2019年04月26日 (金)
"桜ジャージ"の重みを感じながら 【山本賀保子】
ことし9月に開幕する、ラグビーワールドカップ日本大会。
4月24日のニュースほっと関西では、「日本代表として活躍する海外出身選手」について、トンガ出身の元日本代表・タウファ統悦(とうえつ)さんにお話をうかがいました。
タウファさんはトンガ生まれの38歳。
20歳のときに留学生として来日し、その後、社会人の近鉄ライナーズで活躍。
2011年のワールドカップにも日本代表として出場されました。
去年、現役を引退し、現在は近鉄ライナーズのアンバサダーをしながら、東大阪市にご家族で暮らしています。
ラグビーでは、
▼当該国(日本代表の場合は日本)で生まれていること
▼両親や祖父母のうち1人が当該国で生まれていること
▼当該国に3年以上継続して居住していること
このうち1つに当てはまれば、その国の代表としての資格を得ることができます。
「その国でプレーしている選手が代表になる」という考えが根本にあって、現在もこうした条件で代表が選ばれているそうです。
タウファさん自身は、3つ目の条件を満たして日本代表入りしました。
トンガ代表としてのオファーもあったということですが、「ラグビー選手として応援してくれた日本の方に、恩返しをしたいという思いで日本代表の道を選んだ」と優しい笑顔で話していました。
タウファさん、息子さんの幼稚園の入園式で「君が代」が流れただけで、気持ちがたかぶって涙が出そうになったくらい、日本を愛しているそうです。
タウファさん以外の海外出身の日本代表もみんな、同じ思いを持っていると教えてくれました。
キャプテンを務めるリーチ・マイケル選手(ニュージーランド出身)は、タウファさんの元ルームメイト。部屋ではなんと演歌を聞いていることもあったそうです。こんなところ、日本選手以上に日本の文化に親しんでいるようですね。リーチ・マイケル選手は、ニュージーランド代表との試合で負けたとき、本気で悔しがっていたそうです。日本のラグビーをもっと良くしたい。そんな思いでプレーしているとタウファさんは話していました。
出身地にかかわらず、日本への愛情を強く持った選手たちが日本代表として試合に出ている━その事実を知って、本当にうれしくなりました。外国から日本にわたって、言葉も文化も不慣れながらも頑張って・・・・・・ラグビー以外の苦労もたくさん乗り越えて活躍する日本代表の選手たちを、これまで以上に注目して応援したいと思いました。
開幕まで5か月を切ったラグビーワールドカップ。
桜ジャージの下にある熱い思いを感じながら、これからもお伝えしていきます!
スポーツキャスター 山本 賀保子(やまもと かほこ)