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創志学園で初のセンバツへ 甲子園優勝4回の名将 門馬敬治監督

NHK岡山「もぎたて!」リポート
  • 2024年03月19日

センバツ高校野球に7年ぶり4回目の出場となる創志学園を率いる門馬敬治監督。神奈川の名門・東海大相模高校を4回甲子園優勝に導いた名将が、2022年の就任以来、創志学園では初めて甲子園で指揮をとります。2023年の夏の県大会はまさかの1回戦敗退と厳しい船出となったチームをどう立て直し、センバツ出場に導いたのか。門馬監督に聞きました。
(岡山放送局記者 山田俊輔)

東海大相模で4回の甲子園優勝

高校野球界で知らない人はいないのではないでしょうか。門馬敬治監督、54歳。1999年に神奈川の東海大相模の野球部監督に就任し、2021年に退任するまで、春夏あわせて12回の甲子園出場、4回の優勝に導きました。2022年の夏の大会が終わったあと、創志学園の監督に就任しました。

(門馬敬治 監督)
「再び高校野球の指導に携われるという非常にうれしい気持ちと同時に、新しい環境でスタートすることに不安もあった。ただ、もう一度グラウンドに立てることを考えると、期待やワクワク感などこれからどのようにしていこうかという気持ちの方が強かった。一方で、選手たちは「どんな監督なのだろう」と僕を観察する様子だった」

大切にするのは“基礎・基本の徹底”

輝かしい経歴を持つ名将も創志学園での船出は厳しいものでした。就任直後の2022年の秋の中国大会はベスト8でセンバツ出場を逃し、「今回こそは」と臨んだ2023年の夏の岡山大会は、まさかの1回戦敗退と結果が振るいませんでした。門馬監督は当時のことを「実力も試合で勝つための経験もすべてが足りていなかった」と振り返ります。そんな“どん底”だったチームを立て直すために取り組んだのは、東海大相模でも大切にしてきた“基礎・基本の徹底”でした。

(門馬敬治 監督)
「変えることがすべてではない。もちろん、変えなければいけないところはあるが、僕は一貫して、どのチームでも“基礎・基本”を一番大切にしてきた。“基礎・基本”がないところにいくら上積みをしてももろさが出てしまう。逆に、それがしっかりとできていれば、いくらでも強くなることができる。新チームになったから“基礎・基本”をやっているわけでもないし、負けたから“基礎・基本”をやっているわけでもなく、いつでも変わらず“基礎・基本”を徹底することが大切だ」

キャッチボールやランニング、トスバッティングといった練習を何よりも大切にして、投げる、取る、走る、打つという基本的なことが確実にできるよう、選手たちに“基礎・基本”を徹底的に教え込みました。

“いつも通り”することの難しさ

いくら練習で“基礎・基本”ができても、本番でできなければ意味がありません。甲子園を何度も経験してきた門馬監督は、大舞台で“いつも通り”プレーすることの難しさも感じています。

(門馬敬治 監督)
「3月13日に甲子園球場で練習をした。選手たちは“やってやるぞ”という気持ちで張りきりすぎてミスを連発した。最も大切なのは普段のグラウンドと同じようにプレーすること。特別な試合になると、心配にもなるし無理もする。何度も甲子園を経験している僕でも、甲子園の土を踏むと感激してしまった。だから、初めてプレーする選手たちの気持ちが高揚するのも分かるが、甲子園という特別な場所でも“いつも通り”プレーできる選手たちが勝ち上がっていく」

選手のグローブには“笑顔”の文字

ふだんから甲子園をイメージして練習ができるように、門馬監督は3月13日に割り当てられた甲子園での練習で、多くのチームが行うバッティング練習ではなく、あえて走塁練習を行いました。その狙いを次のように話します。

(門馬敬治 監督)
「選手たちには、土を踏みしめた感触やヘッドスライディングをして体に土がつくことなどを通して、甲子園を感じてほしかった。そうすることで、岡山に戻ってからも、その感覚やイメージを忠実に思い描いて練習することができる。日常を特別な場所に近づけていく。これができるチームが、僕が考える強いチームだ」

目指す“アグレッシブ・ベースボール”

“いつも通り”プレーするために、門馬監督が掲げるチームスローガンが“アグレッシブ・ベースボール”です。どんな状況でも受け身にならず、積極的に仕掛けていけば、おのずと自分たちのペースになり、“いつも通り”を貫けると考えるからです。

(門馬敬治 監督)
「何かが起きるのを待つのではなく、“何かを起こす”という姿勢で攻め続けてほしい。塁に出た選手には、積極的に次の塁を狙うために、リードを取るなどして相手にプレッシャーや揺さぶりをかけることが必要だ」

東海大相模を春夏あわせて4回の甲子園優勝に導いた門馬監督ですが、今回のセンバツの目標を聞いても「日本一」ということばは出てきませんでした。「選手は日本一を口にしていますが?」と尋ねると、短くこう返ってきました。「難しいですもん」。日本一の難しさを知る門馬監督だからこそ、この言葉の重みを感じずにはいられませんでした。

(門馬敬治監督)
「自分自身ももう一度、甲子園に立つことができ、すごく幸せなことだと思っている。ただ、出場することが目標ではない。その先に道がある。その道を歩いていきたい。選手たちには、相手チームより技術が劣ったとしても、体力が劣ったとしても、心だけは負けないでほしい。それが目標だ」

創志学園では初めての甲子園出場となる門馬監督がどのような指揮をとるのか。その初戦は、大会3日目、日程が順調に進めば、3月20日の第1試合、21世紀枠で春夏通じて初出場の北海道の別海高校との対戦です。

  • 山田俊輔

    岡山放送局 記者

    山田俊輔

    石川県出身
    2017年入局 初任地は静岡
    2021年に岡山局に
    岡山県政やスポーツなどを担当

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