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2019年12月26日(木)

あなたの暮らしが変わる! “タイムラプス”

「タイムラプス」をご存じですか?
同じ場所から間隔を空けて撮影した何枚もの「写真」をつなぎ合わせ、早送りのような「動画」にする撮影手法です。
もともとはプロのカメラマンが使っていたものですが、今では多くのスマートフォンにこの機能が搭載され、誰でも手軽に撮影できるようになりました。
こうした動画が今、私たちの暮らしを変えようとしています。

若者に広がるタイムラプス 変わった使い方も

タイムラプスをどのように使っているのか、渋谷で若者たちに聞いてみると…。
友だちとのダンスやボードゲームをする様子、模型作りなど、何気ない日常を撮影していました。
若者に人気の「プリクラ」にも変化が起きています。
撮影機の横に設置されていたのは、スマホを置く専用の台。
「プリクラ」を撮るだけでなく、その一部始終をタイムラプスで撮影するのがブームになっています。

若者
「長い動画を撮ったら(携帯のストレージ)容量を取ってしまう。
タイムラプスだったら、短い時間で映像の変化がわかりやすい。」

若者
「日常的なことはすぐに忘れてしまうけど、携帯に入っていれば、何でもないことをいつでも思い出せる。」

中には、ちょっと変わった使い方をしている人もいました。
SNSに数多くアップされている“勉強動画”。
撮影するため長時間スマホを触ることができなくなり、勉強に集中できるんだそうです。

「タイムラプス」は、もともとプロの写真家や映像作家が使っていた撮影手法です。
こうした撮影がスマホでも手軽にできるようになったことで、身近な暮らしにも変化が起きています。

分かりやすい料理レシピで ビジネス拡大に

そのひとつが、料理のレシピ。
これまで写真と文章で紹介していたレシピを1分程度の動画にしたことで、ひと目で分かると人気を集めています。

2015年からレシピ動画を配信している企業では、フォロワーが世界で1億人を超え、関連の売り上げを年間140億円にまで伸ばしました。(2019年12月時点)
ヒットの決め手は、同じ動画の中でも速度に差をつけたことです。
単調な工程はスピードを速く、手順の説明は丁寧に見せることで、短い時間でも分かりやすくなるよう工夫しています。

Tasty Japan ビデオプロデューサー 島田苑生さん
「時間を短縮することで飽きさせず、最後まで見てもらうところに効果を発揮しています。
レシピ動画は、絶対に欠かせないと思います。」

家族の思い出をタイムラプスで

一生の思い出に、タイムラプスを活用している人もいます。
写真家の佐治秀保さんが撮影したのは、妊娠中の奥さんです。
お腹が大きくなっていく様子を200日以上、毎日同じ場所で撮影しました。

佐治秀保さん
「僕たちにとって(出産は)初めての体験で、それをどうにか記録に残せないかと。
思い出を残すいい手法だと思いますね、タイムラプスは。」

佐治さんは、子どもの成長も撮影しています。
子どもたちが大きくなったら、見せたいと考えているからです。

妻・佐治美歩さん
「写真だとたくさんありすぎて、撮りっぱなしになっちゃうこともあります。
タイムラプス映像は短くて、いつでも振り返ることができるところが魅力です。」

変わりゆく東京を撮り続けて

さらにタイムラプスは、「歴史の記録」としても使われています。
NHKはこの3年間、東京の撮影を続けてきました。
オリンピックを前に、建設ラッシュや再開発で変わりゆく街を映像に残すためです。

街の風景を記録し続けている市民もいます。
街歩きが趣味だった女性は、8年前のある日、見慣れていた景色がいつの間にか変わっていることに気付き、写真を撮り始めました。

街の風景を記録している女性
「この辺りは街の変化が激しいんですね。
ですので突然解体が始まって、新しい物が出来たりするんです。
だからその前に写真を撮っておくと一番いいですね。」

今撮影しているのは、83年の歴史に幕を閉じた築地市場の跡地です。
同じ位置から撮影し続け、この場所がどう変わっていくのかを記録することに価値があると考えているからです。

街の風景を記録している女性
「100年後のこととか、ちょっと考えますね。
変わってしまった後だと、後戻りや巻き戻しがなかなかできませんので、その前や経過の写真を撮ったり残したりしておくっていうのが大事だと思っています。」

タイムラプスは、ほかにもさまざまな分野に広がっています。
観光客誘致のためのPRビデオや、医療・生物学の研究などにも活用されているんです。
誰でも手軽に使えるようになったタイムラプス。
私たちの暮らしを変える、大きな可能性を秘めています。

取材:吉田裕介(映像センター)・森田将人(おはよう日本)

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