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2020年2月19日(水)

社内報 ターゲットは若手社員

会社で配られる社内報が、最近変わり始めています。18年前から行われている社内報のコンテストには、4年前から参加企業が急増。去年(2019年)は195社が参加し、社内報の出来栄えを競いました。社内報はこれまで、経営方針や人事情報などを伝えるのが主な役割でしたが、いま、会社への愛着や仕事のやる気をひきだすものへと変わっています。主なターゲットは、若手の社員です。

社内報が変わった! ターゲットは若手社員

去年の社内報コンテストで、特別賞を受賞した大手バイク・メーカ-では、4年前、社内報の改革に乗り出しました。社内に専門チームを新たに結成し、若者文化に詳しい外部の編集者の力も借りることにしました。狙いは、若手社員が“会社への愛着を深める記事作り”です。チーム・リーダーの倉辺祐子さんは、「社員の会社への愛着は、入社後しばらくすると落ち込んでくる。社内報には、もう一回引きあげる効果があると思う。」といいます。

改革前の社内報は、経営の課題や決算の情報など、紙面の多くが数字や文字でしたが、リニューアルされた社内報は、キャッチコピーやインパクトのある写真に目を奪われます。中でも担当者が制作に力を注いでいるのが、生産現場を下支えする若手社員を紹介するシリーズ企画「ゲンバのチカラ」。

若手社員たちの、仕事への熱意やこだわりを、社員自身の言葉で伝えています。こうした改革によって、会社への愛着が深まったという社員は2割増えました。担当者たちは、確かな手応えを感じています。

社内報の改革に取り組む企業は、いま増えているそうです。都内にある、社内報を専門に扱うコンサルティング会社では、新たな顧客からの依頼が相次いでいます。顧客は、全国に300社以上。代表の浪木克文さんは、社内報が注目される理由は、人材不足が深刻化し、若手社員のつなぎとめが企業にとって大きな課題になっているからだと分析しています。「企業が競争にさらされる中で、社員と会社とのエンゲージメント(愛着)は、非常に重要なファクターです。関係性を強くして働いてもらうことによって、生産性が上がっていく。それで今、社内報がブームになっている」と話します。

さらに、企業のイメージ・アップをはかろうと、「社内報」をあえて社外に公開し始めた企業があります。転職サイトの運営などをする会社です。この会社では4年前から、「社内報」をウェブサイトに掲載しています。社員表彰の様子から、忘年会のリポートまで、社員たちの、ふだんの姿を、社外の人たちも見ることができます。ターゲットは、この会社の就職を考える若者たちです。広報を担当する河合恩さんは、公開に踏み切った狙いについて「入社を希望する方々に、できるだけリアリティのある情報を事前に伝えておくことで、入社したあとのギャップをなくし、入社後に活躍・定着しやすくしたかった」といいます。

いま、社外の人たちから、注目を集める動画があります。社内報の若手担当者が、気になる社内の人物を紹介する動画です。社長が登場する回では、若手社員が社長とも“気さく”に対話し、社長のプライベートを聞き出しています。いまでは、採用者の9割が、入社前に社内報を見ているといいます。社内報への注目はいま、高まる一方で、企業の中には社内報専用のアプリを導入したり、ラジオ番組の制作に乗り出す例もあるそうです。
今後も、目が離せません。

報告:森田将人ディレクター

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