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2020年1月11日(土)

東京オリンピック公式記録映画 河瀨直美監督

ことしの東京オリンピックの、公式記録映画を任された、河瀨直美さんです。
IOCからその指名を受けました。

東京オリンピック公式記録映画 河瀨直美監督

新井アナウンサー
「いよいよ2020年オリンピックの開催まで、およそ半年ちょっとといったところですけれども。」

河瀨直美監督
「どきどきしますね。自分にしかできない事をやるしかなくて。
私がいなくなっても、次の世代の人たちが見て、何か大切なものを発見してくれたら。」

河瀨さんは、カンヌ映画祭でグランプリを取るなど、国内外で高い評価を集めています。
作品は、人間社会のリアルな姿を映し出し、命や家族の大切さを私たちに訴えかけます。
これまでドキュメンタリー作品も数多く手がけた実績が評価され、今回の監督就任が決まりました。

公式記録映画はドキュメンタリーであるため、どんな映画になるのか、まだ河瀨さんにも分かりません。
大切にしたいと思っているのは、選手たちのリアルな素顔や息づかいです。

そのために今回取り入れようとしている撮影方法が、みずからもカメラを回すことです。
撮影する相手と一対一で向き合うことで、関係を築くことができると考えています。

河瀨直美監督
「1対1で話す方が、多く深いものが届けられる。
バックヤードのものこそ本音が出たり、表情も繕っていない。
随所に取り入れていけたら。」

新井アナウンサー
「私が言うのもあれですが、表に出るのはテレビで放送される。」

河瀨直美監督
「それが一番のライバル。」

多くの人に劇場にまで足を運んでもらうため、新たな演出も取り入れたいという河瀨さん。
今考えているのが、多くの国民をカメラマンにする構想です。
携帯電話の動画を募集し、映画に取り入れるというのです。

河瀨直美監督
「自分の映像があそこにアーカイブされるかもしれない。
興味がずっと続く。
皆さんの関わり方の部分も考えているところ。」

実は、河瀨さんはもともと、オリンピックに強い思い入れがありました。
学生時代はバスケットボール部のキャプテン。
国体にも出場したことがある実力者です。

河瀨直美監督
「(監督就任は)30年前から決まっていたものが結ばれた。
私で行きましょうと言われた時には、運命だなと思った。」

河瀨さんは長年スポーツに親しんできたからこそ、スポーツが生み出す感動が世界中にメッセージを届ける力を持つと考えています。

今回の映画で伝えたいことの一つが、ほかの国の人を尊敬しあう気持ちです。

河瀨直美監督
「文化も違う、時には否定をしてしまう感情の中で私たちは生きていますけど、(オリンピックの)期間中というのは、相手を尊敬する思いが芽生える、出会いがある。
自分の役割としては、映画とか映像とか、そういうもの見た人が、隣の人に優しくしたい、抱きしめ合いたいと思う気持ちが広がれば。」

最後に河瀨さんにとって2020とは何か、書いてもらいました。

河瀨直美監督
「『つながりのはじまり』。
これで終わりではなくて、ここからつなげて未来をつくっていく。」

河瀨さんがもうひとつ、重要なテーマとして掲げるのが、被災地の人々についてです。
たいへんな状況の中でも、選手たちを支える誇り高き姿が見られるのではないか。
それをできれば、発信したいということでした。

映画は2021年春に完成予定ということです。

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