写真家たちは45年間の
沖縄の姿をどう捉えたのか
沖縄では1972年の本土復帰以降、世界的にも評価の高い写真家たちが独自の視点で沖縄の姿を撮影しており、現在も多数の写真家が活躍しています。本展では彼らの写真約150点により、本土復帰から今に至る沖縄の姿を大規模に展観します。
沖縄では1972年の本土復帰以降、世界的にも評価の高い写真家たちが独自の視点で沖縄の姿を撮影しており、現在も多数の写真家が活躍しています。本展では彼らの写真約150点により、本土復帰から今に至る沖縄の姿を大規模に展観します。
展覧会ディレクター・作品選定を務めるのはー昨年「第40回木村伊兵衛写真賞」を受賞した石川竜一さんです。1984年生まれの気鋭の写真家が、先輩たちがどのように沖縄を写したのか・自分たちはどう写すのかをたどることで、復帰当時を知る人はもちろん、当時を知らない若い世代にも興味を持ってもらえる内容です。
戦後、経済の発展と沖縄の観光地化との関係によって、沖縄を捉える写真のイメージは強く固定され続けてきた。海や自然といった観光的イメージから、文化を示すような古い町並みや島々、老人たちのイメージ、それらの対局にある現代のイメージとしての基地や社会問題のイメージまで、社会を中心としたイメージは、社会的価値を持っているが故に消費されやすく、それが沖縄のイメージとなっていった。
しかし世界的にもそうであるように、写真の立場は、社会のなかの個人という立場から、個人から考える社会という立場に時代とともに変化してきた。もともとは、自然のイメージをとっても、島々や老人のイメージをとっても、社会問題のイメージをとっても、それぞれの時代の、それぞれの人々にとっての必然性から生まれたものであり、社会的な消費に耐えられるものは個人の存在の強さでもある。
復帰後、沖縄においても、これまでに見られた社会的立場を中心とした写真に加えて、より個人的な表現としての写真活動が活性化してきた。その結果、写真表現は方法や形式の呪縛から解放され、それぞれが互いにより深い意味を持つものとして存在することができている。写真はもっと自由になれるし、その方がより大切なものが見えてくると信じたい。
1984年沖縄県生まれ。沖縄国際大学卒業。2012年、「okinawan portraits」で第35回写真新世紀佳作受賞。2015年、写真集「絶景のポリフォニー」「okinawan portraits 2010-2012」で第40回木村伊兵衛写真賞受賞。同年、日本写真協会賞新人賞を受賞。その他に、宇多田ヒカルや福山雅治など様々なアーティストの写真も手がける。
石内都
石川直樹
石川真生
伊志嶺隆
大城弘明
白岡順
染谷學
平良孝七
津野力男
東松照明
楢橋朝子
野村恵子
萩原義弘
比嘉康雄
比嘉良治
平敷兼七
蒔田恵理
水島源晃
港千尋
森山大道
山田實
勇崎哲史
新垣一也
石川竜一
伊波一志
伊波リンダ
氏家聡
亀山亮
タイラジュン
豊里友行
中川大祐
長崎健一
七海愛
初沢亜利
松本太郎
宮里秀和
<日時>平成29年4月29日(土・祝)午後2時~
<会場>沖縄県立博物館・美術館 3階講堂
【第1部】
県民ギャラリー出品作家よるフリートーク
登壇:石川竜一、県民ギャラリー出品作家
【第2部】
沖縄の写真を取り巻く環境と今後についてのトーク
登壇:石川竜一、タイラジュン(県民ギャラリー出品作家)、仲嶺絵里奈(写真史研究所 研究員)、町田恵美(エデュケーター)、秋友一司(galleryラファイエット)
コレクションギャラリーの入場には観覧券が必要
一般310(250)円、高校・大学生210(170)円、県内小学・中学生無料、県外小学・中学生100(80)円
〒900-0006 沖縄県那覇市おもろまち3丁目1番1号
沖縄都市モノレール(ゆいレール) おもろまち駅 徒歩10分
【那覇空港発 99番線】おもろまち3丁目より徒歩5分
【那覇空港発 120番線】上之屋より徒歩10分
【市内線 3・7・10番線】県立博物館前
【市内線 6番線】那覇メインプレイス東口より徒歩5分
【市外線 バイパス経由】おもろまち駅前より徒歩10分
【おもろまち行】おもろまち1丁目より徒歩3分