STOP! 子ども虐待

2018年05月11日 (金)

地域の力を活用

stop_3-11.jpgもし「虐待を受けているのかな」と思った子どもを、近所で見かけたら、皆さんはどうしますか。街で聞いてみました。

街の人①:「悩みますね。もしかしたら誤解だったらと思ったりしますし。すぐには通報できないです」
街の人②:「通報するかもしれないけど1人では判断しにくい」
街の人③:「しつけの一環で怒っているお母さんも多いから見極めが難しい」

 行政などに伝えることにはためらいがあるという声が多く上がっていました。

こうした現状から、地域に埋もれがちな虐待の兆候を1つでもすくい上げることはできないのか。ある取り組みを通して、対策のヒントを探ります。

 

門真市の取り組み「子どもの未来応援団」


「朝ご飯食べた人ー」
「はーい」

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大阪・門真市の岡本恒男さん。保育園の理事長をしながら、門真市の、ある取り組みにも協力しています。

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去年10月から始まった「子どもの未来応援団」。サラリーマンや主婦など700人余りのボランティアが、地域の子どもたちの気になる兆候に気づいた際、市役所への連絡役を務めます。

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 社会からの孤立を防ぐ


市役所は寄せられた情報を児童相談所や学校と共有し、連携を取って対応策を探ります。

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これまで、対応したのは56件。貧困対策から始まった事業ですが、虐待を疑うケースも寄せられているといいます。

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市の担当者:「問題がある子どもたちの家庭は社会から孤立しているケースが大半です。自分でいっぱいいっぱいだから子どもの面倒をみられない。社会からの孤立を防ぐためにもつながりを作って助け合う社会を作っていくことが必要だと思っている」

 

自分でできることは動きたい


応援団の中でも、ひときわ熱心に活動する男性がいます。飲食店を経営する中山文寛さんです。店の定休日には「たまり場」と名前を変えて開放し、月に数回、食事や遊ぶ時間を提供しています。地域の人たちに支えられて育ってきた経験から、今度は自分がその役割を担っていこうと考えています。

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中山さん:「僕自身も40超えてから、そういうおっちゃんおばちゃんに世話してもらったという感覚が分かってきたので。動かないよりは自分でできることは動きたいなと」


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子ども:「おっちゃん、余ったのあげるわ」

中山さん:「ありがとう。けどかつおぶしかけてくれ」

 
地域での取り組みを始めた直後、中山さんがはっとする出来事がありました。「たまり場」に顔を出していた小学1年生の男の子が夜中に1人で泣きながらやってきたのです。家出をして、歩いてきたという男の子。地域の大人と子どもの関係が薄れていると感じました。

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中山さん:「もし、その子が住んでいる地域の中でおっちゃんおばちゃんとかに声をかけられる状況なら多分、僕の所まで来なかったと思う」

 
ふだん言えないようなことを話してもらえる関係作りが大切だと気づいた中山さん。このため、「子どもの未来応援団」の活動でも、子どもたちの話に耳を傾けることを心がけています。今では「たまり場」に訪れた子が家の事情を話してくれるまでになりました。

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子ども:「お母さんがお父さんとケンカして、違うところにいる。でもたまに会えたりする」

中山さん:「あるとき急にスイッチが入ったようにしゃべり出す時があるんですよね。そういうときはずっと聞いています。ちょっとした仕草というか、そういう部分を拾っているというか。基本はだって、みんなお父さんお母さん大好きですから、言わないですよ、悪口言わないです」

 

子ども達がなんでも話せる大人を増やす


応援団の活動を半年ほど続けてきた中山さん。何気ない会話から子どもの異変に気づき、市役所に連絡したこともありました。埋もれがちな虐待の情報を地域ですくい上げるには子ども達がなんでも話せる大人を増やす必要がある。

中山さんは今、大人たちも気軽に参加してお互いに話のできる場所を作ろうと考えています。

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会議中の中山さん:「そういう居場所が常にあるんだということは、子どもたちに周知することで、何かあったときにここに行けばいいなと分かれば、次の展開があると思う」


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中山さん:「なんらかの形でほんまに無理のない程度でいいんで、何かそういう形で参加して頂ける場を僕らがどう作っていくかにかかってくると思います。ずっとやり続けるしかないですね」

 

中山さんは今後、地域の大人と子どもが交流できるようなイベントを開いて徐々に輪を広げていきたいと話していました。門真市によりますと、地域住民からボランティアを募って、子どもたちの情報を集めるような自治体の取り組みは全国で初めてです。

今後は門真市をモデルケースにしながら大阪市でも同様の取り組みが始まる予定だということです。


各地の児童相談所は、虐待に関する親からの相談も受け付けています。
番号は局番無しの「189」。「いちはやく」となっています。

「STOP子ども虐待」では今後も、虐待についてお伝えしていきます。

 

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