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防災!西日本豪雨から5年。水害から子どもと一緒に逃げて守る

水害が予想されるとき子どもと一緒に避難して命を守るにはどんなことが必要か、専門家などに聞きます。
  • 2023年07月04日
坂田

きょうは、こちらの「防災おやこ手帳」を参考にお伝えします。手帳を作ったのは、倉敷市真備町の川辺復興プロジェクト「あるく」のみなさんです。代表の槙原聡美さん、そして監修された、香川大学准教授の磯打千雅子さんにうかがいます。槙原さん、冊子を作られた背景は?

槙原さん

西日本豪雨災害を経験したお父さん、お母さんたちにアンケートをとり、大切なポイントをたくさん教えてもらいました。それを凝縮してこの冊子をつくりました。

坂田

磯打さんは、専門家として、どんなことに注意して監修されましたか?

磯打さん

ふたつあります。ひとつは皆さんが経験されたことをきちんと、この手帳にいれること。もうひとつは読みやすくてコンパクトにするということです。

坂田

手帳にはパパママの経験談が掲載されています。 娘の「怖い」のサインを大切にしてよかった!というのは、具体的にどういったお話だったのでしょうか?

槙原さん

ママとお子さんがお家にいらっしゃって、後でパパが帰ってきたんですが、ママは避難したほうがいいかなと思っていたけど、なかなかパパが避難しようという気持ちになれなかったんです。最終的には子どもの「こわい」ということばで避難に結び付いたんです。ただ、その時には渋滞が始まっていたり避難所がいっぱいだったり、安心してとどまることができる避難所が見つけられなかったという経験が書いてあります。

坂田

これらの声を受けて、手帳には参考にしてほしいというポイントがたくさん書かれています。まずは「マイ避難先」を考えよう!とあります。
実は、私、先日、子どもと一緒に避難の練習をしました。近くの公民館まで行ってみたのですが、大人だと4分ほどで行くことができる場所でも、子どもと歩くと15分もかかってしまいました。

槙原さん

避難を考えたときに、公的な避難所をイメージしがちなんですけれども、そもそも、避難所に全員が避難できるとは限らなくて定員オーバーになることもあります。子どもを抱えての避難となれば、やっぱり安心できる場所を避難所以外にも考えておくことが大切かなと思います。

坂田

マイ避難先リストとして、アウトドア避難、プチご褒美避難などユニークな名前が書いてありますね、これはどういうことでしょうか?

磯打さん

避難というと具体的なイメージがわきにくいと思うんです。でもアウトドア避難だとキャンプっぽいことかな?とか、避難所避難だといわゆる公的な避難かな?とわかりやすいので、避難行動を具体的に考えるときに活用していただきたいです。

坂田
 

プチご褒美避難は、平常時にできそうですよね。ちょっとホテルに泊まってみるとか…。そして、そこが将来、避難先になるかもしれないですもんね。

坂田

つぎは、避難スイッチを決めるとありますが、私も避難の練習のときになかなか子どもが、家を出なかったんです。靴を履いてくれない、履いたと思ったら左右逆に履いていたなど…それだけで、時間もかかってしまう。いつ避難したらいいんだろうと思いました。

槙原さん

私たち大人になってくると避難することが、おっくうになってしまったり、頭で考えすぎてしまったりしてしまうことがあるんです。でも、子どもたちは雨がたくさん降ったりエリアメールがいっぱい鳴っていたりすると「怖い」と表現してくれる。それがきっかけで避難に結び付いたという家庭がけっこうあるんです。早めの避難にもつながるので、子どもたちの声を大事にしてほしいなと思います。 まずは準備から始めてほしいなと思いますね。

磯打さん

先ほどのマイ避難先を複数決めていただくことがとても大事です。避難先を逆算して考えてほしいです。避難する場所が決まれば、それに合わせて何を持っていくか、ホテルなら寝具は必要ないでしょうし、友達の家であれば自分のパジャマとかが必要かなと思います。避難する先が決まればそこまで何で行くのか、少し離れたところであれば車で行かなくてはならないので、渋滞を考えると早めに出なくてはならないとか、手段も決まってきます。そうすると物も決まって、手段も決まって、かかる時間もわかるので、逆算して何時頃出ればよいかも考えやすいかと思います。

坂田

磯打さん、避難スイッチは押し合うものと書いてありますね。

磯打さん

なかなかひとりで避難するのは難しいので、ぜひ、避難どうする?とお互いに避難スイッチを押し合うのは大切だと思います。

坂田

そして3つめのポイント。「持っていくもの」を準備しておこう!

槙原さん

まずは、子どもが安心できるものを用意してほしいと思います。 慣れていない場所にいくので緊張して食べられないお子さんがいらっしゃったんです。栄養面も心配かもしれないけれど、まずは、子どもたちが気軽に口にしてもらえるような、お菓子やジュースを用意しておくのもよいなと思います。また、子どもが安心して過ごすことができるように、おもちゃなども用意しておいたらよいと思います。そこにもポイントがあって、お母さんやお父さんがこの子はこれが好きだろうと用意していたものが、実は違っていたことがあったんです。子どもに、何を持っていきたい?と聞いて、できれば「このバッグの中に好きなものを入れていいよ」と言ってあげて、その子なりの避難バッグを作らせてあげるとよいかなと思います。

磯打さん
 

普段と違う状況をつくらないということがとても大切だと思います。いつもどおり過ごせる、そういった配慮の中で「いつも使っているおもちゃ」で「いつもどおりの場所」で「いつもどおりのことができる」んだよという環境を大人が用意してあげると子どもも慌てずにすむ。なにより、子どもが落ち着いていれば、親の私たちも安心して過ごすことができるので、おもちゃを持っていくなどするということは、すごく大事だと思いました。

坂田

きょうは、水害から「逃げて守る」という視点でお伝えしてきました。
ポイントは
★複数のマイ避難先(事前に行ってみる)
★避難スイッチ(逆算で考える、子どもの視点で考える)
★持ち物(子どもと話し合って安心できるものを持っていく)
 ぜひ皆さんも参考にしてみてください。
槙原さん、磯打さん、ありがとうございました。

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