高校野球

2019年08月20日 (火)

「頂点」目指したリードオフマン

 成長を実感していても

結果に結びつかないことがある。

その悔しい現実を明石商業の1番打者、来田涼斗選手は

前進する力に変える強さを持っていました。

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「1点でも多く」先頭打者ホームラン


準決勝の1回、明石商業の先発で来田選手と同じ2年生の中森俊介投手がいきなり履正社打線につかまります。4点を先制されたそのウラ、直後の明石商業の攻撃で来田選手は先頭バッターとして打席に入りました。

「中森に1点でも多く点をあげたかった。とにかく塁に出たかった」
フルカウントからの6球目、アウトコース低めの140キロにうまく反応。バックスクリーンに飛び込むホームランで1点を返しました。

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悔しさバネに大舞台で結果を


来田選手はことしのセンバツでは準々決勝の智弁和歌山戦で先頭打者ホームランとサヨナラホームランを打ちました。そして、この夏も4試合すべてでヒットを記録するなど大舞台で結果を残しました。活躍の原点にあるのは甲子園で味わった悔しさです。明石商業が初出場を果たした去年の夏の甲子園。初戦の青森・八戸学院光星高校戦で来田選手は1年生ながら1番・レフトで先発出場を果たしました。しかし延長10回、ツーアウト一塁二塁のピンチでレフト前ヒットをしっかりキャッチできずに決勝点を献上。チームは初戦で敗れました。

「自分のミスで3年生の夏が終わった。もっと成長しなければ」

チームのために成長を


来田選手が初めての甲子園で痛感したのは強豪チームの選手との体格の違いだったといいます。その頃の来田選手はまだ体の線が細く、甲子園でヒット2本を打ったもののいずれも内野安打、打球が内野を越えることはありませんでした。

「外野の間を抜く打球を打てるようになる」

パワーをつけるために冬場1日で1升のご飯を食べたこともありました。

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「頂点」を目指しダッシュ


冬場の厳しいトレーニングにも積極的に取り組みました。それがグラウンドからおよそ2キロ離れた位置にある「金ヶ崎公園」で行う坂道ダッシュです。100メートルほどの坂を使って30本ほどのダッシュを繰り返します。これだけでも「吐きそうになる」と話す選手がいるほどきつい練習ですが、最後に待っているのが「頂点」という練習です。公園の一番下から一番上まで、およそ500メートルの坂道ダッシュを2本する明石商業の名物メニューです。

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「体重を増やしている最中だったので、よけいきつかった」と振り返る来田選手でしたが、それでもチームが目標として掲げる「日本一」に向けて走り続けました。来田選手の体重はこの1年で10キロあまり増加し85キロに、その上ダッシュをこなしたことで下半身も安定して体の軸がぶれなくなりました。高知の明徳義塾高校の馬淵史郎監督のもとで、10年以上コーチなどを務めた経験がある狭間善徳監督にも「明徳義塾の選手でも見たことがないほどスイングスピードが速い」と高く評価されるまでに成長しました。

来年こそ「頂点」を


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成長を実感しながらも準決勝で敗れた直後、引き上げてきた来田選手はすでに前を向いて気持ちを新たにしていました。
「チームとして目指しているのはあくまで日本一。

 先輩たちの粘り強いスタイルを受け継ぎ、来年につなぎたい」

再び甲子園で味わった悔しさを胸に刻み、明石商業のリードオフマンは来年の「頂点」に向けてスタートを切ります。
【甲子園取材班:安留秀幸記者】

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NHK甲子園 特設HP

 

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