STOP! 子ども虐待

2018年11月14日 (水)

密着!児童相談所 一時保護の現場

虐待が事件になった場合に注目されるのが児童相談所です。関西には27か所の児童相談所があります。そこではいったいどのような活動が行われているのか。今回、大阪のある児童相談所に密着取材を行いました。

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「虐待疑いの通報!その時・・」


大阪府内の児童相談所です。業務に支障が出るのを防ぐため、場所や職員が特定されないことを条件に、撮影することができました。

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廊下にはいくつも相談室が並んでいます。この部屋で、虐待の疑いのある保護者などから事情を聞きます。

児童相談所 職員:「たとえば虐待の通告が入って、今後お子さんをどうしていくかについて調査や相談するために、相談室にお越しいただいている」

児童相談所には朝から次々と電話がかかってきます。

対応に当たるのは児童福祉司や児童心理司の資格をもつ職員などおよそ20人。家族からの相談だけでなく、近所の人や警察からの情報提供の電話もこの部屋にかかってきます。

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取材を始めてまもなく、ある深刻なケースの通報がありました。

職員:「いつ殴られた、という話は受けてないですか?」

小学生の兄弟が、親から殴られているという学校からの情報です。

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職員2人が状況を確認するため学校に向かいました。「一時保護」の必要があるかどうかを判断するためです。

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一時保護する?しない?現場の葛藤


「一時保護」とは児童相談所が虐待などの恐れがある場合、児童福祉法に基づいて子どもを一時的に施設に保護することです。

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親や本人の同意は必要ありません。子どもの居場所は親には知らされません。期間は原則2ヶ月までとされていますが、延長されることもあります。

およそ2時間後。職員が帰ってきました。

記者:「子どもさんたち、どんな様子でした?」

職員:「けがをして顔が赤くなっているところが結構大きい。5センチくらいの大きさ。しつけの域を超えていて、虐待の疑いがあるということで職権で保護という判断をしました」

記者:「子どもは保護されることを理解している?」

職員:「そうですね。たたかれることがないように、お父さんお母さんとお話をしていかないといけないので、その間、別のところに今日行って寝泊まりしておいてほしいと伝えて、『わかった』と言っていた」

安全確保のため、子どもはそのまま保護されることになりました。

この相談所では2日に1件のペースで一時保護が行われています。保護したあと親に連絡します。職員が最も気を遣う瞬間だと言います。

職員:「けがの程度が非常にひどかったものですからお話の前にいったん、子どもさんの安全を確保させていただく必要があると判断しまして、2人を児童福祉法に基づいて、職権で一時保護させていただきました」

このあと、親や子どもから聞き取り調査を行って、解決策を探っていくことになります。

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記者:「母親はどんな様子だった?」

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職員:「お母さんは戸惑って、泣いていました。親御さんに何か罰を与えるとかということではなくて、子どもが安全に家で生活していくためにはどうしたらいいかということを一緒に考えていきたい」

 

課題山積  求められる体制整備


 こうした「一時保護」は近年、増える傾向にあります。

大阪府全体でみると虐待で一時保護された子どもの数は平成28年は2148人で、前の年に比べて1割増えました。相談も増えているため、国や自治体は職員を増員しています。

大阪府ではこの春から6か所の児童相談所で15人増やしました。また大阪市は2年後の2020年に、3か所目の児童相談所を新設する予定です。

一方で、課題になっているのが家族で転居した場合の対応の難しさです。

東京・目黒区で5歳の女の子が死亡した事件でも引っ越しで児童相談所の引き継ぎが行われたあとに事件が起きていました。児童相談所に転居の連絡がないと、継続して対応することが難しいケースも多く、どこに住んでいても一貫して支援を行えるような体制が求められています。

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各地の児童相談所は、親からの相談も受け付けています。
番号は局番無しの「189」。「いちはやく」となっています。

「STOP子ども虐待」では今後も、虐待についてお伝えしていきます。

 

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