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2020年6月24日(水)

趣味や特技が副収入に! “オンライン副業”が開く可能性

いま、自宅で テレワークと同じように、“オンライン”で副業をする人が増えています。
自分の趣味や特技を生かしてオンラインの教室を開くという人が多く、気軽に始められて副収入を得ることができると人気に。広がる“オンライン副業”、その実態と可能性を取材しました。

<この記事のポイント>
◆コロナ禍で収入源が減るなどして、自宅などで手軽にできる“オンライン副業”を始める人が増えています。背景にあるのは、“いつ職場や仕事に大きな変化が出るか分からない“という危機感です。
◆もともと副業をしていた人も、“オンライン”に切り替えることで、新たなビジネスチャンスを見出しています。
◆人材を雇用する企業の側も、“オンライン副業”の活用で業績アップを図ろうとしています。特に熱い視線を注いでいるのは、慢性的な人材不足に悩まされてきた地方企業です。
◆専門家は、これから“オンライン副業”を検討している人へのコツとして「本業・副業・私生活の境界をしっかり線引きし、副業は徐々に始めること」が大切と指摘しています。

コロナ禍で収入減… “オンライン副業”に活路あり!?

外国人観光客向けの民泊の運営管理を本業とする糸原絵里香さん(26)は、新型コロナウイルスの感染拡大で、4月以降は宿泊予約がゼロの状態に陥りました。宿泊費の収入が入らない上、いつ予約客が戻ってくるのか見込みが立たない不安に駆られました。

そこで5月から、もともと得意だった料理を教える“オンライン副業”を始めました。
1時間で5品、作り置きできる料理を教えるこの教室。週末の隙間時間を使って開催し、できあがった料理は自分で食べるため “オンライン副業”のためにかかる経費はほとんどありません。
受講生から受けとる参加費は1回700円。初回は1人しか集まりませんでしたが、毎週続けていくうちに人気が出て この2か月間の売り上げの累計は10万円を超えました。

糸原絵里香さん
「まさか自宅で料理を教えることができるとは思っていませんでした。この機会に料理教室を始めることができ、自分でも驚いています。(“オンライン副業”なら)すごく大変なこともないので、自然にライフスタイルの中で続けていけると思います。」

こうした中、人気を集めているのが“オンライン副業”などで教室を開く人と受講する人のマッチングサイト。4月以降、教室の開講希望者が急増しています。このサイトでは、4月と5月の登録者はそれぞれ1,000人を超え、新型コロナウイルスの感染拡大前に比べておよそ4割増えました。

サイトを運営するストリートアカデミー株式会社 十河貴行さん
「自分が働いている職場や仕事がなくなったりするかもしれないということを考えて、危機感を持って“オンライン副業”を考え始める人が、この新型コロナをきっかけに増えたという印象を持っています。」

“オンライン副業”に新たなビジネスチャンスあり

以前から副業をしていた人も、“オンライン副業”に新たなビジネスチャンスを見出しています。
都内に住む関翔太郎さんは、“オンライン副業”として、週末を利用してプレゼン資料作成講座を開き、商談や会議などで伝わりやすい文書を作るコツを教えています。関さんの本業は、都内のITベンチャー企業の会社員です。説得力のある資料作りを求められる職場で培ってきた経験をノウハウとしてまとめ、以前は、都内の貸し会議室などを使って教室を開催してきました。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに“オンライン”に切り替えたところ、大阪や福岡など、遠方からも参加者が集まるようになりました。

関翔太郎さん
「いままでは東京近郊の人たちにしかアプローチできなかったものが、“オンライン”ならば日本全国、海外などもあり得る話になってくる。そうした人たちを一気に集客することができるのは、全く新しいチャンネルができたと思う。」

地方企業が“オンライン副業人材”の活用へ

国は、働き方改革の一環として副業・兼業を促進するガイドラインを作るなど、副業に取り組みやすい環境整備を行っています。ここ数年で副業を認める企業の数が増えてきたことも、“オンライン副業”の広がりを後押ししているようです。そして、人材を雇用する企業の側も“オンライン副業”に新たな可能性を見出しています。特に注目を寄せているのが、慢性的な人材不足に悩む地方企業です。

水産関連がまちの主要産業である宮城県気仙沼市。ここに本社を構える水産加工会社では、いま、新たな販売戦略を担える人材を“オンライン副業”を行う人の中から探そうとしています。この会社は、商品の販売ルートとして、主に百貨店などで対面販売を行ってきましたが、新型コロナウイルスの影響で販売方法を見直し、自社の通販サイトでの販売を強化することになりました。しかし、社内には 新たな販売戦略を担える人材がいないことに加え、新規に正社員を雇う余裕もなかったため、仲介会社を頼って“オンライン副業”の人材を募ることにしたのです。

先月(5月)、求人を掲載したところ、首都圏などから15人もの応募がありました。しかも、大手IT企業の社員や広告デザイナーなど、第一線で働く経験豊富な人材が次々と手を挙げてくれました。
常務の斉藤吉太郎さんは、こんなに素早くたくさん応募が集まるとは思わず、とても驚いていました。「いろんな人と仕事ができる大きなチャンスなので、地方企業にとってこれはすごくプラスなことだ」と話していました。会社では、来月(7月)には採用する人を決め、通販サイトの改善に着手する予定です。
これまで地方の企業は、都市部から優秀な人材を雇用しようとしても採用コストや移住の問題などが大きなハードルになってきました。副業や兼業をめぐる問題に詳しい法政大学の松浦民恵さんは、“オンライン副業”の広がりは「地方企業が今後のビジネスの展開を考える上でも人の確保をどうするかということを考える上でも、非常に新しくて有益で、大きなメリットをもたらす可能性がある」と評価しています。

これから“オンライン副業”を考えているあなたへ

しかし、リモートワークや在宅勤務が急速に普及し始めているいま、本業も副業もどちらも“オンライン”というケースも出てくる可能性があります。そうなると、どこまでが本業でどこまでが副業なのか、混乱してしまうのではないでしょうか。松浦さんは、これから“オンライン副業”を始めようという人へのアドバイスとして、「本業・副業・私生活の境界をしっかりと線引きすることが大切」と話していました。副業に思った以上に時間をとられてしまい、健康を害してしまう恐れもあるので、副業はあくまでもできる範囲で、徐々に始めることが大事だということです。

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