これまでの放送

2020年3月28日(土)

相次ぐ保証会社トラブル

視聴者の皆さんから寄せられた身の回りの疑問を調べる、「おはサタ調査班」。
今回は40代の男性から、「賃貸マンションを借りたとき、『保証会社と契約しなければ、マンションは借りることができない』と不動産業者に言われた。これについて調べてくれませんか」。

この「保証会社」、最近ビジネスとして急激に拡大しているのですが、その一方で、戸惑ったり不満を感じたりする人が多くいることが分かりました。

保証会社と契約しないとマンションを借りられない!?

会社員の山口英正さん(46)。横浜市で、妻と娘と暮らしています。
投稿のきっかけは、ことし(2020年)1月、マンションを借りたとき。大家側から保証会社との契約を求められたことでした。

山口英正さん
「この保証会社さんとの保証契約を結ばないと、こちらの物件は賃貸借契約できないと(言われた)。」

保証会社との契約が家を借りるための条件、と言われたのです。収入のある父親に連帯保証人になってもらうつもりでしたが、大家側から断られました。

一般的に、私たちが部屋を借りるとき、大家から連帯保証人が求められます。
借り主が家賃を支払わなければ、大家は連帯保証人に支払いを請求します。

今増えているのが、連帯保証人の代わりに「保証会社」と契約するケース。身寄りがいないなどで、連帯保証人が立てられない人が増えたことが増加の一因です。保証会社は、借り主から保証料を受け取って「支払い保証」をします。借り主が家賃を支払わなければ、保証会社が大家側に立て替え、あとで借り主に請求します。

国が管理会社を対象にした調査では、連帯保証人を求めるケースは10年で、39ポイント下がった一方で、保証会社との契約を求めたケースは23ポイント増え、全体の6割を占めるまで普及しています。保証会社に6万円の保証料を支払って契約した山口さん。保証会社との契約は本当に必要なのか、疑問に感じています。

山口英正さん
「大家さんにとっての保証でしかない。何かしらの事故があった時に滞納して、我々のお支払いが免除されてあるのはまだ分かります。我々の支払いの義務は全くなくなっていないにも関わらず保証料を支払っていると.そういう状況なのが、まず納得いっていない。」

連帯保証人ではなく なぜ保証会社と契約?

新井
「取材をした、関ディレクターです。大家さん側はなぜ、連帯保証人ではなく保証会社との契約を求めたのですか?」

関雄太郎ディレクター
「山口さんが、大家の委託を受けた管理会社に聞いたところ『借りる条件だ』という説明しかなかったそうです。管理会社や業界団体にも取材を申し込みましたが、期限までに回答は得られませんでした。そこで、保証会社に詳しい、犬塚弁護士に聞いてみるとこのような理由が考えられるとのことでした。『大家さん側からすると連帯保証人は、連絡が取れないなどで支払い請求ができないというケースがかなりある。一方で、保証会社ならば未払いの家賃の補填(ほてん)を必ず受けられる。そのため、利便性がいいと考える大家さんが多い』ようです。ただ取材してみると、保証会社を巡ってトラブルが相次いでいることが分かってきました。」

失業で家賃滞納… そのとき保証会社は?

保証会社に立ち退きを迫られた経験がある、中村さん(仮名)です。きっかけは昨年(2019年)5月、正社員として勤めていた携帯電話の販売会社の職を失い、2か月分の家賃を滞納してしまったことです。

中村さん(仮名)
「正直、滞納したことに関しては、自分自身は悪いとそれは思っています。今まで払ってきてたものが急に払えなくなってしまった時って、正直すごく焦りました。」

中村さんは賃貸借契約を結ぶ大家側に、転職先での給料が入り次第、支払わせてほしいと相談。了承を得ました。しかし、その契約の当事者ではない保証会社から、すぐに立ち退くように言われたのです。
保証会社からは訪問のたびに、家のインターホンを5分以上鳴らされ、催促の電話や手紙が毎日のように続いたといいます。

中村さん(仮名)
「契約解除になりますよじゃなくて、“契約解除なりました”って言われたんです。“何日以内に荷物まとめて出ていってください”って言われました。気持ち的にうつな状態に自分がしばらくいたのを覚えています。」

中村さんは契約について調べてみたところ、保証会社には立ち退きを求められないと判断しました。再就職後、未払い分を支払い、同じアパートに住み続けています。

「もし知らなかったら出て行ってた?」

中村さん(仮名)
「間違いなく出て行ってます。そこまで精神的に追いつめられてましたから。」

保証会社との契約 トラブルにあわないために

こちらは、全国の消費生活センターに寄せられた相談・苦情の件数の推移です。この10年、年間500件以上が寄せられています。なかには、厳しい取り立てがあったという相談もあるようです。トラブルに合わないためにはどうしたらいいのでしょうか。現在、保証会社を規制する法律はありません。部屋を借りるときに、どの保証会社と契約をすることになるか、よく確認する必要があります。

一つの判断基準になるのが国の登録制度です。家賃債務保証業者登録制度というのですが、請求が適切になされていることや、暴力団関係者がいないことが登録の基準になっています。違反した場合には、指導や登録の抹消が行われます。ただ、登録は任意のため、国内に200社以上あるといわれている保証会社で、登録しているのは70社に留まっています。この現状について専門家は、法規制されている貸金業法のようなことも検討すべきではと指摘しています。

“法規制の検討を”

家賃の保証会社に詳しい 犬塚浩弁護士
「貸金業に関しては、取り立て行為についての規制法があるわけなんですけれども、これは保証会社に関しては、今現在はない訳です。すると貸金業が必要だけれども、保証会社は必要無いっていうのは、ちょっとバランスが取れない意見というのはやっぱり大きいわけなんで、やはりある種のルール作りって言うのは、していったほうが私はいいと思ってます。」

取材:関雄太郎ディレクター(おはよう日本)

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