ページの本文へ

  1. トップページ
  2. 気象・災害
  3. 水路から土砂崩れに? "身近な災害リスク"

水路から土砂崩れに? "身近な災害リスク"

執筆者のアイコン画像田淵 慎輔(記者)
2022年11月10日 (木)

水害といえば、降水量や河川の増水には多くの人が警戒すると思いますが、生活に身近な水路も“氾濫”することを想像したことはありますか? ことしの台風14号、県内ではひとごととは思えないことが起きていたんです。

 

思い出の家が全壊… 台風14号の土砂崩れ

221018_1.jpg

「本当に残念です。帰ってくる家がなくなってしまった。兄弟2人で育った家なので、家がないというのは考えられないです…。」

落ち込んだ様子で語るのは、渡邉幸次さん。

ことし9月、子どもの頃から家族で暮らしていた思い入れのある家が全壊しました。台風14号の接近で、豊後大野市に所有する住宅の裏山の斜面が崩れたためです。

要因と考えられているのが、斜面のすぐ上を流れる、あるものでした。 

221018_2.jpg

「まさか…」 農業用の水路が土砂崩れに影響

221018_3.jpg

その要因とは、青い線に沿って流れる農業用の水路。土砂崩れが発生した斜面のすぐ近くを流れています。

田畑に水を引くために欠かせないもので、農地にはどこにでもあります。

221018_4.jpg

横幅は数十センチと、何十メートルもある河川に比べれば、ごく小規模。ふだんの水の流れは穏やかですが、土砂崩れが起きたその日、渡邊さんは裏山の上で水路に異変が起きているのを目の当たりにしていました。

(渡邉幸次さん)
「こういう木切れが、水路にいっぱい詰まっているような状態でした。しかも、水があふれたような形跡があったんですよね。」

221018_5.jpg

別の住民が撮影した当時の写真にも、渡邉さんの証言どおりの様子が収められていました。写真の左手前にある水路が見えなくなるほど、草や木の枝が詰まっています。さらにこうした枝などが、水路から崩れた斜面に向かって流された跡も写っています。

221018_6.gif

水路と斜面を真上から見た画像です。あふれた水は矢印で示したようにまっすぐ斜面に注ぎ、赤い部分の土砂崩れを引き起こしたと考えられているのです。

自身も使っていた身近な水路と土砂崩れ。2つが関係していたことは、生まれた頃からこの場所で暮らす渡邉さんにとっても想定外でした。

221018_7.jpg

(渡邉幸次さん)
「こんなことは考えられなかったですよね。初めての経験で、水路から水があふれることも、それで裏山が崩れるなんてことも、全然考えていませんでした。」

 

身近なリスク 専門家“早めの避難を”

調査を行った大分大学の鶴成教授は「今回の土砂崩れは決して特殊な事例ではない」と指摘します。台風14号ではこのほかにも豊後大野市と由布市の少なくとも2か所で、農業用の水路からあふれた水が土砂災害につながったとみられています。

221018_8.jpg

(大分大学 減災・復興デザイン教育研究センター 鶴成悦久教授)
「農水路はあくまで農業用で、大雨が降ったときの雨水を運ぶものではないので、水路があふれてしまうことは頻繁にあると思います。今回の台風では、農村部で水路があふれて、その水が集中してしまって斜面が崩れるという現象が各地で見られています。」

 

では、どうすればいいのでしょうか。

鶴成教授は水路から水があふれないようにするのは難しく、より早く避難することが大切だと話します。

(大分大学 減災・復興デザイン教育研究センター 鶴成悦久教授)
「自宅周辺、あるいは裏山などの斜面の上にどのような水路が流れているのか。水路が過去にあふれたことがあるかどうか。そういったことを事前にチェックして『水路があふれたときには斜面が崩れるかもしれない』という“潜在的なリスク”を把握しておくとともに、早めの避難を心がけていく。そのことが、水路の災害リスクへの一番の対策だと思います。」

