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前田旺志郎さん「満州での経験を、どれだけ自分のこととして言えるかが大事だと思いました」

インタビュー

満州から帰国し、千代と一平にわびた寛治。寛治を演じる前田旺志郎さんは、このシーンをどんな思いで演じられたのでしょうか? 

 

満州でのことを想像して自分なりに日記にしていました

 

天海家で満州での出来事を話すシーンを撮影する前、満州について自分なりにいろいろ調べました。寛治は満州でこんな経験をしたんじゃないかっていうことを自分の言葉でノートに書いたりしたんです。書くと、実際に自分の身にあったことのように感じられる気がして、「今日から満州に行く」みたいな感じで日記のように書いていました。

 

ヨシヲさんとのことも、脚本にあったこと以外に色々な関わりがあっただろうと思って、想像を膨らませて書いたりしました。あのシーンでは満州で寛治がしていたであろう経験を、どれだけ僕が鮮明に自分のこととして言えるかが大事だと思ったので。リハーサル前から本番までの10日間は、毎日寝る前にその日記を読んで、目を閉じて想像していました。

 

毎日続けていると、不思議と本当に経験したことのように思えてくるんです。千代さんの大事な弟が亡くなったこと、千代さんと一平さんにあんなによくしてもらったのに恩をあだで返すことになったこと、何年も連絡しなかったこと…しんどいことばかりなんですけど、だからこそ感情の切り替わりもすごくて。そこにせりふが加わるとさらに拍車がかかるというか、感情の回転数があがりました。

 

でも、自分一人で気持ちを作るのは、なかなか難しいんです。人からもらう感情の大きさってすごくある。そういう意味で、杉咲さんと成田さんは僕がやりやすいように、僕の気持ちがまっすぐにつながるように考えて、現場にいてくださいました。本当にありがたかったですし、僕もそういう役者でありたいという思いも強くなりました。

 

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劇中劇は、本物の舞台本番前のような緊張感が!

 

劇中劇は難しいです。前田旺志郎が演じる寛治がいて、寛治が他の役を演じていることが、分かってはいても難しい。寛治ではなくて、前田旺志郎が舞台の役を演じそうになるんです。体をどう動かしたらいいのかが分からなくなって、すっごく窮屈になりました。脳の信号と体を動かす神経がつながっていないような感じなんですけど、でもストレートにつながるのも違うと思うし…。

 

劇中劇は本読みもしっかりやりますし、撮影とは別に喜劇の稽古の時間もとりますし、喜劇指導の先生にも指導してもらいます。そうすると、本当に舞台本番前のような緊張感になるんですよ。客席にいるのはエキストラさんだし、撮り直しもきくはずなんですけど、「なま物か!」というくらい緊張しました。舞台に出る前特有のアドレナリンが出るような緊張感があって、いつもの収録とは違う感覚になりました。

 

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