【トリニータvsロアッソ 見どころざっくり解説】
西岡遼
2023年05月11日 (木)
今週13日(土)は九州ダービー。J2第15節 大分トリニータvsロアッソ熊本です。
トリニータにとってロアッソ熊本は、去年のJ1参入プレーオフ1回戦でJ1復帰の道を断たれ、悔しい思いをした相手。
そのときの雪辱を果たす戦いです。
NHKでは大分県と熊本県の皆さんに午後2時50分から中継でお伝えします。
実況を担当する、私、西岡遼が試合の見どころを紹介します!これを見ると、試合観戦がさらに楽しめるかも。
【前線からのプレスで攻撃的に! 大分トリニータ】
今シーズン、好調を維持する大分トリニータ。3連敗したこともありましたが、ここまで14試合を終えて9勝1分4敗とし2位につけています。チームを率いるのは2シーズン目の下平隆宏監督。昨シーズン同様、高いボール保持率で試合を優位に進める攻撃的なサッカーです。その中でも特徴的なのが以下の2点です。
・前線から果敢にプレスをかけて、高い位置でボールを奪うこと。
・攻守の素早い切り替え。
ボールを奪われたらすぐ奪い返す、そして、奪ったらすぐに攻撃に切り替える。いずれも選手には豊富な運動量が求められますが、目まぐるしい試合展開は、見ていてとても面白いサッカーだと思います。
【スタイル不変のロアッソ熊本】
一方のロアッソ熊本。昨シーズンは、あと一歩で、こちらも悲願の「J1昇格」というところまでいきました。今シーズンはここまで5勝5分4敗で11位ですが、このところ連勝中と調子は上向きです。昨シーズンの中心選手の多くが他のクラブへ移籍しましたが、チームを率いて4シーズン目の大木武監督のスタイルは今シーズンも変わりません。大木監督のサッカーは徹底的にボールをつなぎます。そして素早いパス回しで相手を崩すほか、ドリブルで中央突破を狙います。
【トリニータ、勝利のポイント】
ともに好調なチーム同士の対戦。トリニータが勝つためのポイントになりそうなのは、
① サイド攻撃とセットプレーでの得点
② 前線からのプレスで相手に自由を与えないこと
もちろん中央攻撃もありますが、得点としてはサイド攻撃と、
DFの安藤智哉選手(1m90cm)や同じくDFのペレイラ選手(1m84cm)といった高さを生かしたセットプレーや、MFの高畑奎汰選手の精度の高いフリーキックからのゴールが多くなっています。サイドにボールが入ったときやセットプレーは、目を離せません!
また、多くの選手から聞かれるのが「相手にプレッシャーをかけて、ペースを乱す」ということです。そのためには、今シーズンのトリニータが掲げる「前線からのプレス」が重要になってくると言えます。特に1トップのFW、伊佐耕平選手は、最前線で相手選手を追いかけ、連動したトリニータのプレスのスイッチを入れる大事な役目を担います。ボールを持った相手を懸命に追う伊佐選手の動きにも注目です!
下平隆宏監督は試合2日前の取材で「去年のプレーオフの時に比べると、今季開幕から継続している“前線からのプレス”と“攻撃の組み立て“は質が上がっている」と手ごたえ十分でした。
また、前節の金沢戦は勝ったものの、失点が3だったことを重く受け止めていて、守備の徹底をもう一度意識づけして熊本戦に臨むとのことです。
解説は、片野坂知宏さん(大分トリニータ前監督)と、巻誠一郎さん(元日本代表FW、ロアッソ熊本で5年間プレー)という豪華な2人です。キックオフは午後3時。両チームの意地がぶつかり合う”九州ダービー”、是非ご覧ください。