2022年07月29日 (金)
東京五輪から1年 谷川亜華葉選手インタビュー 【森本万里奈】
早いもので、東京オリンピックの開幕から1年がたちました。
高校3年生で競泳の女子400メートル個人メドレーに出場した谷川亜華葉選手は、現在近畿大の1年生、19歳になりました。
1年たったいま、何を思うのか。
お話を聞いてきました!
選手村でジャンプする谷川選手
2024年のパリ大会に照準を合わせていた谷川選手は、自身の想像よりも早くオリンピックを経験することになりました。
しかも、初めての世界大会。開催前はずっと興奮していたそうです。
谷川亜華葉選手
「選手村での生活が印象に残っています。日本だけど外国人がいっぱいいて、本当に異空間でしかなくて、無人バスが通っているんですけど、未来の日本ってこんな感じなのかなとか、試合以外でもわくわくしている期間でした。」
しかし、レースでは直前のけがの影響もあって、思うような結果を出せませんでした。
目標としていた決勝進出には程遠く、自己ベストより4秒も遅いタイムで予選敗退。
その悔しさもあり、大会後、泳ぐことが怖くなってしまったと言います。
谷川亜華葉選手
「想像以上に自分のメンタルにダメージが来て、疲れてしまったというか心が壊れてしまった。もう、すり傷どころじゃない、傷がえぐれた状態というか。」
どん底に落ちた谷川選手。
一度、水泳から離れることを決めました。
「オフを欲しいってお願いして。高校に通って友達と遊んで、普通のJK(女子高生)として生活をするように変えたけど・・・水泳のことを話すと勝手に涙が出てきちゃう。」
そんな谷川選手を勇気づけたのは、同じ種目で金メダルを獲得した大橋悠依選手でした。
世界の頂点を知る大橋選手だからこそのことばでした。
谷川亜華葉選手
「悠依さんが“ただオリンピックに出たたけで亜華葉は何も変わらないよ。ただ出ただけでしょ”と言ってくれて。たしかに、オリンピックに出たからって別にそれで終わりじゃないし、お尻をたたいてもらった。」
再び泳ぎ始めた谷川選手は、支えてくれる人たちのためにももっと強くなって、水泳で結果を残して恩返しをしようと、水泳への向き合い方が変わったそうです。
きつい練習でも追い込めたという谷川選手。
その成果は、ことし6月にハンガリーで行われた世界選手権で出ました。
東京オリンピックで果たせなかった決勝の舞台に立ったのです。
谷川選手
「オリンピックで極限まで追い込まれて自分を見つめ直して。つらい思いも怖い思いも泳ぎたくないって思いも経験してるので、そこから立ち直ったいまの自分だからこそ、心に余裕を持てて世界選手権を楽しめたんじゃないかなと思います。」
谷川選手にとって、東京オリンピックとは・・・。
「なくてはならなかったもの。思っていたビジョンとは違ったけど、でも東京オリンピックがなければ、水泳に対して真摯(しんし)に向き合うことはきっとなかったし、いまの自分はいなかったと思うので、パリオリンピックに向けて、今後に向けても、通らないといけない道だったんじゃないかなと思います。」
東京オリンピックを振り返る谷川選手のことば一つ一つに重みがあり、1年ほど前、まだ高校生だった彼女にお会いしたときと比べると、本当に見違えていました。
それほど大きな経験・成長をさせてくれるのが、世界の祭典・オリンピックなのですね。
谷川選手が今後世界の舞台で表彰台に立つ姿を、私も夢見ています!
スポーツキャスター 森本 万里奈(もりもと まりな)
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