2017年08月25日 (金)
若さの源!これぞ熊野の大自然 ~和歌山・新宮~
今回は和歌山県新宮市、熊野川流域を旅します。
この地域には先人たちの知恵と工夫が磨いた素晴らしい暮らしがあります。海も川も山も!自然に満ちる眩しい命のチカラ。新宮市のみなさんはとにかくみんな若い!潜り続けて60年!80歳の海女さんが獲る夏の恵み。強くて明るい母ちゃんが摘む琥珀色の極上茶。祈りに満ちた天空の楽園で50年寄り添ってきた夫婦の愛。
夏本番!あなたも元気をもらいに必ず行ってみたくなる大自然の旅のはじまりです。
旅人:勝野洋さん & 芳本美代子さん
旅した場所♪
①海女
熊野灘に面した三輪崎の町にはなんと、80歳にして元気いっぱいの現役の海女さんがいます。水深5メートルの磯までイルカのように潜り、獲物を探します。アワビにサザエなど、今が旬の恵みを熟練の腕で続々と運び上げます。獲れたてのおいしいもんとベテラン海女さんのとびきりの笑顔が周りの人を元気にします。
②茶粥
気持ちのいい潮風が吹き込む広角の里では「なんば」と呼ばれるとうもろこしが収穫の真っ盛り。抜群の潮風と日当たりで育ったなんばは紀州の家庭料理、茶粥に入れていただきます。収穫の今しか楽しめない夏のごちそうです!!
③カキドオシ
垣根を越えて繁殖するほど生命力が強いことから名がついた「カキドオシ」と呼ばれる植物。全て手作業で摘み、お茶にします。琥珀色に輝くカキドオシ茶は新宮に伝わる、夏にうれしい熊野川の恵みです。
【 かあちゃんの店】
住所:〒647-1212 新宮市熊野川町田長54-1
電話:0735-44-0480
営業時間:9;00~16:00
定休日:第2水曜日
④古道の宿
熊野古道を行く世界中の人々が訪れる小口の里。昔から熊野を詣でる人たちをもてなしてきたこの里では、突然の来客でも屈託なく迎え入れるのが流儀。そんな里でご近所の社交場ともなっている一軒の民宿で、元気なおかあさんに出会います。喜びは自分で作った野菜を仲良くみんなで食べること。
元気とおいしさが溢れる古道の里は活気に満ちています♪
【民宿 百福】
住所:〒647-1206 新宮市熊野川町西2240-3
電話:0735-45-2016
問い合わせ・予約:8:00~20:00
熊野交通バス「小口」から徒歩1分
⑤おさすり
九重の里で代々行われてきた夏の風物詩、おさすり。田畑の隅に立てるお供えに入れるお餅のことです。一見、柏餅のように見えるおさすりですが、包んでいるのは柏ではなくエビツと呼ばれる葉っぱです。
食べると健康で元気を保てるというおさすりはこの時期でないと出会えないという深き山の伝統の味です!
⑥めはりずし
周りを奈良と三重に囲まれた嶋津という飛び地の集落では、人々は昔からいかだ流しの仕事に携わってきました。船頭が仕事の時にいつも持って行ったという食べ物が「めはりずし」だそう。通常、高菜の漬物で巻いたものが主流ですが、この村では生の高菜を湯がいて巻きます。さらに、自家製の酢味噌をつけていただくと最高においしくいただけます!!
担当日記
今回の旅の舞台は新宮。新宮というと皆さんどんなイメージを持たれますか? 世界遺産熊野古道の町、魚介がおいしい海辺の町、などを思い浮かべる方が多いと思いますが、実は今の新宮市は12年前に熊野川町と合併して以来、その市域は南北にぐんと広がり、大部分を熊野川流域の山々が占めるようになりました。新宮市の中心地は河口に開けた都市ですが、そこから一つトンネルを越えるだけで手つかずの大自然が現れます。 もちろんそんな自然の中にも他にない伝統の暮らしが息づいています。普段観光客があまり行かないそれらの集落を見てみたい、それが今回の旅で心掛けたことでした。 何の情報も持たないまま足を運んだそれらの集落の、何と豊かなことか。 山の斜面に張り付いた里では、手のひらに乗るヤマガラの姿に癒され、天空から見る景色に目を奪われました。 川の流域に広がる里では、まったく臭みのない鮎や川岸に生えるカキドオシという植物から作ったお茶に舌鼓を打ちました。 色々お世話になった集落の一つが、新宮市の一番北の外れに位置する嶋津。和歌山県なのに周りを三重と奈良に囲まれた飛び地の里は世帯数わずか7軒、新宮を旅するほとんどの方がその存在を知らない小さな里です。当然観光客を迎え入れるお店や宿などはありません。しかし飾らない素の暮らしぶりにおじゃますると、他の土地では味わえない素晴らしい経験をすることができます。 360度見渡しても人工物が一切ない雄大な熊野川。木漏れ日と深緑を感じながら歩くかつての筏師が通った林道。川の蛇行によってできた丸い出島の絶景。 情報誌やパンフレットには載っていないけど、まさしくここでないと見られない景色、味わえない体験。そんな発見をすることが「旅」の醍醐味なんだということを改めて感じさせてくれました。 駆け足の特急でせわしなく巡る旅と、ゆったり鈍行気分で行く旅、どちらを選ぶかと言われたら、私は間違いなく後者です。既存のレールから外れた時、その瞬間から旅はあなただけのものになります。 自分だけの面白がり方、好奇心で新たな発見ができる土地。 それが「新宮」です。
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担当:吉村
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次回もお楽しみに!