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沖縄県天然記念物 在来家畜 チャーンを愛して

  • 2024年05月28日

沖縄県の天然記念物『チャーン』。琉球王国の時代から親しまれてきた沖縄の固有種です。世界で唯一とも言われる貴重な鳴き声の魅力を義村聡志アナウンサーが取材しました。

どうもどうも。高校時代にはクラスでの笑い声が、2つ隣の教室まで響いていて、もう少し小さな声で笑えないかと注意をされていた義村です。さあ、今日はニワトリの話題なのですが、このニワトリのが面白いんです。沖縄にしかいないとってもユニークなニワトリ『チャーン』をご紹介します!!(WEB記事なので頑張って声を文字でお伝えします。できるかな笑)

チャーンって?

県指定の天然記念物『チャーン』

琉球王国の時代に中国や東南アジアからやってきたといわれていて、今では沖縄にしか残っていません。

なんといっても最大の特徴が鳴き声!!

一般的なニワトリは「コケコッコー」と鳴くのに対し、

チャーンは「ケッケーーーーーー、クェッ!!!!」

と長く鳴き、鳴き終わりに一拍空けて、声をひねり出すようにもう一回鳴きます。
 

まるで歌っているように聞こえることから『ウタイチャーン』とも呼ばれています。
 

観賞用として、琉球王国では士族や裕福な商人が鳴き声を楽しんだといわれています。

チャーンを愛して

この鳴き声に魅せられた人が嘉手納町にいます。
 

チャーン保存委員会・会長の照屋林吉(てるや・りんきち)さんです。自宅で15羽のチャーンを飼っています。
 

チャーンの美しい鳴き声に魅せられて、25年前から飼育をはじめました。

この声を後世に残そうと、展示会を開くなどして、チャーンの保存に取り組んできました。

チャーンの好きなところはどんなところですか?

好きなところは、やっぱり朝一番の歌声ですね。 

元気に歌ってもらうために、とっておきのエサを与えています。それが、、

ニガナです。

チャーンはニガナが好きみたいで、特に産卵期には、いつまでも食べるんですよ。

沖縄の伝統野菜ニガナ。チャーンは雑食で何でも食べますが、ニガナは栄養価が高く、食べるとチャーンが元気になるのだそう。

 

そしてチャーンはきれい好き。

庭には、体についたダニをとるための砂風呂もあり、チャーンにとって、過ごしやすい環境が整えられています。

愛情をたっぷり受けた照屋さんのチャーンは、鳴き声や形の美しさを競う大会で11回も優勝しています。

この時は最新の賞状は届いていないので10枚でした。

では、大会優勝の常連だというチャーンの歌声をどうぞ!

私たちの前で、大きく長く美しく、見事に歌い上げてくれました。

昔は古典音楽をする方々が、主にチャーンを養っていたみたいなんですよ。チャーンの声を聴きながら三線を弾き、おそらく心のよりどころだったと思いますよ。この歌声を変えるわけにはいかない。チャーンを保存していくのは私の使命だと思っています。

生物学的に希少なチャーン

どうしてチャーンの鳴き声は特殊なのか。動物の声のメカニズムを研究している新村毅教授にききました。

チャーンってコケコッコーの後にコッコって鳴きますよね。ニワトリは世界中に何百種といるんですけれども、おそらく世界で唯一、発声のパターンが違うニワトリなんです。遺伝子の配列情報を比較していくと、ニワトリの中で、チャーンだけが違うポイントっていうのがあるんです。

チャーンを他の品種と交配させる実験を何回かやっているんですけれど、どの品種を混ぜても、チャーンの特有の声は、その子どもには残らないんですよね。

なのでチャーンとチャーン同士を交配させてずっと維持しないと、チャーン独特の発声パターンというのは維持されないんです。ここまで、何十年何百年にわたって維持してきたっていうのは、愛好家の方々の努力の賜物だろうなと思いますね。

しかし、現在飼育者が減り、30年前に300人いたと言われる愛好者は、今では30人、250羽ほどにまで減っています。

保存会の照屋さんは、鳴き声が大きいチャーンならではの飼育の難しさがあると話してくれました。

チャーンは朝から歌います。なかには夜勤の方もいらっしゃるし、昼間寝ている方もいます。生活様式も多様になるなかで、あと10年、20年もしたらどうなるかなとちょっと心配してます 。 

チャーンを知ってもらうために

チャーンのことをもっと知ってもらうために、この春、県内の動物園・沖縄こどもの国に照屋さんのチャーンが生んだ卵が譲渡されました。

今では10羽以上のひなが元気に育っています。

この日も見に来ている人が

チャーンはどうですか?

かわいい!

飼育員の島田さんに懐いているチャーンのひな

動物園も、これほどのひなの育成経験はなかったということで、ノウハウの蓄積に務めています。


保存会の照屋さんは、うるま市と一緒になってチャーンの譲渡も行っています。うるま市文化財課 から保存会へとつながるということです。

鳴き声を愛でるニワトリ『チャーン』。私も取材をしていくなかで、徐々に良い鳴き声かどうかの聞き分けができるようになりました。みなさんにも、このWEB記事でチャーンの美しい声が伝わりますように。チャーンのような美しい声を目指して私も頑張ります!!ではまた!

  • 義村聡志

    アナウンサー

    義村聡志

    京都府出身
    2021年入局
    2023年8月沖縄局に赴任

    チャーンの声を聞き過ぎて、声マネができるようになりました。

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