 

「大雨が降ったら斜面が崩れやすくなる」、そのことはよく分かっているつもりでも、「水路があふれて近くの斜面が崩れる」というのは意外にも感じられます。取材を進めていく中で、こうした土砂崩れの多くは局地的であることも分かってきました。

しかし、鶴成教授は「局地的な災害であっても命を奪う危険性に変わりはない」と話していて、今回のような土砂災害を「身近な、けれど最大のリスクが潜んでいる災害」だと表現していました。

221018_9.jpg

災害に結びつくとは思いもしなかった水路が要因となる土砂災害。今後、こうした場所の住民がいかに早く、安全に避難するかが課題となってきます。鶴成教授は、事前に避難した人など当時の住民の行動を聞き取るなどして、こうした課題にどう向き合っていけばいいのか検証したいとしています。

この記事に関連するタグ

最新の記事

障害に関係なくおしゃれを楽しむ~仲良し姉妹の大冒険~

日常的に医療的ケアが必要な人がいる家庭では、一緒に外に出かける機会が少ないといわれています。こうした人たちが一緒に楽しめる時間を持ってもらおうと、12月12日、大分市であるヘアメイクショーが開かれました。このショーに出演するのは、医療的ケアが必要な人と、その“きょうだい”です。こうしたショーが開かれたのは県内では初めて。出演したある仲良し姉妹に密着しました。 【おしゃれを楽しみたい!】 ヘアスタイルを整えられて笑顔の男性。この後向かうのは多くの人が待つステージです。ショーの主役は、人工呼吸器など日常的に医療的ケアが必要な人とそのきょうだいたちです。 ショーを企画したのは、重度の障害者などを受けいれる事業所で働く長野美幸さんです。自身も医療的ケア児の母親という長野さんは、普段働く中で、事業所の利用者がおしゃれについて複雑な思いを抱いていることを常に感じていたといいます。(長野美幸さん)「知らず知らずのうちにおしゃれって難しいことというか、しょうがないって諦めてしまっているお母さんたちが多い。でも、それって私は違うと思うんです。できないことって正直ないと思っていて。みんなが当たり前におしゃれを楽しめるっていうことをたくさんの人に知ってもらいたい」 【仲良し姉妹モデル 花ちゃんと日々ちゃん】このショーに参加する川﨑さん家族です。姉の花ちゃん(右)と妹の日々ちゃん(左)が出演します。 低体重で生まれた花ちゃん。生まれつき気管が狭く、入院中に窒息してしまいました。一命は取り留めたものの後遺症で脳性まひと知的障害があります。仲良しの日々ちゃんと一緒に出かけることがなかなか難しいといいます。それだけにショーの出演は、家族にとっても大きな意味がありました。  (母・川﨑桃花さん)「連れて行くならどちらか1人みたいな。両親が2人とも休みだったら家族そろって出かけるのは可能なんですけど、私だけだと2人連れて行くのは難しいから、ちょっと諦めようかなとか、花がデイサービスなどに預けてその間にちょっと下の子連れて行こうかなとか、そんな感じなので家族で参加できるのがすごくうれしいです」 花ちゃんと日々ちゃんはこの日を楽しみにしていたといいます。 (父・川﨑寛之さん)「花ちゃんは“花よりだんご”なので、花ちゃんは恥ずかしがるんじゃないかと思うんですけど、日々ちゃんは『アイドルになりたい』とか言うので喜ぶと思います」 モデルたちのヘアメイクを担当する美容師は普段から障害のある人に接する機会が多い人たちです。鏡の前に座った日々ちゃん。かわいくなっていく自分に大喜びです。 一方の花ちゃんは泣いてしまいました。心細さとうまく気持ちが伝わらず、もどかしさもあったのでしょうか? 心配した父親の寛之さんが励まします。 日々ちゃんもお姉ちゃんの横に寄り添い、お揃いのヘアメイクが完成しました。 【どきどきの本番】 多くの人が見守る中、ショーがスタート。  モデルたちが次々とステージに登場します。 (最後まで弟と手をつないで堂々と歩き切りました) (お父さんもとってもうれしそう)大好きなおしゃれをしたモデルたちの姿に会場は笑顔に包まれました。花ちゃんと日々ちゃんの出番はショーの1番最後。舞台袖でどきどきしながら出番を待っていました。長野さんに付き添われて車いすで登場する予定だった花ちゃん。出番が近づくにつれ、花ちゃんの様子に変化が……。  車いすから降り、立ち上がったのです。(長野美幸さん)「なんか『違う違う、いやだな』という感じだったんです。ほかの子が歩いているのを見て、立って足踏み始めて『花ちゃんもしかして歩きたいの?』って言ったら、『はーい』って手を上げて」 自分の足でステージを踏みしめたい。 その姿に桃花さんと寛之さんも手を振って応援します。 日々ちゃんが待つステージ中央までたどり着いた花ちゃん。この日一番の笑顔を見せていました。ステージで一緒に並ぶ2人の姿に両親も感無量の様子でした。  (母・川﨑桃花さん)「感動しました。まさか花が歩くとは思わなくて、ね。頑張ったね。日々ちゃんもかっこよかったよ。花と日々はなんだってできるねって思いました」(父・川﨑寛之さん)「よく歩いたな。よく頑張りました。かわいかったです」会場が笑顔で包まれた穏やかな時間。ちょっと早いクリスマスプレゼントとなりました。

