nanでnan?

2022年04月18日 (月)

保育園のおむつ持ち帰り なんでなん?

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4月から子どもが保育園に通い始めたという方もいらっしゃると思います。

保育園で子どもが使ったおむつを保護者が自宅に持ち帰らなきゃいけない地域もあるそうです。

なんでなん? 取材班が深掘りしました。

 

おむつは毎日持ち帰るけど・・・

京都市の認可保育園に子どもが通っているという女性。お迎えを終えた女性のかばんの中に入っているのは、使用済みのおむつです。着替えとおむつが一緒の袋の中に入っています。 

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 うんちのおむつは2年前から園で捨ててくれるようになりましたが、おしっこのおむつは持ち帰っていて家で捨てています。女性によると、子どもの健康管理のため、おむつを持ち帰ることになっているそうですが・・・

 女性

「(おむつの中を)見ないですね。わざわざ開いて、いいおしっことかうんちとか、ないです、全然。ショッピングモールとかでも捨てるところがあるのに、保育園っておむつ持って帰らなあかんねやって。まとめて捨ててくれたらいいのに」

 

おむつ持ち帰りには地域差も

おむつの持ち帰りには地域差があります。おむつの定額利用サービスなどを行っている会社が調べたところ、公立保育園がある自治体のおよそ4割で、保護者におむつを持ち帰ってもらっていました。こちらがその理由です。

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 最も多かったのが▼子どもの体調管理のためで43%、次いで▼ずっとこうしてきた、理由はわからない、が30%、このほか▼おむつゴミを保管する場所がない、▼予算がないといった理由もありました。

 

医師 おむつ持ち帰りはナンセンス

最も多かった体調管理ですが、便をチェックしたり、おむつの枚数を確認したりするということ。もともとは布おむつだったところからきているようです。もちろん体調管理は大事ですが、最近は紙おむつが多いので、わざわざ紙おむつを開けるという声はあまり聞きません。感染症に詳しい医師も、持ち帰らない方がいいと指摘しています。

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大阪小児科医会 藤岡雅司 副会長

「おむつの持ち帰りは、感染が心配されます。持ち帰らず、おむつを替えたら速やかに廃棄して欲しい。便に問題があれば保育士が連絡ノートなどを使って個別に保護者に伝えれば済むことです。持ち帰りはナンセンスです」

 

おむつ持ち帰りやめた自治体も

実際、最近は、おむつの持ち帰りをやめているところも増えています。枚方市の公立保育園は3月まで、保護者におむつを持ち帰ってもらっていました。子ども別におむつ用のゴミ箱を用意。保育士はおむつを替えた後、それぞれのゴミ箱に入れていました。

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保育士

「1人ずつ個別のものがあるので名前を確認して間違えないよう入れていくのは、神経を使ってやっていました。時間がかかってしまうので、その間、子どもを待たせることを気にしながら作業していました」

保育士にとっても負担が大きかったおむつの持ち帰り。しかし、枚方市では今年度から、園で処分するよう方針を変えました。きっかけは新型コロナの流行。おむつを介した感染が、心配されるようになってきたためです。

保護者

「園で処分してくれるようになって荷物が大分軽くなりました」

「すごく楽になりました。コロナの接触感染があるので、ひとまとめに捨ててもらった方がいいかな、衛生的にもいいかな」

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保護者が持ち帰らなくなったおむつは収集日まで園で保管する必要があります。このため新たにゴミ箱を設置。においがもれないよう、ふたが閉まるタイプです。枚方市が市内の公立保育園などに整備するのに101万円かかりました。

 枚方市公立保育幼稚園課 中道直岐課長

「これまでも要望はいただいていたが実現するにはゴミ箱の設置など予算的な対応も必要だということで、コロナ禍の感染症対策というところも含めてスタートさせていただいた」

 

おむつの園での処分 関西はまだ少数  

おむつを園で処分してくれるところは、関西ではまだまだ少ないのが現状です。

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 データは公立の保育園ですが、滋賀県では11%の自治体しか、使用済みおむつを園で処分してもらえません。全国で最も持ち帰りが多い県となっています。京都府は23%、大阪府は39%と、持ち帰りのほうが多いのが現状です。

ちなみに東京都では80%の自治体が園で処分しています。東京都では保護者らの要望もあって、この数年で急速に見直しが進んだということです。

処理費用の問題はありますが、コロナ禍での衛生管理という面ではもちろんのこと、働く親の負担を減らすという子育て支援の意味でも、改めて考え直す時期に来ているのではないでしょうか。

 

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