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2020年11月6日(金)

ウィズコロナ “AI音声”がひらく未来

「ニュースシブ5時」などでおなじみ、NHKが開発した「ニュースのヨミ子」。人工知能=AIを使って話すキャラクターです。実は今回、最新技術によって、より滑らかなで抑揚のある、人間に近い声にバージョンアップしました。こうしたAIの音声技術、新型コロナウイルスの影響で、人と人との接触が避けられるなか、社会のさまざまな場面で利用されるようになっています。その最前線を取材しました。

コロナ禍で加速 “AI音声”の技術開発

先週行われた国内最大級のAIの展示会です。100社以上のIT企業が参加し、「ウィズコロナの時代に求められる新たなサービス」などを発表していました。

塩田アナウンサー
「新型コロナの影響を受けて、こういったものもあるんですね!顔を近づけただけで…。」

AI
「いらっしゃいませ!私ケビーが検温しますね。35.3度、正常です!」

塩田アナウンサー
「検温してくれました。しかもしゃべっています!」

塩田アナウンサー
「こちらのブースでは、なんとAIが会議を仕切っています!」

新型コロナの影響で増えるオンライン会議。「司会」をしている女性。実は、社員の顔と声を使って、会議を進めるAIなんです。

発言が少ない人に対しては、AIが自ら判断し、発言を促します。

AI
「サイトウさん、お願いします。」

AI
「盛り上がってまいりましたが、そろそろお時間が迫っています。」

塩田アナウンサー
「こうやって時間がきたらまとめてくれる。確かにそうすると時間どおりに会議が終わるというメリットもありますね。」

開発したIT企業社長
「そうですね、会議のあり方が変わるのではないかと思います。」

AIを使って、人の声を認識し、臨機応変に会話することができる最新の技術。企業からの問い合わせは、ここ数か月で2倍ほどに増えているそうです。

人手不足の飲食店 AIが予約受付!?

新型コロナの影響が直撃した飲食店でも、 AIの音声技術が使われ始めています。この店では、売り上げが減少し、5月以降スタッフの数を4割削減。人手はギリギリの状態が続いていました。そこで先月(10月)導入したのが、 AIによる電話応対サービスです。


塩田アナウンサー
「きょうの4時30分から、3人で予約をお願いしたいのですが。」

AI
「ご希望は、本日午後4時30分から、3名様でよろしいでしょうか。」

こうした予約の受付に加えて…

AI
「あいにくご希望の時間はお席が埋まっておりました。タ方5時や夕方5時半でしたらご案内できますが、いかがでしょうか。」

席が空いていない場合には、代わりの時間を提案してくれます。込み入った問い合わせ以外は、すべてAIが対応します。

AIを導入した飲食店店長
「(AIが)電話をとってくれることで、せっかくの(予約の)機会を逃さないようにすることが大事。とても助かっている。」

人間さらながらの感情表現も!

さらに、人間さながらの感情を表現する技術開発も進んでいます。都内にあるIT企業が取り組んでいるこちらの技術。点の1つ1つが感情の違いを表していて、同じ言葉を800以上のパターンで表現できます。

開発したIT企業担当者
「悲しいとか、うれしいだけの簡単なクラス分け・表現ではなくて、人間らしい音声合成が可能になって、その利用の幅というのは広がるのではないかと思う。」

この技術が使われ始めているのが、ラジオ番組です。パーソナリティを務めるのは、「りんな」というAI のキャラクター。AIではないほかの進行役との軽妙なトークが人気です。

進行役
「お鍋の季節がすぐそこに来ていますけども。」

AIりんな
「鍋の話をしてもいいけど、シメはうどんです。あははは!」

密になりがちなスタジオで、話す人数を減らすことにも貢献しています。今後は、さらに感情表現を豊かにし、より自然な会話ができる技術を目指しています。

開発したIT企業 担当者
「人に寄り添って、一緒に生活していくというのを目指しています。会話をうまく進めたり、より友だちという感覚でAIと接してもらうことで、さまざまなところで利用できるのではないかと思っています。」

めざましい進歩を遂げるAIの音声技術ですが、会話を聞いて即座に機転のきいた言葉を返すことや、相手の気持ちをくみ取って話をしたりすることは、まだまだ人間にはかないません。そこには、もう1つ大きな技術革新が必要だと言われています。ただ、確実に感情表現は豊かになっていて、今後は例えば、福祉や介護の現場で、AIの声によって癒やされる人もいるかしれませんし、ビジネスの現場でもAIの声で顧客の心をつかむというようなことも考えられます。将来、これまで人間が行ってきたさまざまな仕事がAIに置き換わる可能性も指摘されるなか、「AIと人間は、どう共存していくべきなのか」考えなければいけない時代になっていると感じました。

取材:塩田慎二アナウンサー、近藤伸郎ディレクター(おはよう日本)

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