執筆者 川又優キャスター
2023年12月22日 (金)

やみつき自転車旅 道の駅鯛生金山編

和田弥月です。やみつき自転車旅。大分県と熊本県の県境を巡るシリーズ。2回目の今回は、前回のゴール地点・蜂の巣湖から西へと進み、「道の駅鯛生金山(たいおきんざん)」を目指します。   ◆あの ❝カメルーン坂❞ 発見!!日田市中津江村に入ったところで目にしたのがこちらの坂!中津江村といえば、2002年開催のサッカー日韓ワールドカップの際、カメルーン代表のキャンプ地となったことで一躍有名になりました。それを記念して名付けられたカメルーン坂が、私の前にそびえたっています。かなり急で、長い坂だとウワサで聞いていたので、覚悟を決めて登ってみることにしました!  ◆いざ挑戦!! なかなかゴールが見えません。およそ10分間ひたすら登りつづけました!  やっとの思いでゴールインです! ◆カメルーン愛にあふれたキャンプ地へ     長い坂を上った先には、当時キャンプ地として使われていた「鯛生スポーツセンター」がありました。 出迎えてくださったのは、20年前のキャンプ開催当時からこの施設の運営に携わってきた津江みちさんです。センターのロビーには、カメルーン代表の選手たちの等身大写真パネルやサイン、応援グッズなどおよそ50点展示されていました。  津江さんに、カメルーンの選手たちは中津江村にとってどんな存在なのかを伺いました。 津江さん)「離れていてもいつも応援している、家族のような存在です」。 去年のワールドカップ、カタール大会でもカメルーンの試合を見て声援を送った中津江村の人たち。交流は20年経った今も続いています。 津江さん)「村のひとたちに当時の盛り上がりを思い出してもらって、村全体を活気づけるようなことがしたいです」 カメルーンと中津江村の結びつきの深さを知ることができました。   ◆いよいよ、道の駅鯛生金山へ    津江さんに見送られて出発!山道を走ること20分、いよいよ道の駅鯛生金山に到着です!    到着を待ってくださっていたのは「道の駅鯛生金山」の時松嘉彦さんです。  ◆まずはご褒美!ゆずはちみつソフト         まずは頑張って坂を上ったご褒美にスイーツをいただきました! 中津江村特産のゆずを使ったゆずはちみつソフトです!。ゆずの酸味とはちみつの甘さがよく合っていてとてもさっぱりした味わいでした!  ◆「金」推しの道の駅   「道の駅鯛生金山」は、国道442号線沿いにあり、金箔を使ったお菓子や金運アップグッズなど、金にまつわるグッズも多く置かれています。というのもここ鯛生金山は、かつて東洋一の金の採掘量を誇っていたそう。 昭和12年には、年間採掘量が佐渡金山を上回る2.3トンに達したこともあったそうです。  ◆旅の締めは、、砂金採り体験!  そして、道の駅イチオシが、砂の中からきらりと光る金を見つける、砂金採り体験です。私も実際に体験させてもらいました。 お皿で砂をすくって、水平に持ったまま回転させていきます。金は砂に比べて重いという性質を利用して、金と砂を選別していきます。          探し続けること10分、、なんと、金を見つけることができました!!この丸で囲んだところにあるキラリと光るもの、わかりますでしょうか?時松さんからは、「30分かけても見つけられない人もいるのに、10分で見つかるなんてラッキーですね!」とのお言葉を頂きました。旅の最後に最高のご褒美です! きれいな景色や美しい自然を楽しみ、2つの道の駅の魅力もたっぷり知ることができた旅でした。

