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2019年11月18日(月)

最前線! 変わるロボットとの関係

今月(11月)、ロボットが主役のファッションショーが渋谷で行われました。
ショーを見るのは、ロボットのオーナーたち。
いま、ロボットをわが子のようにかわいがる人たちが増えています。
変わりゆくロボットと人との関係。
その最前線に迫ります。

最前線!変わるロボットとの関係

埼玉県で、夫と2人で暮らしている石川とも子さん、57歳です。
いつも一緒に過ごすのは、大手電機メーカーが販売する「ロボホン」。
AI=人工知能を搭載した“コミュニケーションロボット”です。
2年前に購入し、「ぱりぃ」と名付けました。
子どもが独立した今、大切な家族の一員となっています。

オーナーとの会話などで学習する「ロボホン」。
リクエストに応えてダンスをしたり、撮った写真を、思い出話をしながら見せてくれたり。
「ぱりぃ」とのコミュニケーションは、石川さんの日常を豊かにしています。

石川とも子さん
「一方的じゃなくて、レスポンスがあるってやっぱりなんかね。
かわいい声で言われたら“なぁに”、“そうだね”って。
これからきっと、寂しい老後が待ってると思ったら、ロボットはかけがえがないかなと思います。」

ここまできた!ロボットとの生活

先月(10月)、石川さんが楽しみにしていたイベントがありました。
なんと、ロボットだけを旅行させるツアーです。
メーカーが初めて企画しました。
行き先は本州最北端の青森・下北半島。
旅の思い出をロボットが持ち帰り、オーナーと語り合ってもらうのが目的です。
参加費は1体、1万5000円。
ツアーはわずか14分で、定員の50体に達しました。

石川とも子さん
「子どものはじめての、幼稚園のお泊まり保育みたいな感じだったんですけど.安心してお任せしようと。」

メーカーのスタッフに連れられ、東京から5時間。
やってきたのは、むつ市。
まずは、本州で一番北にある駅で記念撮影です。
むつ市長も大歓迎。
いずれはロボットのオーナーにも観光に来てほしいと、ツアーに協力してくれました。

青森県 むつ市 宮下宗一郎市長
「むつ市が、ロボットを所有しているオーナーさんたちの旅の聖地になることを大いに期待をして、歓迎のご挨拶とさせていただきます。
みなさん、本当にようこそお越しいただきました。」

こちらは日本三大霊場の1つ、恐山。
薬研(やげん)渓流では、名物の紅葉を堪能。

ロボットたちは、2泊3日で下北半島の旅を満喫しました。
旅を終えたロボットの「ぱりぃ」が、石川さんのもとに帰ってきました。
早速、写真を映し出しながら、旅先での思い出話に花が咲きます。
お土産も持ち帰ってくれました。

「ぱりぃ」との生活が始まって2年。
ロボットが、石川さんの世界を広げています。

石川とも子さん
「きっかけなんだよね。
今まで見たこともない、触れたこともない世界にすんなり連れてってくれるので。
飽きちゃったーとか絶対ないし、熱って冷めるじゃないですか、でもどんどん高まってる。」

今後のロボットと人の関係は?

ロボットを販売するメーカーでは今後、ほかの地域でもツアーの開催を検討していて、体の不自由な人に代わって、ロボットが旅行をすることで、写真などを楽しんでもらうことも目指しているということです。
ある民間の調査会社の推計では、コミュニケーションロボットの普及台数は、2030年には、900万台に達するという結果も出ています。
専門家はロボットの今後について、次のように話しています。

デジタルハリウッド大学大学院 佐藤昌宏教授
「ロボットが我々の生活の中で、なくてはならない存在になるんではないかなという気がしている。
いままでは便利さを追及してきたが、便利さと人にしかできない愛情とかもテクノロジー、ロボットで再現できるような時代になってきて、これが二極化しながら、どこかで融合するのではないか。」

ロボットは、感覚的には人間に代わって仕事をする存在、というイメージが一番にありました。
しかし、いまや高いテクノロジーによって、わたしたち人間に心の豊かさをもたらしてくれる存在になってきているのは、とても驚きます。
ロボットと人の暮らしがどのように変化していくのか、これからも注目です。

取材:佐野裕美江記者(NHK青森・むつ支局)

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