歴史秘話ヒストリア

2020年09月10日 (木)

歴史秘話ヒストリア「小津安二郎 日常というドラマ」

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昭和を代表する映画監督、小津安二郎の青春時代、戦時下での体験、そして家族をテーマにした作品づくりを支えた人々のエピソードから小津映画の原点をひもときました。
私自身、小津監督が自分の作品にあるような家族を包む温かな時間にあふれた人生だったと、勝手に想像を膨らませていただけに、今回ご紹介した、やんちゃな青年期や自身の家族の在り方など、作品との違いを興味深く感じました。

今回の番組を制作したのは、入局5年目、長野局の木村優希ディレクター。
小津安二郎が、長野県茅野市にゆかりがあることを知ったのをきっかけに、取材をはじめました。番組でもご紹介した、小津監督が青春時代を過ごした三重県松阪市にある「小津安二郎青春館」では、知られざるエピソードや大切に残された資料を見せていただき、とても興奮したという木村D。作品の静かなイメージとはギャップのある、少年期のわんぱくぶりには、親近感を持ったそうです。
そして、館長・佐野洋治さんからは、こんなエピソードも。佐野さんのご実家は、小津の自宅の隣にあった商店。そこに小津少年が勝手にはちみつを食べにきては、佐野家から「ミツバチがやってきた!」と言われていたそうです。

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写真は、再現ドラマ撮影時の一コマ。
自身も映画が大好きな木村Dは、小津映画への敬意を込めて、ローポジションで撮影したり、小津作品ではお馴染みの「赤いヤカン」を登場させたりと、より番組を楽しんでいただけるように工夫しました~!とのこと。
一番好きな小津作品は、「長屋紳士録」。この作品を見て、小津作品の常連で女優の飯田蝶子さんのファンになったといいます。うん、目のつけどころがなかなかシブい!

私自身は、小津作品で描かれる世界から、昭和の温かくも複雑な家族関係や人を思いやる心の豊かさなどを教えてもらいました。昭和という時代を凝縮させたタイムカプセルのような作品の数々。見返すたびにあらたなことが見つかる万華鏡のような小津作品を、また一つ手に取って秋の夜長を楽しみたいです。