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年12月10日 (日)

やみつき自転車旅 道の駅せせらぎ郷かみつえ編

アナウンサーの和田弥月です。やみつき自転車旅。今回は、大分県と熊本県の県境を旅した時の様子を2回シリーズでお届けします!大分県日田市に位置する「道の駅せせらぎ郷かみつえ」を出発し、「道の駅鯛生金山」を目指しました。 旅をしたのは新緑の季節でしたが、年間を通じて楽しめるグルメやアクティビティもたくさんありますよ♪◆スタートは「道の駅せせらぎ郷かみつえ」 日田市を流れる川原のほとりにある、道の駅せせらぎ郷かみつえ。その名の通り、川のせせらぎが聞こえてとてもリラックスできます。 案内してくれたのは、駅長の高畑龍之介さん。 直売所には、季節ごとの旬の野菜や食材のほか、水のきれいなところでしか育たない葉ワサビも並んでいました! ◆奥日田の特産 ジビエが大人気 この道の駅で一番人気の商品がこちら。 奥日田の特産品である猪の肉、ジビエを加工したみそ「ヂビミソ」です。 アツアツのごはんに載せて、さっそくいただきました!臭みが全くなく、和食にも洋食にも合いそうなおいしさでした。 高畑さん)野菜につけたり、パスタのソースとして使ったりと、いろいろな食べ方で楽しめますよ! ◆イチオシ! わさびソフト 高畑さん)特産の葉ワサビを使ったわさびソフトです。◆そしてもう一つの人気が「わさびソフト」です。色が緑がかっていますよね・・・。 勇気を出してなめてみると、わさび特有の鼻に来るツーンという辛みは全くなくて、後味にふわっとさわやかなわさびの風味が・・・。辛いのが苦手な私でも楽しめました。 ◆いざわさび畑へ! 道の駅の近くにわさびを生産している畑があるとのことで、高畑さんに紹介してもらって出発です。道中は川沿いを走りました。風が涼しくて気持ちが良かったです。 ◆わさび畑で涙!? 自転車を止めて山道を歩くこと15分。ようやくわさび畑に到着です!水の上に葉っぱが浮いており、かわいらしい白い花も咲いていました。 生産者の川村勝美さんが案内してくださいました。 川村さん)山奥まで来てもらったのはね、わさびは暑いところでは育たないからなんだよ。水につけて涼しい場所で育てているんだよ。一口食べてみて。 ということで、とれたてのわさびをいただきました! ソフトクリームが辛くなかったので思い切ってガブッ!とかじったところ、鼻の奥までツ~ン!!!涙が出ました。でも、とれたてわさびを味わうことができて、貴重な機会になりました。 ◆美しい景色を満喫! 川村さんにお礼を言って、再び自転車へ。青い空がどこまでも広がっていました! ◆熊本県側まで見渡せる絶景スポット           しばらく進むと、下筌(しもうけ)ダムと書かれている看板を発見!気になったのでちょっと寄り道。きれいな湖が広がっていました。蜂の巣湖です。湖沿いにも自転車にぴったりの道が整備されていました。 透き通ったきれいな水面、山の深い緑のコラボレーションは、まさに絶景!  この画像の奥は熊本県だそうです。 きれいな景色で今回の旅を締めくくりました。 次回は、蜂の巣湖を出発し、道の駅鯛生金山を目指します!グルメにアクテビティに盛りだくさんの旅をお楽しみに!  

