〝番記者〟のつぶやき

2021年10月28日 (木)

オリ番のつぶやき ~光った中嶋聡監督の選手起用~

25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。
今シーズン就任した中嶋聡監督の巧みな選手起用が光りました。

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今シーズン、中嶋監督が変えたのが1軍と2軍の垣根をなくすことでした。
これまで1軍と2軍で分かれていたコーチ陣の区別をなくし、チーム全体で1軍と2軍の選手を一体で指導することにしました。

その結果、1軍と2軍の連携がスムーズになり、これまで実績のなかった選手も思い切って積極的に起用できるようになりました。 

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7年目の宗佑磨選手が外野からサードにコンバートされてレギュラーをつかんだほか、高校卒業2年目の宮城大弥投手が先発ローテーションに入って、13勝をあげるなど新たな戦力が台頭しました。

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中でも、これまで1軍に定着できなかった6年目の杉本裕太郎選手は中嶋監督から4番に抜てきされて大活躍。去年、わずか2本だったホームラン数は、リーグトップの32本をマークしました。

シーズン中、緊張がみられた杉本選手に対し、中嶋監督は「相手のピッチャーの方がお前との対戦を嫌がっていると思うぞ」と声をかけて、自信をもたせていました。

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中嶋監督
「3番・吉田正尚のうしろの打順が一番難しかった。誰をあてはめるかと考えたときに長打力があって相手に圧力をかけられる選手として最適だった。落ち込みやすい性格だけど、乗ったら手が付けられない」

選手の性格まで見抜いた適材適所での起用が光りました。

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さらに変えたのが選手のコンディション調整です。
例えば、ほぼ毎回、試合前の練習で行っていたシートノックを廃止し、疲れがみえる選手は練習を軽めに抑えました。

投手陣も疲労を蓄積しないよう3日連続の登板を避け、50試合以上登板したピッチャーが12球団で最も少ない1人となっています。

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こうしたコンディション対策が効を奏し、オリックスは今シーズン、大きな連敗をすることなく、終盤でも接戦を制して厳しい優勝争いを戦い抜き、就任1年目で快挙を成し遂げました。

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優勝直後の会見で、中嶋監督はチームの将来像について、次のように語りました。

「今のメンバーで優勝したので、これがベストメンバーかもしれないけど、さらに変わらなければ、先に進めない。今のメンバーもこれ以上のちからを出さないといけないし、新しいこともしていかなければいけない。今のチームを壊すつもりで動かないといけない」

常勝・オリックスを目指す中嶋監督の挑戦はまだ始まったばかりです。

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(オリ番記者 伊東健)