高校野球

2021年03月27日 (土)

砂場で急成長!? 智弁学園

 

春夏通じて初めての優勝を果たした5年前以来の準々決勝進出を決めた奈良の智弁学園。試合ごとに調子を上げている投手陣の成長の秘密は「砂場」でのトレーニングにありました。

目立たない投手陣



智弁学園は去年秋の近畿大会で強豪の大阪桐蔭を破って9年ぶり2回目の優勝を果たしました。切れ目のない打線で得点を重ね、近畿大会では1試合平均7点を取りました。その打線に比べて秋は少し目立たなかった投手陣は、センバツに向けて学校のグラウンドの隅でトレーニングを積んできました。

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グラウンドの隅にあるのは「砂場」です。小坂将商監督が野球少年だった頃、砂浜を走って足腰を鍛えてきた経験から、おととし夏に新たに設置されました。子どもが遊ぶ公園の砂場とは違って長さが30メートルもあり、投手陣は冬から春にかけて、ふんばりのきかない砂の上でジャンプを繰り返したりダッシュをしたりして、下半身の強化に取り組みました。

 

下半身強化で球威アップ


 

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背番号1のエース、西村王雅投手は大会前「地面が固くないので砂場はしんどいですが、練習した分、足が大きくなったように感じます。球の勢いが増したなと自分でも思います」と話していました。西村投手は先発した1回戦で、大阪桐蔭に5回まで得点を許さず、強力打線が先に大量リードを奪ってセンバツで優勝3回の強豪から試合の主導権を握りました。その後6点を失いましたが8回までふんばり、背番号10の小畠一心投手が9回を抑えて、2人の投手リレーで大阪桐蔭を初めての初戦敗退に追い込みました。

砂場効果で完投



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27日の広島新庄との2回戦は、小畠投手が先発しました。小畠投手は140キロ前後のストレートと打者の手元で小さく変化するツーシームで内野ゴロの山を築き、2失点で完投。力まずに砂場で鍛えてきた下半身をうまく上半身と連動させた投球で27のアウトのうち実に18を内野ゴロで取りました。試合後のインタビューで小畠投手は「砂場でのトレーニングはかなり足にきますが上半身だけで投げることは なくなってきました」と鍛錬の成果を実感していました。

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実は、西村投手も小畠投手も1年の夏に甲子園初戦のマウンドに上がっていますが、そのときは先発した小畠投手が4失点で3回持たずに降板し、3人目で投げた西村投手も3回2/3で3失点してチームは2点差で競り負けました。悔しい夏の後、互いにライバル心を持って競い合ってきた2人は1年半後の甲子園で、砂場で足腰を鍛えて成長した姿を見せ、さらに上を狙います。


センバツ取材班 松下周平記者

 

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