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年12月09日 (土)

旬ドキ 大分県産の牛乳を応援!

★牛乳は季節によって味が変わる? ぶんドキキャスターの西垣です。季節によって牛乳の味が変わると聞き、竹田市久住町の農場を訪ねました。出迎えて下さったのは志賀拓馬さん。志賀さんは大学で畜産について学び、北海道で研修を受けた後、酪農業を継いで7年が経ちました。 志賀さん)夏場は、牛は水をたくさん飲むので、その分、牛乳はすっきりとした味わいになります。一方、冬は、牛にとって過ごしやすい時期になりますので、濃くおいしい牛乳に変化します。 季節によって、牛の過ごし方の違うため、生乳に含まれる乳脂肪の量も変わり、味に変化がでると考えられているそうです。 ★乳しぼりに挑戦!志賀さんの牧場では牛の首につけたタグで健康状態を把握しています。暑さに弱い牛にとって冬は過ごしやすくなる季節です。そこでこの時期はよく食べ、よく動き、よく眠る、という生活をおくっていることがデータからも分かるんだそうです。 そんな影響もあって、この時期はさく乳の量も増えます。牛のさく乳は1日に2回、普段は主に機械で行いますが、今回は私も体験させてもらいました。思ったより絞る際に力が必要なことにびっくり。コツをつかむまでに苦労しました。 志賀さん)全部で100頭分、毎日やっています!品質を確認するうえで重要な工程です。 ★手間がかかる牛乳づくり 一般的に、乳牛からお乳がとれるようになるまでは3年程かかります。出荷する牛乳の量を増やしたり減らしたりするのは簡単なことではありません。さらに近年は、飼料費や燃料費が高騰して、飼育環境の厳しさが増しています。 なんとかしようと、志賀さんは飼料の1つのトウモロコシを隣の畑で栽培し、少しでも自力調達ができるように努めています。しかし牛乳の需要はなかなか増えず・・・。 ★牛乳をもっとおいしく飲もう!そこで・・・志賀さんに牛乳にひと手間加えておいしく飲む方法を教えて頂きました。 志賀さん)かぼすのラッシー風ドリンクをつくります! 準備するものは、牛乳とはちみつ、それにかぼす果汁です。かぼすを加えるところが大分らしいですね! 作り方は簡単!全てをシェイカーにいれて振るだけ。 飲んだ瞬間、かぼすの爽やかな香りがしました。牛乳のまろやかなコクとはちみつの甘味、それにカボスの酸味が合わさってとってもおいしいです! 志賀さん)酪農家をとりまく環境は、いまかなり苦しい状況にあります。こうした状況でも、牛乳のおいしさを伝え、消費を拡大していけたらと思います。

執筆者 西垣光キャスター
2023年12月08日 (金)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード④(最終回) ~道の駅 なかつ編~

