2019年06月26日 (水)
最強交渉人、世界に挑む カミソリ大臣 陸奥宗光
“カミソリ”と呼ばれた陸奥宗光は、鋭い頭脳を武器に、不平等条約改正の交渉の場で粘り強く闘いました。イギリスとの交渉を再開させるために陸奥がおこなった、国会での演説。国民に向けて発信したメッセージが、実は、その場を取材していた海外のマスメディアに向けたものだったという手法には、感嘆しました。
師と仰いだ龍馬の暗殺という悲しみを乗り越えた陸奥。そののち入ることになった牢獄では、様々な知識を蓄えながら、きっと龍馬の分も日本の未来を案じ、耐え抜いたのだと思います。牢獄で着ていたという「涙」や「恨み」という文字がびっしりと綴られた着物には、執念ともいえる強い思いが表れていました。
そして、妻亮子と二人三脚で歩んだアメリカでの交渉。英語を一から勉強し、社交界で日本文化の豊かさを伝えた亮子の活躍は、華麗なるものでしたね! 絆の強いこの夫婦だったからこそ、いや、この夫婦でなければ、イギリスとの不平等条約改正を乗り越えることはできなかったことでしょう。ただ、夫婦水入らずの生活が、陸奥が亡くなるまでの一年ほどだったというエピソードには、切ない気持ちになりました。。。日本を背負って駆け抜けた陸奥とそれを支え続けた亮子の軌跡の上に、現代の条約があるということに思いをはせると、まもなく始まるG20の交渉もまた違って見えてくるかもしれません。
歴史秘話ヒストリア@NHKオンデマンド
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