高校野球

2019年08月18日 (日)

ノムさんが最後にほほ笑んだのは

 

18日の準々決勝の第2試合は栃木の作新学院と岐阜の中京学院大学中京高校の試合。

終盤までもつれた好ゲームの裏側には、元プロ野球監督の野村克也さんの著作で配球を学んだ両チームのキャッチャーのインコースをめぐる駆け引きがありました。

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中京学院大中京のキャプテンで4番、キャッチャーの藤田健斗選手。

チームの大黒柱の藤田選手は、高校から読書が趣味になりました。

寮生活でスマホが禁止され、ほかにすることがなかったからと笑顔を見せます。

 

月に1度の外出が許可された日には書店に直行して、本を買い求めました。

この3年間で、読んだ野球関係の本はおよそ100冊にものぼります。

そんな藤田選手が、一番勉強になったと話し、甲子園にも持ってきている本が『野村ノート』

名将の野球哲学が濃縮され、配球術やキャッチャーの心がけなどが書かれた野村さんの代表作です。

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中京学院大中京 藤田健斗選手

野村さんの本はほとんど読みました。

配球についても内角やボール球の使い方など参考にしています。

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作新学院のキャッチャー、立石翔斗選手が影響を受けたのは、野村克也さんと息子の克則さんが共著した『高校球児に伝えたい!配球学・リード術』。配球やキャッチャーの本質を分かりやすく解説した、キャッチャーのための教科書のような本で、エースの林勇成投手から薦められて2人で読み込んだそうです。

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作新学院 立石翔斗選手

この本から配球の基本を学びました。

バッターをよく見て配球を決めること、内角や外角の使い方などは参考にしています。

 

野村さんの著作に影響を受けた2人のキャッチャーが対決した18日の試合。

作新学院が初回に3点を先制したあと膠着状態が続きました。

 

中京学院大中京の藤田選手にとって、ポイントとなった配球は7回でした。

簡単にツーアウトをとりましたが、デッドボールとフォアボールでピンチを招きます。

終盤に勝負をかけるのが中京学院大中京の野球です。

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中京学院大中京 藤田健斗選手

ここでの追加点は絶対に避けないといけないと思った。

 

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マウンドは変わったばかりの赤塚健利投手。

 

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打席は、作新学院の4番バッター、石井巧選手。

初回にホームランを打たれた相手です。

 

藤田選手は初球、外のストレートを要求して、ボール。

 

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次は内角の厳しいコースにストレートを要求。

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ファールされます。

 

「この内角の1球がきいた」と藤田選手。

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次に要求したスライダーは藤田選手の構えよりも甘く入りましたが…。

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打ち損じを誘って、レフトフライに打ち取りました。

 

一方、作新学院の立石翔斗選手にとってのポイントになったのは1点リードで迎えた8回でした。

投手陣がコントロールを乱して、ノーアウト満塁のピンチ。

 

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マウンドは、こちらも変わったばかりの坂主清投手でした。

 

立石選手は強気に内角にストレートを要求し続けます。

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しかし4球目でした。

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中京学院大中京の7番、元謙太選手に逆転の満塁ホームラン。

勝敗は決しました。

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作新学院 立石翔斗選手

試合を通じて、内角を攻めて相手も嫌がっていました。

あの場面、坂主のストレートなら抑えられると思っていました。

内角の1球を要求したことに悔いはありません。

 

試合後の立石選手は、泣き崩れるチームメイトと対照的に笑顔でした。

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作新学院 立石翔斗選手

野村さんの本で一番、良いなと思ったのは“野球はピッチャー対バッターではない。バッテリー対バッターだ”ということばです。バッテリーで負けたのですから、仕方ありません。

 

野村さんの本を読んで配球を研究してきた2人。

勝負所の内角の使い方で明暗が別れ、最後にノムさんが微笑んだのは中京学院大中京の藤田健斗選手でした。

【甲子園取材班:森脇貴大記者】

 

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