アナウンサーの和田弥月です。メイプル耶馬サイクリングロードの旅もいよいよ最終回!今回は「道の駅 なかつ」の魅力を中心にお届けします。 秋の行楽シーズン、お出かけの参考になりましたら嬉しいです。 ◆重厚な「厚ケ瀬トンネル」からスタート! 大正2年に作られ、国の登録有形文化財に指定されています。いくつもトンネルが続くここをかつては電車が走っていたんですね。 まだ暑い季節でしたので、トンネルの中はひんやりとして気持ちが良かったです!道の駅 やまくにからずっと走ってきましたが、自然がいっぱいの楽しいサイクリングでした! ◆道の駅なかつに到着   出迎えて下さったのは、駅長の柳田いずみさんです!◆名物「黒田官兵衛ソフト」をいただく 早速、自転車コーナー恒例の、ご当地ソフトを紹介してもらいました! 中津城を築城した黒田官兵衛にちなんで作られたそうです。いったいどんな味なんでしょうか。 柳田さん)「黒のペーストは黒田丸を使ったペーストです。赤いところが黒田官兵衛の兜です。黒いところは鎧です」。 見た目も楽しく、和菓子のような上品な味わい!クリームの甘さに黒田豆のコクがよく合っていて、とっても美味しかったです! ◆直売所も魅力たっぷり ずらりと並ぶ野菜や果物。この日も朝早くから出荷のために生産者が訪れていました。 ◆高校生とともに地域課題を解決! 駅長さんに店内を案内してもらっていると、、、気になるものを見つけました。 パッケージには「大分産トマトから作られたフードロスを削減するラーメン」と書いてあります。詳しく教えてもらいました。 「中津東高校のマーケティング科の生徒とコラボして作ったラーメンです。大分県産のトマトの中でも、規格外で出荷が難しくなったものを使っているので、フードロス削減につながっているんです」。 高校生と一緒に地域の問題を解決する取り組み、ステキですよね! ◆道の駅名物!はも釜めし 隣接するレストランでは中津の食材を使ったランチを楽しむことができます。その中でも特に人気なのが、中津名物の「はも」を使ったはも釜めしです! ふたを開けると、思った以上にはもで埋め尽くされていて、ご飯が見えないくらいたっぷり。 口に入れた瞬間にふわっふわで、口いっぱいにおいしさが広がりました。 ◆最高の旅の締めくくり テラス席からのはご覧の景色!地域の魅力がたっぷり詰まった道の駅なかつを楽しみ尽くしました。

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年11月01日 (水)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード③ ~道の駅 耶馬トピア編~

秋には紅葉も楽しめる“メイプル耶馬サイクリングロード”の魅力をシリーズでお伝えしています!行楽シーズン、お出かけの参考になりましたら♪ 第3回となる今回は、道の駅 耶馬トピアを味わい尽くし、耶馬渓が誇る絶景も楽しんできました。 ◆美しい緑ときれいな川に囲まれた、道の駅 耶馬トピア 駅のおススメは、なんといっても本耶馬渓の自然の中で育てられたそば!打ちたてを味わえるだけでなく、そば粉を使ったスイーツやドリンクも楽しむことができる、まさにそば尽くしの道の駅です。 駅長の髙橋和美さんに、特に人気の商品を教えてもらいました。それがこちら! そば粉がはいった「そばコーヒー」と、そばのまんじゅうです。髙橋さんによると、中身がちょっと変わってるとのことで・・・ なんと、あんこではなく高菜が入っています!たべると皮の部分はふわふわでそばの香りがし、ピリ辛の高菜がアクセントになっていてとってもおいしいです。なぜ高菜を入れることにしたのか、髙橋さんに聞いてみると・・・ 髙橋さん)「大きいまんじゅうをつくってしまったので、自家製の高菜が人気があるので入れてみようと」。という、なんともおおらかなお返事!いくつでも食べられるようなおいしさで、人気メニューだというのも納得です。ちなみに、あんこいりのまんじゅうも売っていますよ!◆続いて、そばコーヒーをいただく ストローを入れた瞬間にそばのいい香り!その後、コーヒーの苦みも味わえて、いいとこどりのおいしさでした。 髙橋さん)「そばを殻ごと炒って、粗く砕いたものをコーヒーとあわせています」。 ◆親子でサイクリングを楽しむ人たちの姿も! 「家族では月1回くらい、夫婦では1週間に1回。健康のために走っています」。「秋は紅葉、春は新緑、四季折々楽しめるのがいいところ。特に線路の跡、川を渡る橋を走るときがすごく気持ちいいです」。 ◆サイクリングを楽しむご家族に元気をもらって、出発!髙橋さんに見送っていただきました ◆有名な景勝地「青の洞門」に向かって走ります ◆いよいよ青の洞門に入りまーす! ◆かつて交通の難所として知られ、鎖を伝って命がけで渡るような場所だったそう ◆道路から下に降りられるようになっていて、明かり採りのための窓など、当時の面影が残っている場所も ◆青の洞門を抜けた先には、「耶馬渓三名橋」の一つ、耶馬渓橋が 建てられたのは100年前。近代までに作られた石橋では日本最長の長さを誇り、国の重要文化財に指定されています。 (※橋は2023年7月の豪雨災害で一部の欄干が流されるなどの被害が出たため、この記事を書いている10月末現在で通行止めとなっています。一日も早い復旧をお祈りしています)。   ◆橋を渡り切るとかわいい蛙の像が! むかえる、さかえる、ぶじかえると書いてありました。「この親子かえるは橋を渡る人々の安全と郷土の繁栄を願っております」とのこと。なんだか温かい気持ちになりました。 ◆今回の旅はここまで。次はいよいよ最終回、道の駅なかつを目指します。次回もお楽しみに!

