2020年08月06日 (木)
歴史秘話ヒストリア「伊400 幻の巨大潜水艦」
8月になると、太平洋戦争について思いをはせることが多くなります。今回の番組は、以前制作した番組をもとに、戦時中の日本の潜水艦「伊400」のエピソードについて再編集してお送りしました。
この回を担当したのは「歴史秘話ヒストリア」制作班のデスクでもある河井雅也ディレクターです。2013年に、ハワイ大学が行っていた伊400の調査を知り、そのスケールの大きさに圧倒されて取材が始まりました。
伊400の乗組員だった山西義政さんと髙塚一雄さんを、ゆかりの地である呉や横須賀の港にお連れすると、これまで眠っていた記憶がよみがえってきたかのように語り始めたといいます。その時、河井ディレクターは「場所には、記憶が宿るんだなあ」と驚いたそうです。
お二人の言葉には、当時のみずみずしい感情がほとばしっていて、胸に迫るものがありました。こうした生きた言葉によって語られた事実には、何より説得力がありますね。
そして、海の闇に包まれながらも、その歴史が確かにあったということを圧倒的な存在感で語る伊400の姿は、私たちに太平洋戦争の記憶を忘れてはならないと、静かに訴えているようにも感じました。
河井ディレクターは、今回の番組を通して「戦争体験者が少なくなっていく中、伊400のように戦争の記憶を伝える遺物も失われようとしています。そこには、戦争の悲惨さ、時代に翻弄されながらも必死に生きた人たちのドラマがありました。終戦から75年の節目の年に、そのことを少しでも知ってもらいたいんです。」と話していました。
再編集という形ではありますが、何度でもお伝えしたい逸話です。
学生時代は、キックボクシングをしていたという河井D。前回放送された伊400ヒストリアのDVDを持つ腕にその面影をみることができます。
戦後、原子力潜水艦が建造されるまで世界最大だった、伊400。
以前、私はシカゴ科学産業博物館で、ドイツの潜水艦Uボートを見たとき、その巨体に吸い込まれそうな感覚になり、思わず立ちくらみがしたほどでした。
伊400はその2倍といいますから、どれほどだったのか・・・・・・。
今回は、その大きさを実感することができました。スタジオでは、いつものCG空間に伊400をリアルに再現。映像合成で、ちんまり甲板に立つ私自身を見て、こんなに巨大だったのかと驚愕。
CG作成と合成は、いつもお世話になっているタニスタさんの制作でした。合成をするためには、スタジオに秘密道具をセットするのですが・・・・・・それについては、また今度ご紹介しますね!