

おちょ簿

2013年秋から放送された『ごちそうさん』以来、NHK大阪制作の連続テレビ小説の料理指導を8作連続で担当している広里貴子さん。今回は、「これだけ時間的に長い祝言のシーンは初めてだった」という、みつえと福助の祝言に出された料理についてお話をお聞きしました。

 

料理でいかに時間経過を表現するかを考えました

 

“朝ドラ”で結婚式はとても大きなイベントなので、特に力が入ります。これまで他の“朝ドラ”の祝言のシーンでも料理を作ってきましたが、これだけ時間的に長いのは、『おちょやん』が初めて。なので、さらに気合いが入りました。

 

祝言での料理は、「本膳料理」というおもてなし料理で、いわばコース料理のようにお膳ごとに料理が変わるんです。最初のお膳では白みそのおつゆだったのが、次のお膳ではすまし汁になったり。

 

そこでお膳の料理や器を変えることで、時間経過を表現しようと考えました。

 

最初のお膳では、お煮しめや、酒のさかなになるお漬物などを漆器で出しました。鯛は引き出物なので、手を付けずに持ち帰ってもらうという設定です。

 

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時間が経過したことがわかるように、少し時間がたった設定のシーンではお客様のお膳には陶器にのった料理が置かれています。

 

新郎新婦はお客様のお相手でなかなかお料理に手を付けられず、食べられなかったお料理がお膳の前に並んで置かれているという設定です。視聴者の方に気づいていただけるといいんですが…(笑)。

 

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時間が経過するとお客様のお膳には陶器の器が加わり、新郎新婦のお膳の前にだけ料理が増えています。

 

杉咲さんの頑張りを見ていると「お母ちゃんになったろ!」という気持ちに

 

料理はほかにも酒のさかなになるおいしいかまぼこや酢の物なども作りました。大阪は仕出し料理の文化もあったので、大根を扇形に切ったり、にんじんを梅形に切ったりするなどおもてなし料理としての工夫もしています。たくあんの枚数は1枚だと、1切れ=人を切る、3枚だと、3切れ=身を切ると嫌われるので、必ず2切れずつです。

 

これまで8作品の料理指導を担当していますが、“朝ドラ”の撮影って役者さんは本当に大変なんですよ(笑)。だから、千代ちゃん役の杉咲 花さんとお話ししたり、頑張っている姿を見ると、撮影中のその期間だけでも「お母ちゃんになったろ!」という気持ちになります。数多くいるスタッフのなかでも、私が唯一、体に入って蓄積されるものを扱っていますから、添加物などのよけいなものを加えなくてよいなら、体のことを考えてできるだけ入れないようにしているんです。

 

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