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月31日 (火)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード② ~道の駅 耶馬トピアを目指して~

アナウンサーの和田弥月です。 秋の行楽シーズンに合わせて、ぶんドキの「やみつき自転車旅」のコーナーで過去に放送した中から、中津市の「メイプル耶馬サイクリングロード」をシリーズでご紹介しています。 第2回は、耶馬渓ダムを出発して道の駅 耶馬トピアまでの旅の様子をお届け。一押しスイーツもいただきました!   ◆今回のスタート地点は耶馬渓ダム 水も空もキラキラしていて、私は小さい頃にいとこと一緒にこの近くのプールで遊んだことを思い出しました。◆面白い橋を発見! 第二山国川橋です。平成24年の豪雨で橋の一部が壊れてしまいましたが、2年間の復旧作業を経て復活しました。 サイクリングロードの中でも特に人気スポットなんです。なぜかと言うと・・・ こんな感じで、橋が川の中をカーブしているところを走ることができるんです!「鉄道の線路跡を走っているんだな」という気がすごくする橋です。わざわざこの橋の様子を撮影に来る鉄道ファンもいるんだそう。 ◆橋の次は、木のトンネル 鳥の鳴き声と綺麗な緑、こんなに気持ちのいいサイクリングロードはそうそうありません! ◆ホーム跡で休憩もできます このスペースはかつての平田駅があった場所で、今は休憩スペースとして利用されています。大正3年に作られた石造りのプラットホームが今も残されていて、国の登録有形文化財に指定されています。 私がひと休みしているこの場所で、100年以上前に汽車を待っていた人がきっといたんですよね。 ◆休憩を終え出発したら、絶景が待っていた 見てください!この景色!見渡す限り田んぼで、遮るものが何もない中を風を切って走りました。 ◆耶馬渓といえば、そば! 旅をした日はちょうど満開で、可憐な花がたくさん咲いていました! ◆道の駅 耶馬トピアに到着!  施設内には駐輪場もあり、サイクリングの休憩にも利用することができます。 ◆道の駅の名物は、そばのソフトクリーム! その名も「そばん子ソフト」。バニラソフトの上にそば粉がたっぷりかかっています。 そば粉の香ばしくて深みのある味わいのあとに、バニラのさっぱりした味がやってきます。見た目には「粉っぽいかな?」と思ったのですが、ソフトクリームと一緒だとそんなことは全く感じませんでした。焙煎したそばの実を殻ごとひいているため、香ばしくてとてもおいしかったです! ◆次回は耶馬渓が誇るあの絶景を楽しむ旅の様子をお届けします。お楽しみに!

