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星田英利さん「千之助は笑いに関しては、妥協できない人」

インタビュー

鶴亀家庭劇に加入したものの、劇団員たちを振り回してばかりの千之助。星田 英利さんは、どんな思いで演じられていたのでしょうか。

 

千之助の自分勝手に見えるふるまいは、劇団員たちのやる気をたきつけているんです

 

千之助は喜劇からは離れられない人間です。だから天海一座を抜けて、本当は寂しかったはずだし、自分を笑わせたら劇団に入ると言ったときも「千代、はよ笑かせよ!」とか「わざと笑ってもいいか」と思っていたはず。でも笑いに関しては、妥協できない人なのでなかなか笑わなかったんでしょう。

 

千之助が台本通りに演じないのも、妥協できないから。これからの喜劇は、アドリブに瞬時に対応していくのが一番の武器やと思っているんでしょう。本来ならきっちり台本通りにやったほうが楽なんですよ。千之助としては、台本を変えることの責任は大きいし、邪魔くさいこと。でもおもしろくないものをやっても、誰も得しないし、何よりお客さんに失礼じゃないですか。妥協してラインを下げてしまうと、どんどん下がっていく一方ですからね。

 

千之助は、自分が目立つために、好き勝手にふるまっているように見えるかもしれませんが、実はそうではないと思います。「もっと突き上げてこい!」と、劇団員たちのやる気をたきつけているんじゃないかな。とはいえ、劇団員たちを考えてのことではなく、周りが成長すれば、自分はもっと成長できると思っている。その相乗効果で見たことのない景色が見られるということが大事なんです。

 

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お客様のためにもがく姿は、自分と重なります

 

劇団員たちには横柄な態度をとっていますが、「お客さんに喜んでもらう」ことが千之助の一番の正義です。だから、台本で「客が~」っていうせりふは、「お客さん」に変えています。千之助はお客様に育てていただいている、食べさせていただいたから、「客」と呼び捨てにしないだろうと思ったからです。

 

僕自身、自分が出ているテレビや映画を見てくださった方々に「無駄やったな」って思われたくないんです。表現者としての矜持(きょうじ)は、僕自身も千之助と同じやと思います。

 

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