2022年02月25日 (金)
大阪・びわ湖毎日 難コースをどう乗り切る? 【森本万里奈】
『大阪マラソン』と『びわ湖毎日マラソン』を統合して行われる大会。
世界の舞台を目指す選手たちが力を競うのはどんな舞台なのでしょうか。
大阪の名所をめぐる42.195キロ
たずねたのは、瀬古利彦さん。
誰もが知る往年の名ランナーで、現在は、日本陸上競技連盟でマラソン強化の責任者を務めています。
Q.大会にどんな期待を持っていますか?
A.大都会の大阪のまちを走りますから、選手たちもやりがいがあると思います。
ことしアメリカで行われる世界選手権の参加標準記録が2時間7分53秒なんですよ。
その記録をみんなねらってくると思う。必ずこの大会からニューヒーローが出てくると思います。楽しみですね。
コースは上の図のとおりです。
スタート地点は大阪城の隣に位置する大阪府庁前、国の重要文化財である大阪市中央公会堂のある中之島を周回したあと、メインストリートの御堂筋を南下します。
このあとも、去年、プロ野球で25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックスの本拠地、京セラドーム大阪やシンボルタワーの通天閣など大阪の名所を見ながら、レースは進んでいきます。
そして、フィニッシュ地点の大阪城公園に戻ってきます。
瀬古利彦さんがあげるポイントは?
瀬古さんは、勝負を左右するポイントとして、コースの特徴を2つあげました。
その1.5か所の折り返し地点
瀬古利彦さん
「いちばん気になるのは5か所ある折り返し地点。折り返しは本当に走り方が難しくて、ペースを落として、また上げなきゃいけないので、その繰り返しが結構スタミナを消耗するんですよね」
コースの折り返し地点を実際に見てきました。
片側2車線の道路をUターンするためには、かなりペースを落とす必要がありそうだなと感じました。
選手たちがペースを落としたり上げたりしなければいけない折り返し地点をどう乗り越えるか注目です。
その2.レース後半のアップダウン
さらに、レース後半には、高低差最大20メートルのアップダウンが続きます。
ペースメーカーがはずれて、まさに選手たちの駆け引きが始まるポイントです。
この攻防が勝負の行方を左右するといっても過言ではありません。
瀬古利彦さん
「30キロ手前からのぼったり、くだったりという坂が連続するんですよね。いちばん苦しいところでペースアップができる人、そういう人が最後勝ち残っていくんではないかと思いますね」
大会に歴史あり
2つの大会が統合されて行われる今大会。
このうち、男子マラソンのオリンピック代表選考などとしても開催されてきた『びわ湖毎日マラソン』は、日本で最も歴史のある大会です。
第1回が行われたのは、今から76年前、戦後まもない昭和21年。
当時は、『全日本毎日マラソン』として開催され、舞台は今回と同じ大阪でした。
その後、大会は、びわ湖湖畔のコースに移され、ことし再び、大阪に戻ってきたのです。
今回のコースのそばには、第1回大会のゆかりの場所もあります。
大阪のメインストリートの御堂筋。
大阪市によりますと、御堂筋という名称は、本願寺津村別院、通称「北御堂」と真宗大谷難波別院、通称「南御堂」という2つの寺院をつなぐことからつけられました。
戦争による空襲で焼け野原となった大阪。
お堂も何もかもなくなってしまった難波別院の敷地は、運動場として市民に開放されていたそうです。
その場所が、第1回大会のスタート地点になりました。
難波別院を訪ねると、当時の資料も残っていました。
いまは大阪の中心部として発展した御堂筋ですが、戦争で多くのものが失われ、何もなくなったこの地でマラソンがスタートしたことは、当時の人々にとって大きな力となっていたんだろうなと感じました。
難波別院教務部 松浦颯一郎さん
「歴史的に大阪とかかわりを強く持ってきたお寺が、第1回大会にかかわっていたということはすごく名誉あることだと思う。そのマラソンがまた大阪に帰ってくるということは大変うれしい。」
水の都、大阪に舞台を移して行われる大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会。
2月最後の日曜日に新たな歴史が刻まれます。
スポーツキャスター 森本 万里奈(もりもと まりな)
ほっと関西ブログ
関西のスポーツ
アナ・キャスの部屋
ニュースほっと関西 特集・リポート
関西 NEWS WEB アクセスランキング
関西 NEWS WEB