高校野球

2020年08月15日 (土)

球児を支え続けた母親の思い

1試合かぎりで憧れの甲子園の舞台に立つ高校球児たち。その夢を支えてきた親たちは交流試合でプレーした我が子の姿をどのような思いで見つめたのでしょうか。

【交流試合であっても“夢の舞台”】

「子どもと一緒に小さい頃から目指してきて、ようやくたどり着いた舞台。たとえ交流試合であっても、甲子園の価値は変わらない」。

oonishi1.jpg(写真:スタンドで見守る大西千晶さん)

そう話してくれたのは、大阪・履正社の3年生、大西※蓮選手の母、千晶さんです。石川・星稜との交流試合に臨んだ息子の姿を万感の思いで見守りました。

【手づくり弁当で支え続けた下宿生活】

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(写真:大西 蓮 選手)

兵庫県加古川市出身の大西選手。千晶さんの影響で幼稚園のときにソフトボールをはじめ、小学4年生で野球に転向しました。その後、甲子園出場を夢見て強豪の履正社に入学しましたが、選手の寮がないため、学校近くのアパートに下宿をして日々の練習に励んできました。一方、千晶さんは平日フルタイムで仕事をしながら、週末の休みには大西選手の昼ごはんの弁当を作り、多いときには、およそ2週間分作って冷凍、大阪に届ける生活を、この2年半、続けてきました。

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 「大変でしたが、親子で覚悟を決めていたし、子どもの夢を支えたいという思いは、みなさんが思っていること。私だけが特別ではありません」と千晶さんはけんそんします。

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交流試合の直前の練習でも息子のお気に入りである、だし巻き卵をふんだんに入れた弁当をいつも通り届けました。 

【夢の舞台でのプレーは】

星稜との試合。大西選手は、5番・ライトで先発出場。履正社が1回に先制したあと、チャンスで最初の打席に立ちました。実は大西選手、これが甲子園での初打席でした。去年のセンバツと夏の甲子園でメンバーには入っていましたが、出場の機会はなかったからです。結果は、セカンドゴロ。それでも、三塁ランナーを返し、2点目につなげました。このあと打席には4回、立ちましたがデッドボール2つとフォアボール2つ。残念ながら、ヒットは打てませんでした。大西選手は試合後、「本当はヒットを打ちたかった。でも、甲子園の舞台に立てて幸せだったし、その姿を母にも見せることが出来て良かった。ありがとうと伝えたい」と感謝の思いを口にしました。

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千晶さんは我が子のプレーについて笑みを浮かべながら「結果はう~んという感じですがチームの勝利に貢献できたし、ヒットを打っていたら満足していたかもしれない。息子は、これからも野球を続ける予定なので、このぐらいがちょうど良かったかもしれない」と語りました。センバツの中止で一時は遠のいた親子の夢。その舞台も終わったことを聞くと「いろいろあったので」と千晶さんは、言葉を詰まらせました。そして「交流試合の開催には本当に感謝しています。親にとっても、本当にひと区切りになりました」と涙ながらに話してくれました。

 【これからも我が子の成長を願って】

最後に「これからは少しずつ距離をとって息子を応援したいと思います。本人も次の夢に向かって、私も新たな一歩を踏み出したい」と前を向いた千晶さん。

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交流試合をきっかけに、多くの高校球児、親たちがこれまでの歩みに、ひと区切りをつけ、次のステージに踏み出そうとしています。 

【甲子園取材班 今野朋寿記者】

 

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