センバツへ!一回り大きくなった大分商業
西岡遼アナウンサー
2023年03月17日 (金)
3年ぶり7回目のセンバツ出場となる大分商業。
春夏通じて22回目の甲子園は、県内最多です。
センバツに向けて、持ち味の守備力に加えて打撃力向上に努めるチームを取材しました。
堅い守備でつかみ取ったセンバツ出場
大分商業の伝統は堅い守備。WBC日本代表の源田壮亮選手もこのグラウンドで鍛えられました。
その伝統はことしのチームも継承しています。
秋の公式戦の失点は、1試合平均1.5点。しまった試合運びでセンバツ出場をつかみました。
守りの中心は2人の投手
先発をつとめるエースの児玉迅(こだま・じん)投手は、
ストレート130キロ台中盤ですが、バッターの手元で伸び、切れ味で勝負します。
この冬は、主に下半身を鍛え、終盤でも球威が落ちない体づくりに取り組みました。
児玉投手
「まっすぐには自信があります。球速以上のものを出してバッターをつまらせて打ち取るのが強みだと思います。練習してきた分、
自信はありますし、甲子園という舞台に向けてしっかり仕上げていきたいと思います」
ピンチの時にチームを救うのが、飯田凜琥(いいだ・りく)投手。
秋は出場6試合全てリリーフで登板。防御率は0.96でした。
決め球は、バットの芯を外す鋭いスライダー。
さらにこの冬、スライダーとは反対方向に曲がる変化球など、
新しい球種を習得し、バッターに狙い球を絞らせません。
飯田投手
「甲子園でもピンチでマウンドに上がることがあると思います。抑えてしまえば流れを全部こっちに持ってくることが出来るので、負けん気で強気のピッチングをしていきたいです」
勝利のカギは打撃力向上
一方の攻撃。
ランナーが出るとバントや進塁打でチャンスを広げて点を奪うのが大分商業の野球です。
秋の公式戦はホームラン0と長打力こそありませんが、8試合で76本のヒットを打っています。
去年8月に就任した那賀誠監督は、
打撃力のさらなる向上が甲子園で勝ち上がるポイントと考えています。
那賀監督
「非力だったんです。九州大会の他の出場チームは力強くて、
打線全体としては格段に体格も太さという面で劣っていたんです。
九州大会を終えて、選手たちももっとしっかり体を作ろうという意識は高くなったと思います」
ウエイトトレーニング強化!
そこで、この冬はウエイトトレーニングに力を入れてきました。
器具も新調し、週2日程度、90分。
打撃や守備の練習を削って筋力アップに時間を割きました。
さらに、月1回は県外の専門トレーナーから指導を受け、トレーニングの質を高めました。
こうした成果を特に感じているのが、4番の羽田野颯未(はだの・かざみ)選手です。
羽田野選手
「秋の時は160㎏ぐらいのバーベルを担いでスクワットをするのが限界だったんですけど、
今では200㎏担いだ状態でスクワット出来るようになりました。
以前はズボンがOサイズだったんですけど、太ももが大きくなって、XOサイズにあがりました」
トレーニングの結果、打球のスピードと飛距離が大きく伸びました。
他の選手も体重が平均5~6キロ増え、強い打球が打てるように。
攻撃のバリエーションを増やした大分商業。
持ち前のつなぐ野球を進化させ、甲子園に臨みます。
いざセンバツへ
大道主将
「要所で一発も出せる力もついてきました。
小技と一発のバッティングを絡めながら1点ずつ重ねていきたいと思います。
守備から流れを作って攻撃につなげていく自分たちの野球ができたらしっかり勝てると思います」