2020年11月27日 (金)
歴史秘話ヒストリア「日本誕生 知られざる物語 日本書紀1300年」
日本書紀に描かれていたのは、神話の世界…だけではなく、実際のモデルとなった出来事がありました。一つ一つをひもとくと、古代の日本人が、クニという形を作るために何が必要だと感じていたのかが分かります。ロケで訪れた島根県出雲市は、日本書紀で描かれた時代の雰囲気を留めているようで、とても穏やかな空気に包まれていました。古代の交易で栄えた出雲地方は、大和政権から見ても、豊かな土地だったのでしょう。
スサノオノミコトをまつる須佐神社。境内は、緑のなんともいい香りが~!これも、木の神様・スサノオノミコトにゆかりがあるからなのか、木の深い生命力を感じました。ご神木である大杉の木は、20メートルを超える高さ、樹齢は日本書紀と同じ1300年ほどというから驚きです。禰宜の須佐建央さんのご案内で木の根元まで歩み寄ると、まるで木に優しく包まれているような穏やかな気持ちに。須佐さんが「大杉さん」と呼んでいたように、神聖であり、身近な存在として大切にされてきたのですね。
【日本全国から神々が降り立つという稲佐の浜】
稲佐の浜の海岸線は、日本書紀に描かれた時代よりも、今は海の方にせり出しているといいます。住宅地の一角に残る、「屏風岩」。日本書紀では、この岩陰で、国譲りの話し合いが行われたとあります。ご案内いただいた吉川誓一さんの解説では、神々のやりとりが生き生きと語られ、神話にぐんぐん引き込まれました。番組ではご紹介することが叶いませんでしたが、写真中央にいらっしゃる新宮基弘さんからは、興味深いお話を。新宮さんが小学生のころは、この屏風岩の周りを年に一度、掃き清める行事があったそうです。その時は、揃いのはちまきにふんどし姿で、身を清めてから掃除をするのが習わし。とても気が引き締まる、大切な行事だったと教えてくださいました。
【吉川さん・新宮さんと屏風岩の前にて】
発掘調査からも分かってきた、かつての出雲大社にあった巨大な本殿。高さ48メートル、階段の長さ100メートルもの本殿は、空を見上げるようなものだったのだろうな~と想像していたら、現在の本殿の近くに、かわいいウサギの置物を発見!ウサギと一緒に見上げながら、古代の人々の建築技術の高さ、神に対する気持ちの大きさに思いを馳せました。
お着物秘話♪
今回は、藤原不比等についてご紹介するということで、お着物は藤の花をあしらったものでした。実は、去年「興福寺」の回でも着用したものなのですが、今回の帯には、古代の話に合わせて個性的な花の模様が描かれたものを。帯や髪型が変わるだけで、雰囲気が変わるのがお着物の楽しさですね~。自分で並べるのは、ちょっと恥ずかしいのですが…ご笑納いただければ幸いです。
【藤原氏ゆかりの藤の花の着物】