いまや家族の一員! ペットの老後を見守るには?
西垣 光(いろどりOITAキャスター)
2022年11月18日 (金)
みなさんは犬や猫など、ペットを飼っていますか?
上のグラフは
飼われている犬と猫の寿命の推移を調べた調査の結果
体の大きさなどにもよりますが
この10年で
猫は1.3歳、犬は0,78歳のびているということなんです
そうなると今度は
寿命がのびたペットの“老後”を
どのようにしていくのか、という課題が
私たち飼い主に問われることになっているのです
今回は大分市内で
よりよいペットの老後に向きあっている人たちを取材してきました
大分市内のドッグサロンです
ここでは犬のしつけ教室のほかに
年をとった老犬むけの介護支援などをおこなっています
ペットを介護するうえで大切になることはなにか
スタッフの木原今日子さんはこういいます
「覚悟」と「お金」と「体力」
どれも大切だけど、みんなつながっていて
結局、「お金」が必要になりますよ、という「覚悟」でもあるし
「体力」がないと介護の期間がどのぐらいになるかわからないので
その「覚悟」
こちらはスタッフが飼っているトイプードルのディディー君
年齢は18歳
人間では90歳を超えているそう
自力で体勢を変えたり、歩くことが難しいため
歩行器をつけての生活
家に残してくると心配なため、店に連れてきています
ここには仕事などの間、ディディー君のような犬を預ける人もいます
木原さんは、いま世話している犬や
自身の飼い犬を介護した経験から
ペットを飼っている人にこういうといいます
私ももう亡くなった犬を1年介護しました
その子のあとに犬を飼う時に
自分の年を考えて、
大きさと犬種と年を考えて次の子は飼いましたけど
その前の子のことがあったからそうやって考えたけど
初めて犬を飼いますというときに、そこまで思っている人のほうが少ない
確かに…
みなさんはどうですか?
ペットを飼いたい!ということにだけ意識がいっていて
飼った後のこと、とりわけ老いてきたペットとどう過ごすか、
そんな先のことまで考えないですよね
でも、木原さんのことばから
“自分より確実に先に逝く存在”
と考えることも大切なんだと考えさせられました
そんななか、
年をとった犬の健康を気軽に相談できる場所を提供している人がいます
大分市内のペット関連グッズのお店です
ここにはある人を頼りに多くの飼い主が訪れます
本村あいさんは統一認定動物看護師の資格を持ち
6年半にわたって動物病院で数々の命と向き合ってきました
この日、本村さんのもとを訪れたのは
2匹のトイプードルの飼い主
飼い主:クレアチニンの数値が初めて高くてびっくりして
本村:クレアチニンの数値は少し上がりましたが
レンちゃんの体調は落ち着いてますよね
腎臓よく踏ん張っていると思います。
医師の診断書をみて飼い主と話し、寄り添いながら
人間のことばを発することができない犬の調子を見て取ります
そこにはこんなきっかけが…
(看護師時代に)病院で診察をして先生が話したことを飼い主さんが
頭が真っ白になって帰っていくのを見てきてたので
そのあとのほうが気になったんですね、仕事しているうえで
それで、どちらかというと今後そういう飼い主さんにできること
自分がわかる範囲で飼い主さんだったらこうやってできるんだよと
伝えていくほうが私の中でおおきくなった
さらに食の面でも力強いサポートを行っています
佐藤佳枝さんです
人の管理栄養士と犬の管理栄養士、両方の資格をもっていて
犬の健康を考えたごはんづくりをしています
私たちと同じように安心で安全なものを
大切なワンちゃんにも食べさせてあげたいというのと
少しでもおいしく食べさせてあげたいなというのがあります
佐藤さんはもともと産婦人科医院で管理栄養士として働いていました
そのとき、離乳食づくりの指導をした経験を活かし
年をとった犬でも食べやすい食事を作っています
細かく刻んだり、こしたり…
食材は県内の農家が作ったものを使います
さらに…
こちらは安心院のすっぽん…なんともぜいたく…
本村さんと佐藤さん
専門的な知識を持つ2人のサポートが
年老いたペットの飼い主の不安を取り除いています
飼い主:犬はしゃべれないから。
人間だったら調子悪いとかご飯食べたくないとか言ってくれるけど
犬は様子を見て想像するしかないから
相談して「こんなんだけど、どうだろう」というと
犬がしゃべらない代わりに本村さんがしゃべってくれる
本村さんは
年老いたペットとのこれからの時間に
しっかり向き合ってほしいと考えています
いままでこれしたから悪かったのかなと
飼い主さんはよく後悔するんですよね
診断された時点で後ろ向きの発想をしてしまう
でもそんな後悔している時間でも
毎日時間は過ぎてしまうので
そこにいかに向き合っていくか
心が折れそうになったらここにお話ししにきてねというんですけど
医療的なことじゃなくて、そっちのほうがより身近にしてあげられる
私が飼っていたミニチュアダックスフンドは
12歳まで生きてくれたんですが、
当時の私は大学生で実家を出ていました
たまに帰ると
昔ほど遊んでほしいとじゃれてこなくなったり
散歩の歩みもゆっくりになっていたり
いろいろなところで老いを感じました
今回の取材をしてみて、いま思えば
老いたペットとともに生きる時間が
濃い大切な時間だったんだなと思わされました
今回取材してみて
ペットについても
高齢化や介護という問題と
しっかり向き合う責任が
私たち飼い主には求められると感じました