かんさい深掘り

2018年06月13日 (水)

赤ちゃんから手話を

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きょうは「手話」についてです。耳が聞こえない人の重要なことばですが、親が健常者で手話ができない場合、耳が聞こえない赤ちゃんは手話にふれる機会が少なくなり、ことばの習得が遅れる心配があります。

これまで、こうした乳幼児に手話を教える場所はほとんどありませんでした。そこで、大阪府と聴覚障害者の団体が協力して、0歳から手話に親しむための取り組みが始まっています。

 

乳幼児の手話教室がない


大阪市の山本恵(やまもと・めぐみ)さんと2歳になる長男の航(わたる)くんです。航くんは生後1か月半で、耳が聞こえていない事が分かりました。

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山本恵さん:「要検査しないとだめでした。(病院側に)聞こえてないですっていう表現をされたんですけど、抱いている航はきのうときょうで何も変わっていないんですよね。私たちの中で突然聞こえない子に今なったのがやっぱり入ってこなくて」

何とか意思疎通ができるようになりたいと手話教室を探しましたが、大人向けの教室はたくさんあっても幼い航くんに手話を教えてくれる場所は見つかりませんでした。

山本さんは習ったばかりの手話で手作りの教材を使って教えようとしましたが、うまくいかなかったと言います。 

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山本恵さん:「それこそ勉強っぽくなってしまうんですよね。覚えて欲しくて。でもそうすると拒絶されてしまってあーだめだ。私は今押しちゃったからだめだったんだと。通じない通じないってなると何で分かってくれへんのと。どうしてもこっちも心の余裕がなくなるので」

 

大阪府と聴覚障害者の団体が新たな取り組み


試行錯誤を続けていた山本さん。去年6月、大阪府と聴覚障害者の団体が新たな取り組みを始めたことを知り、さっそく参加しました。耳が聞こえない乳幼児が手話に親しむための集いです。0歳から6歳までの耳が聞こえない子どもとそのきょうだい、それに保護者などおよそ50人が参加しています。

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聴覚障害者のスタッフが身近な食べ物や動物が出てくる絵本を使って手話を見せます。大きな仕草で分かりやすく手話を見せるうちに、絵と手話の意味が結びつき、自然に身につくようになっています。

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スタッフ(手話):「手話で話してこんなに楽しいんだと思って欲しい。聞こえない子どもが成長していくのを見守る親になって欲しいなと。そうなったらすごく嬉しいと思います」

 親に対しても、子育てで必要になる手話を教えます。親子で一緒に通ううちに、手話での会話がスムーズになっていくといいます。

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参加した親:「手話の数がすごく増えました。本人がこれほしいとかあれ食べたいとかこれ買ってとか多いですかね」

参加した親:「子どもを対象にした私たちのような境遇の手話教室はなくて。私はここがあって本当に良かったと思います

  

 これがこの子の言葉


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会の立ち上げに参加した神戸大学  河﨑佳子教授:「手話の魅力、手話という言語のたくましさを実体験、実感して欲しい。こんなに通じたから、おもしろい、もっとやりたいっていう風なスタートが出来る支援をしたい」

集いに通い始めて1年。航くんは自分の気持ちを手話でたくさん表現できるようになりました。

この日は、山本さんの手話を見ておやつを妹に分けてあげました。

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山本恵さん:「分けてあげて」

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食べたあとは、一言。「おいしい」

山本恵さん:「通じるって大きい、通じる方法を教えてくれることが単純に物理的にも助かるし精神的にも助かる。たぶんお互いにだと思う。航自身にも。やっぱりこれがこの子の言葉なんやなっていうのは思いますね」

   


大阪府の取り組みは全国的にも珍しいということです。 

大阪では6月10日、全国ろうあ者大会が開かれることになっていて、手話を学ぶ環境の充実などを訴えていくと言うことです。

大阪の「手話の集い」の問い合わせ先は以下の通りです。
▼公益社団法人 大阪聴力障害者協会
 「こめっこ」担当
電話:06-6761-1394
FAX:06-6768-3833
メールアドレス:comekko.nyuyo@gmail.com

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