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2020年10月27日(火)

広がる台湾への留学 魅力は「語学・学費・ビジネス」

いま、日本の高校生に、留学先として台湾が注目されています。海外への留学生の数は、ピークにはおよそ8万3,000人でしたが、2017年にはおよそ3割減少。主要な欧米各国への留学者数も減少傾向を示す中、台湾はこの10年で5倍ほど増え、去年(2019年)初めて1万人を超えました。広がる台湾留学の動き。その現状を取材しました。

留学のために“中国語講座”設ける高校も

群馬県の、ある私立高校で去年始まった「中国語講座」。台湾から講師を招いて希望する高校生15人に、週5時間程度、中国語を教えています。

学生やその保護者からも予想以上の反響となっているこの講座。ことし(2020年)、この高校から24人の学生が台湾の大学に進学しました。

東京農業大学第二高校 加藤秀隆教頭
「我々も驚いております。非常に生徒たちのやる気があるということと、教えていただいてる先生方の熱意もありまして、上達が非常に早いです。」

台湾進学を考える高校生は全国に広がっています。台湾への進学を案内する団体には、学生とその保護者の参加が相次いでおり、2019年に北海道から沖縄まで約10か所で行ったセミナーには、のべ1,700人ほどが参加しています。

魅力① 中国語も英語も

150を超える4年制大学がある台湾。その多くで、中国語に加えて英語による授業も行われています。ディベート形式の授業で自分の意見を伝えることも求められるため、語学が身につきやすいのです。

逢甲大学3年 仲宗根爽さん
「中国語を習得して英語もできるようになったら、何かやりたいことが見つかったときにできるんじゃないかと思って台湾に来た。」

魅力② 学費は日本の3分の1

日本の学生にとって魅力的なのは、その「安さ」です。

台湾の私立大学で国際貿易を学んでいる小泉多恵さんです。9人きょうだいの末っ子の小泉さん。家族に負担をかけたくないと留学を考えていませんでした。そのとき知ったのが台湾でした。学費は、日本円で年間40万円程度。日本の私立大学の平均的な学費のおよそ3分の1です。さらに台湾の大学には経済的な負担を減らす支援策も充実しています。小泉さんも、優秀な成績が認められことし学費が免除されました。

物価が安いため生活費も低く抑えられます。小泉さんの生活費は食事や家賃を含め月4万円程度だといいます。

逢甲大学4年 小泉多恵さん
「安いというのはとても大きかったです。やっぱりできる限り両親に迷惑をかけたくないし、できるだけ自分の力でやりたいっていうのがあったので、そこはとても大きかった。」

魅力③ ビジネス最前線を体験

台湾のトップ大学の1つで経営を学ぶ在日韓国人の趙誠泰さんです。高校卒業まで出身地の大阪で過ごし、進学した台湾で初めて海外での生活を始めました。

取材した日に趙さんが向かったのは、大手のIT企業。趙さんはここで、1年あまりに渡ってインターンとして仕事を体験していました。

この企業が開発したのはブロックチェーン技術を使った動画を配信するインターネットサイト。趙さんはこの事業の担当として動画を掲載してくれるパートナーを探す仕事に取り組みました。

趙さんのインターン先の担当者
「インターンは多くきています。彼らはここで仕事の基本的なことを学べます。」

台湾のIT企業は、こうしたインターンを設けるのが一般的です。趙さんは、この企業で最先端のテクノロジーに触れたことでIT分野への興味が強くなったといいます。こうした経験が高く評価され、アジア市場を開拓したい複数の日本企業から、内定を受けました。

政治大学4年 趙誠泰さん
「最先端のことも学べるような会社で、なおかついろんなことを経験させてくれる会社で働きたいなって思っていたので、インターンは大きな経験になった。もう一度日本の大学に行くか台湾の大学にいくかという選択をするとなると、確実にもう一度台湾という選択をするだろうなと思います。」

台湾へ注目はさらに続く

日本の留学生を支援している団体によると、「台湾は新型コロナウイルスの感染者数が少ないことや、米中対立が強まる中で、中国語圏の留学先として注目が集まっている」としています。さらに、海外の日本人学生に就職を仲介する事業をしている山﨑真司さんはこんな指摘も。

株式会社ディスコ 山﨑真司さん
「留学先では、自分の立場や意見を問われることが多く、積極的な発言が求められる。コロナ禍で一般的になったオンラインでのコミュニケーションは自分から発言しないと埋没しがちだ。留学生が培ったコミュニケーション能力は、これまで以上に企業から評価される武器になるだろう。」

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