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2020年2月17日(月)

働く女性のワークアゲイン

働く女性は増えていますが、第一子の出産で仕事を辞める人は、2人に1人にのぼっています。一度仕事を離れた女性が再び働き始めることは「ワークアゲイン」と呼ばれ、貴重な人材として期待されています。元のキャリアを生かせるかどうかが、大きな課題となっていて、女性たちの模索が始まっています。

“ワークアゲイン” キャリア生かして復帰したい

先週、都内で開かれた、再就職を希望する女性向けの講座です。集まったのは、元総合職などの女性たち。キャリアを生かした再就職を目指していますが、望む仕事に就けるか不安を抱えています。

元テレビ局勤務(30代)
「10年のブランクがあるので、企業に溶け込んでいけるのか不安のほうが大きい。」

元銀行員(30代)
「育児との両立となると時間的にも制約が多いので、それでも採用してくれる企業があるか。」

講座を主催している人材紹介会社では、4年前から、子育てなどを理由に離職した女性の再就職支援に乗り出しました。この会社では、本格的に働き始める前に、数か月間、インターンできる仕組みを作っています。業務内容や労働条件などを企業側と話し合い、双方の合意があれば正社員として採用されます。

Waris 共同代表 田中美和さん
「約9割の方が、インターン終了後に再就職に至っています。ですのでそれだけ、機会さえあれば能力を発揮できる女性の方は、まだまだ眠っていると感じます。」

インターンを経て、去年(2019年)、ワークアゲインを果たした、八十島絵理さん。7年前まで検事をしていましたが、育児を理由に離職しました。長男が小学生になったのを機に仕事を探し始めた八十島さん。元検事というキャリアがあっても、“フルタイム”が条件となり、再就職は難航しました。

八十島絵理さん
「“きちっと時間を守って働けるか”というところをすごく聞かれましたし、私自身もやっぱり自信がなかったので“できます”と答えきれなかったところが採用に結びつかなかった。」

再就職したのは、設立6年目の農業ベンチャー。決め手となったのは、“柔軟な働き方”です。この会社では、法務を任せられる人材を探していました。時短や在宅勤務が可能なため、家庭と両立しながら働くことができています。

八十島絵理さん
「“仕事楽しい”という気持ちでやっているので、働き始めてよかったなと思います。」

柔軟な働き方ができる職場を、自ら立ち上げた女性、田澤麻里香さん(33歳)。埼玉県内で、5歳の息子を育てる主婦です。大学卒業後、旅行代理店で働いていた田澤さん。海外ツアーを企画し、現地の添乗員も務めていました。
妊娠を機に離職。出産後、ハローワークに通い出しましたが、キャリアが生かせる仕事に出会えず、再就職できませんでした。転機になったのは、実家のある長野で観光ツアーの企画に携わったことでした。両親に子どもを預け、働くことができました。

田澤麻里香さん
「“もし子どもが熱が出ても預けられるし、週末だったら私はもう新幹線で長野に行って、ふるさとの地域振興に携われる仕事ができる”というのをある時、ふと思いついた。」

週末だけなら、実家や夫に子どもを預けることができます。この日は、子どもと一緒に実家のある長野へ向かいました。13の酒蔵がひしめき合う全国有数の酒どころ、長野県佐久地域です。

田澤さんが立ち上げたのは、酒蔵のある地域の魅力を発信する会社。週末限定のツアーを開催しています。ツアーでは、日本酒のファンや外国人観光客に、酒蔵での本格的な酒造りを体験してもらいます。
“週末限定”という働き方を作ることで、地元の主婦たちのワークアゲインにつながりました。長年アメリカに滞在し、日系企業にも勤めた経験がある高村美由紀さん。親の介護を理由に、2年前に地元の佐久に戻りました。仕事を探しましたが、小学生の子どももいて、なかなか望むような就職先が見つかりませんでした。
そんなとき、外国人観光客の同時通訳を探していた田澤さんと出会いました。培った英会話を生かせる場所ができたのです。

高村美由紀さん
「ここから始まるという感じで、また頑張りたいなと思い直しているところです。」

田澤さんはさらに、酒蔵の古民家を改築した宿泊施設を建設中。営業は、週末と長期休み限定です。一緒に働く社員も、週末限定だからこそ働ける主婦たちです。

田澤麻里香さん
「主婦でもママになっても働きがいもあきらめないこと。“小さい子どもがいるからなかなか時間的な制約があってできない”と思われがちだと思いますが、そう思われているからこそ“逆にこんなことができるんだよ”ということを発信したい。」

取材:田中ふみディレクター

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