「９５歳ラガーマンの挑戦 マスターズ花園２０２３」【廣 由梨】

2023年11月21日 (火)

「９５歳ラガーマンの挑戦マスターズ花園２０２３」【廣由梨】

先日、ほっと関西のスポーツコーナーでお伝えしたのがこちら。

９５歳のラガーマンです。１０月、大阪の花園ラグビー場で行われた「マスターズ花園２０２３」。４０歳以上の人たちが参加するラグビーの大会です。
全国の高校のOBチームなど、およそ８５０人が参加しました。

特別なルールがあります。年代ごとにパンツの色分けがされ、６０歳以上へのタックルは禁止などがあります。最年長が、大阪北野高校出身の９５歳、大岩重雄さんです。
今大会ではただ１人、金色パンツを履いています。

去年の大会にも北野高校のOBチームは出場していましたが、大岩さんはスタンドからの応援で出場しませんでした。その後、後輩たちから金色のパンツを履いて大会を盛り上げてほしいと猛アプローチを受け、出場することになったそうです。
ふだんから運動は欠かさないという大岩さん。
ご自宅に伺うと…

ペットボトルをダンベルの代わりに使った腕のトレーニング。

食事用の机を出す際には、机を上げ下げして鍛えます。
他にもストレッチや体幹を鍛えるなど、何種類ものトレーニング運動メニューがありました。大岩さんによると日々の生活の中に運動を取り入れるのがコツだそうで、日々のルーティーンに入れてしまうと、気軽に続けられるそうです。また、少しスピードを速めたり、回数を増やしたりして、飽きないように楽しむのが一番だ、と笑顔で話してくれました。
さらに、大岩さんが長く続けている運動習慣がウォーキングです。

以前は、１日１万歩を歩いていたそうですが、医師から歩きすぎだと注意を受けて、
今は８０００歩にとどめているそうです。ルートは同じではなく、あえて遠くのスーパーへ行ってみたり、季節を感じられる場所に行ってみたりして、いろいろと工夫をしながら楽しんでいるそうです。私も一緒に歩きましたが、後ろをついていくのがやっとで、スピードが速くて非常に驚きました。
地道にトレーニングを重ねて大会当日を迎えました。
ラグビー自体はおよそ４０年ぶりということでしたが、ボールを持てばこの表情。

本当にラグビーが好きということが伝わってきました。
この日、大岩さんに任されたのは、試合最初のキックです。

試合前、何度も何度も練習を重ねて、周りの後輩たちからは「ばっちりですよ」と言われても…。

この返答。本当にラグビーが好きで、ストイックな性格なのだと感じました。
そして・・・。

練習どおりにキックが決まって試合が始まりました。
本当はボールを蹴ってからすぐに交代するはずでした。しかし・・・。

大岩さんは走ってボールを追いかけて行ってしまいました。「走りには自信がない」と話していましたが、体が勝手に動いて自分でもびっくりしたということでした。
後輩の皆さんも「すごい…！」と驚きの様子でした。
プレーを終えてベンチに戻る際には、後輩たちからも、応援席の皆さんからも大きな拍手が送られていました。あきらめずにプレーする姿に皆さんの心が打たれたのだと思います。