高校野球

2020年08月10日 (月)

病気を乗り越え夢の舞台に

高校野球交流試合、1日目の第2試合。

7回からマウンドにあがった、鳥取城北のエース・阪上陸投手。病気と闘いながら、地元の甲子園での1度きりの試合に臨みました。阪上投手は兵庫県で小学2年のころから野球に打ち込み、全国大会にも出場しました。しかし中学2年の冬、「尿細管間質性腎炎」という腎臓の病気だと診断されました。

【監督の後押しで鳥取城北へ】
「ハンデがあり、不安だった」。
そんなとき、知人から鳥取城北の山木博之監督を紹介されたことが、大きな転機となりました。練習を見学した際、監督から「病気のことも理解した上で野球部に入らないか」と声をかけられ、ふるさとを離れて鳥取へ行くことを決めました。

阪上投手は月1回、鳥取から大阪の病院に通いながら練習に打ち込んで1年からベンチ入りし、2年になった去年秋の県大会で初めてエースナンバーの背番号「1」をつけました。センバツ大会への出場を大きく左右する秋の中国大会でチームは準優勝し、8年ぶり2回目となるセンバツへの切符をつかみました。
しかし新型コロナウイルスの影響で大会は中止に。さらに、夏の全国高校野球まで・・・。

「甲子園をずっと目指していたしいろんな人に恩返しをしたかったので、つらかった」。落ち込んでいたとき、突如、舞い込んだ交流試合開催のニュース。「信じてやってきてよかった。勝ちにこだわり、強気なピッチングで最後に笑って終わりたい」。憧れだった甲子園での一度きりの試合。背番号「1」をつけて臨みました。

【強豪・明徳義塾と対戦】
迎えた交流試合。先発ではありませんでしたが、序盤からブルペンで肩をならし、今か今かとその時を待ちます。そして、1点を追う7回、いよいよマウンドへ。力強い投球で3者凡退に抑えると直後の8回、
先頭バッターとして打席へ。「意地でも打とうと思った」と内野安打で出塁、流れを呼び込みました。打線がつながり一気に4点をあげ、チームは逆転に成功しました。

1点リードで迎えた9回。阪上投手はライトに回りましたが、3人目のピッチャーがツーアウト一塁二塁とされたところで再登板。キャプテンの吉田選手から「エースの意地をみせろ」と声をかけられ、「俺に任せろ」と腕を振りました。しかし・・・。サヨナラの2点タイムリースリーベースを打たれ力尽きました。

sakagami5.jpg

【悔し涙も次見据え】

「病気になった時、『必ず野球ができる』と励ましてくれた両親、周りの人たちに恩返しがしたかった。
 最後まで投げきれてこそエース。くやしい」。阪上投手は試合後、肩を落としましたが、その一方で、
「小さいころから夢だった甲子園は、厳しかった。でも、それ以上に、過去の心労を吹き飛ばしてくれる
 最高の舞台でした」と振り返りました。「高校卒業後は大学へ進んで野球を続けたい」と話した阪上投手。そのりりしい表情には真のエースを目指す決意が見えました。

(甲子園取材班 寺迫紗良記者)

 

 2020_hbb_banner.jpg

高校野球 ブログ一覧

もっと見る

高校野球 ニュース一覧

もっと見る