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月30日 (月)

やみつき自転車旅 メイプル耶馬サイクリングロード① ~道の駅やまくに編~

アナウンサーの和田弥月です。夕方ニュース「ぶんドキ」で、県内の道の駅を自転車で巡り、その魅力を伝える「やみつき自転車旅」というコーナーを担当しています。こちらは自転車運転中の私の様子をハンドルに付けたカメラで撮影したもの。旅の途中で多くの方と出会えることを、毎回とても楽しみにしています。 さて、今回は秋の行楽シーズンに合わせて、過去に放送したコースの中から、中津市の「メイプル耶馬サイクリングロード」をご紹介します。中津市内を走る全長36キロのコースで、1982年(昭和57年)に整備されました。耶馬溪鉄道の廃線跡を利用して作られていることから比較的勾配が緩やかなことが特徴で、初心者でも走りやすいサイクリングロードとなっています。 耶馬渓の美しい渓谷や田園風景が楽しめ、年間を通じてたくさんのサイクリストで賑わいます。特に紅葉の時期は、こちらのような紅葉のトンネルになるところも!コースが長いので、このWEB記事でも何回かに分けてご紹介します。初回は「道の駅やまくに編」です(以下の画像は今年5月撮影)。 ◆自然豊かな源流の町、中津市山国町。夏は山国川の支流にホタルが群生します。 ◆美しい緑に囲まれたこちらが「道の駅やまくに」。山小屋風の建物にわくわく! ◆案内してくれたのは、道の駅やまくにの副支配人・坂口玉江さん。   ◆駅の魅力は、なんといっても新鮮な野菜!朝早くから地元の皆さんが運んできます。  この日も多くのお客さんが訪れていました。 道の駅を訪れたお客さんにお話を伺うと、、、 「玉ねぎとニンニクを買いました。玉ねぎは日持ちがいいからね。いっぱいあってもいいなと思って」。 「1か月に1回くらい来ます。お野菜が町より安くて助かります」。 ◆私が特に気になったのが、こちらの黒ニンニク! 実は黒ニンニクというものの存在を、今回初めて知りました・・・坂口さんに食べ方などを伺いました。 坂口さん)「この薄皮を向いて食べます。外から見ると白っぽいでしょ。でも中は黒いんですよ」。   食べてみると、ちょっと甘酸っぱい味わいが。ニンニクの独特の風味はまったくしないのでびっくりしました! ☆黒ニンニクは、高い温度と湿度を保った状態で3~4週間熟成させることでこのように黒くなります。そしてうまみがぎゅっと詰まった黒ニンニクになるんです。☆冷やして食べるとさらに甘くなるんだそう!坂口さんも毎日食べているそうです。   ◆もう1品、坂口さんのイチオシをおしえてもらいました。それがこちら! 黒糖豆乳です。地元の大豆を原料に、やまくにの温泉水を使って作られています。 坂口さん)「すごく飲みやすくてね、1本すーっと飲めちゃいます。黒糖が入ってるんですけど甘くなくて」。 味わってみると、最初にお豆腐の風味がして、黒糖の甘さがあとから追いかけてきました。甘いお豆腐を飲んでいるようで、とってもおいしかったです。   ◆エネルギーをチャージしたら、いよいよ旅に出発! サイクリングロードは山国川沿いが中心。   ◆途中にあるサイクリングターミナルで自転車を借りることもできます。 いろいろな種類の自転車がそろっていて、子どもから大人まで楽しめそうです。 ◆自然豊かなコースが気持ちいい! 頭の上には緑、すぐ隣は川。自然を体いっぱいに感じながら走ることができました。鉄道の廃線跡だけあって、勾配も穏やかで走りやすかったです。 ◆「道の駅やまくに編」はここまで。次回は「道の駅耶馬トピア」を目指す旅の様子をお届けします♪   

執筆者 和田弥月アナウンサー
2023年10月27日 (金)